今までに読んだ美術の本を、備忘録としてまとめています。(2021/01/14更新!)
面白い本ないかな?の参考にしていただければと思います!
初心者向けのめちゃくちゃわかりやすい本はこちら↓
絵本バージョンはこちら↓
★★★★★:超オススメ!
軽く100冊は美術系の本読んでいますが、この本が一番好きです!
良かった!強くおすすめします!星1億!!
さらにいうと、この本は美術について…というよりも、「観察力を磨いて分析力を身につけよう!」っていう内容の本です。
自分が普段、いかに周りを見ているつもりで、見ていないのか思い知らされます。(笑)
読んで損はないので、ぜひ手に取ってみてください!
すごく読みやすくて面白いのでおすすめです!
「うまさ」「スタイル」「ワールド」「アイデア」「一本勝負」というユニークなくくりで画家を紹介しています。
スーラの点描を、ラインストーンでデコる人たちに例えているのが、個人的にはツボでした。(笑)
どこからか出てきた誰も興味を持たないような絵が、実は非常に価値のある名画だった…!
そんな絵のことを「スリーパー」と呼びます。
経年劣化や、上から別の絵や色を塗られてしまったり、切り取られたりして、「これは特に価値のないよくわからない絵です」となっていたものを、
画商たちが名探偵ばりに推理して「いや、これはあの有名画家の作品だ」と謎を解明していきます。
スゴ腕画商のドキュメンタリーみたいな作品で、美術業界の裏側が覗けちゃいます!
めっっっちゃ笑いました。
マンガなのでさらっと読めちゃいます。
読み物として普通に面白いので、絵について興味はあるけど、本読むのはダルいなぁ〜みたいな人にオススメです。
画家のクセを強調&創作して描いているので、実際の人物像とはまた違うのですが、
「どんな画家がいるのかわからない」「印象派って好きだけどどれも同じに見える」みたいな人が読むと、自分の推しを見つけられるかもしれません。(笑)
鑑賞のためのキリスト教美術事典 (リトルキュレーターシリーズ)
「宗教画って何描いてあるのかわかんな〜い」の99%を解決してくれる本です。
キリスト教ではたくさんの聖人がいるのですが、キリスト教でない人からしたら、誰が誰なのかよくわかりませんよね。
その見分け方や、よく描かれるシーンについて絵やイラスト多めで解説が載っています。
マリアのウィンク―聖書の名シーン集 (ハートアートシリーズ)
聖書の名シーンがとってもわかりやすく載っている本です。
西洋絵画には聖書のシーンがこれでもか!というくらい登場するので、どんな内容なのか知っておくと何かと便利です。
こちらは神話の名シーンをわかりやすく解説した1冊です。
映画やゲーム、マンガなどの元ネタが神話だったりするので、知っていると絵画鑑賞以外でも役に立つかと思います。
巨匠に学ぶ配色の基本―名画はなぜ名画なのか? (リトルキュレーターシリーズ)
「もし名画のこの部分の色が違ったら、どう見えるのか」というのを、本当に色を変えて見比べてみた!という本です。
若干誘導っぽいところはあるのですが(笑)、確かに色を変えた方より、巨匠が描いた絵の方が良く見えてきます。
天使のひきだし―美術館に住む天使たち (ハートアートシリーズ)
絵画に描かれている天使って、いろんな種類があることを知っていますか?
この本では、とてもわかりやすく、天使について解説しています。天使図鑑です。
なぜか私が持っている本とは表紙が違いました。
絵画に描かれた悪魔についてこれほどわかりやすく、詳しく解説している本って無いんじゃないでしょうか。
題名がややこしいのですが、この本は、絵の中に描かれた「画中画」を解説した本です。
「この絵の中の壁に、この絵が掛かっているのはこんな意味があったんだ〜」というのがわかって面白いです。
視覚デザイン研究所の本は、どれを読んでも本当にわかりやすくてオススメです。
難しい言葉が一切使われていないので、初心者向けのとてもわかりやすい本です。
Paint by Sticker Masterpieces: Re-Create 12 Iconic Artworks One Sticker at a Time!
これ、とってもオススメなので、是非購入してください!(笑)
何かというと、シール版のぬりえみたいなもので、シールを貼って名画を完成させるのですが、1つの作品を完成させるにもとにかく時間がかかって、最高の暇つぶしになります。
詳細はこちらでも紹介しています↓
Sticker Mosaics: Fine-Art Masterpieces (Kaleidoscope)
こちらも上の本と同じくシール貼りモザイク職人になれる楽しい本です。
こちらの方が難易度低め。(とはいえ1つの作品に1時間以上はかかります)
詳細はこちら↓
名画を通してイギリス王室の歴史がざーっとわかります!
ヘンリー8世、チャールズ1世、ジョージ3世…などなど誰が誰?ヘンリー1世っているの?なんなの?今のイギリス王室とは?みたいな、
なんにもわからない人でも、読み終わると「なるほど〜」って思えるくらいわかりやすいです。
この本、面白いですよ〜!笑
とってもとっても読みやすいので、その点でもオススメなのですが、本当に面白くて笑っちゃいます。
「これは著者の想像です!」と言い切ってからのその解釈が面白いです。
なので信憑性という点では微妙なのですが、そういう見方もあるなって思えて楽しい。
まぁ、真面目に美術を勉強したい人がこのタイトルの本を手に取るとは思えませんが(笑)
このシリーズ、とっても読みやすくてわかりやすくて、これらの美術館に行く予定がある人は、事前に読むと現地でかなり楽しめると思います。
その美術館の代表作と鑑賞ポイント、どんな画家なのかなどが簡潔にまとまっています。
世界中の主要な美術館、全部書籍化してほしいナ〜
唯一の欠点としては、全部のシリーズで誤植があったような…校閲頑張って欲しい。(笑)
マンガでわかるオルセー美術館の見かた: 西洋絵画がもっと愉しくなる!
マンガでわかるロンドン・ナショナル・ギャラリーの見かた: 西洋絵画がもっと愉しくなる!
これ本当に良かった!泣いた!泣くとは思わなかった!
ジュリー・マネが誰なのかというと、ベルト・モリゾとマネの弟の娘です。
ジュリーの日記を翻訳したものなのですが、その日記が本当に良い…。
両親の死によって孤児になったジュリーを、ルノワールやあの気難し屋のドガが可愛がるその様子を垣間見ることができます。
ひねくれ者のドガの好感度が爆上がりしました。なんていいおじさんなの…(笑)
当時の雰囲気が伝わってくるとても良い本です。
印象派好きの人は是非!
西洋絵画だけに特化した大辞典です。400ページあります。
年表形式になっていて、この絵はこの時代というのが一目でわかります。
大まかな流れがよくわかり、内容も充実していてとても良かったです。
ただ、しょうがないのですが、この絵入ってないの〜?え?あの画家は??と思ったりも…。(ベラスケス《ラスメニーナス》の絵や、ミュシャの記載なしなど)
個人的にマグリットが大好きなのですが、日本語で読める関連書籍って意外と少ないんですよね〜
この本が一番詳しくてわかりやすくて、マグリット好きの方にはとてもおすすめです。
レンピッカも大好きなのですが、上のマグリットと同じように、本が少ないんですよね…
この本の何が良いって、レンピッカの実の娘キゼットがこの本に関わっているところです。
レンピッカがどんな人物で、どんな無茶振りをして、どんな風に絵を描いていたのかを知ることができて、とっても面白かったです。
★★★★☆:安定の面白さ
西洋絵画に興味あるけど、まず最初の1冊、何読んだらいいかわからないナ〜という人にまずおすすめしたい本です。
ざっくりといろんなことが知れます!
西洋美術史、キリスト教やギリシャ神話の登場人物、時代背景、作品の鑑賞ポイント、どんな画家?など、簡潔にまとまっています。
赤い帽子に赤い服、白くて長い髭と、トナカイ、たくさんのプレゼントを持った人物の絵をみたら「サンタクロース」だとわかりますよね?
西洋絵画でも同じように、こういう格好をしている人は誰、この動物や果物と一緒に描かれたらこの人、のような約束事があります。
これを知っていると、初見でも「この絵に描かれているのは〇〇だなぁ」とわかるようになります。
それを簡単に解説しているのがこの本です。
怖い絵 (角川文庫)
西洋絵画に興味あるような無いような…
興味あるけど、本読むほどではないんだよな〜という人に強くオススメするのが、中野京子さんの『怖い絵』シリーズです!
何冊かあるのですが、どこから読んでも大丈夫です!
絵画の楽しみ方を教えてくれる、本当に面白い本です。
「怖い絵」というタイトルですが、別にホラーではありません。
例えば、この表紙の絵はラ・トゥールの《いかさま師》という絵なのですが、女性の目つき気になりません?
気になりますよね〜この視線が何を意図しているのかわかると、この絵が怖く思えてくるんです!
気になる方は是非読んでみてください!
『怖い絵』第2弾ですが、こちらより、下の新しいバージョンがオススメです。
若干こちらの方が解説途中の絵や写真が多いですが、内容は同じです。
「怖い絵 2」に加筆訂正し、新たに2作を書き加えたバージョンです!
表紙の絵、怖い絵展の目玉《レディ・ジェーン・グレイの処刑》の悲しくて怖いストーリーなど、様々な怖い絵について読み解いていきます。
相変わらず面白くて大好きなシリーズです!
表紙の、見るからに強そうな皇女ソフィアと弟の姉弟喧嘩とか、すごいですよ。
この絵のソフィアは幽閉されているのですが、一つだけある窓の外には、絞首刑の死体をぶら下げられていたり…
表紙の絵《オフィーリア》、とても綺麗な絵なのですが、とっても悲しい絵なんです。
また、ゲイジー というシリアルキラーの怖すぎるピエロの絵なんかも必見です!
中野京子さん作なのでとても読みやすいです。
運命の瞬間を描いた作品が紹介されています。
表紙はルノワールの《シャルパンティエ夫人とその子どもたち》という絵ですが、なんとびっくり真ん中の子は男の子です。
上の本と内容は同じです。
中野京子さんの本は、その絵が描かれた時代背景や、小ネタを混ぜて絵の説明を簡潔にしてくれるので、飽きないし、本当に面白いです!
個人的には、モローの非常にごちゃごちゃした絵を「大金持ちのゴミ屋敷」と表現しているのが面白かったです。
これ以上描くところ無さそうなくらい細かくぎっしりの絵に対して、「(絵を描く時間が)あと2ヶ月ほしかった」とモローが言っていたというエピーソードが最高でした。何を描くの。
「絶筆」で人間を読む 画家は最後に何を描いたか (NHK出版新書)
その画家が、どんな絵を描いて生きて、最後に何を描いたのか…15人の画家の「絶筆」の謎に迫るという内容です。
絶筆が最高傑作という画家は聞いたことがありませんが、最後に描いたのがどんな絵だったのか、確かに気になる〜!ということで、とても面白かったです。
26作品の名画に描かれた人間の欲望を読み解いていく本です。
時代背景や画家の意図などが、とっても簡潔に書いてあるので、さらっと読めちゃいます。
どうしてそのモデルは、こんな風に絵に描かれたのか、それを追っていく本です。
18のストーリーが簡潔にまとまっているので、読みやすいし、面白いです。
表紙に描かれている女性は、画家と一種の共犯関係にありました。それが何なのかは是非読んでみてください!
「怖い絵展」で公開されていた絵を解説した本です。
モッサという画家が描いた「ロリコンチックな少女×殺戮」な絵は、昔の画家なのに今っぽくてビックリすること間違いなしです。
世界のどこかで本当にあった(かも?)世にも奇妙な21の物語を楽しむことができます。
ハーメルンの笛吹き男の話って、作り話だと思っていたのですが、本当に子供が約130人集団失踪していたっていうのにはびっくり。
なぜこれほどの数の子供が急に消えたのかいまだに謎なんだとか…。
こういう切り口の本って面白いですよね〜!
画家の恋や愛から生まれた26の名作を、多数の絵と、簡潔な解説で紹介しています。
額縁についての本なので、マニアックですがとっても面白かったです。
ロンドン・ナショナル・ギャラリーは、世界の美術館でも珍しく、「元々付いていた額縁をなるべく使う」スタイルの美術館です。
そんなロンドン・ナショナル・ギャラリーの学芸員さんの本なので、出てくる絵はそこの美術館の絵のみです。
ただ、内容がとってもあっさりしていて30分くらいで読めてしまうので、もっと分厚い本を作ってほしいです。
情報量が少ないのが残念。
イラストも多く、解説もわかりやすくて、なによりおしゃれ。センス!
西洋美術史の大まかな流れがわかる1冊です。
情報量がすごい!
ブリューゲルの絵って、知識なしで見ても絵自体が面白いのですが、何が描かれているのかわかるともっと面白いです。
この本では、代表作《ネーデルラントの諺》の諺を全て解説してあったりと、分厚い本ではないのに、内容がとにかく充実しています。
ART GALLERY テーマで見る世界の名画 1 ヴィーナス 豊饒なる愛と美の女神 (ART GALLERYテーマで見る世界の名画)
大型本の画集です。
絵画に描かれたヴィーナスだけを集めた1冊です。
写真がキレイで、絵によっては細かな解説が付いています。
同じヴィーナスを描いているのに、画家によって表現の仕方が全然違うので、見比べるのも楽しかったです。
ART GALLERY テーマで見る世界の名画 2 肖像画 姿とこころ (ART GALLERYテーマで見る世界の名画)
肖像画バージョンです。
ジョジョの荒木先生のコラムも読めます。
荒木先生が一番好きな画家は誰なのか、気になる方は是非チェックしてみてください。(笑)
ART GALLERY テーマで見る世界の名画 3 風景画 自然との対話と共感 (ART GALLERYテーマで見る世界の名画)
風景画バージョンです。
原田マハさんのコラムも読めます。
ART GALLERY テーマで見る世界の名画 4 宗教画 聖なるものへの祈り (ART GALLERYテーマで見る世界の名画)
宗教画バージョンです。
この本の最後に載っていたスルバランの《聖女エリゼベト》がどう見ても白雪姫のコスプレをしている人にしか見えないので、是非、確認してみてください。(笑)
ART GALLERY テーマで見る世界の名画 5 ヌード かぐわしき夢
ヌード画バージョンです。
この巻の解説は中野京子さんが書いているので、(他の巻の小難しくて頭に入ってこない説明とは違って)とてもわかりやすいのはもちろん、読んでて面白かったです。
ART GALLERY テーマで見る世界の名画 6 静物画 静かな物への愛着 (ART GALLERYテーマで見る世界の名画)
静物画バージョンです。
静物画には付き物の虫…!
私が大の虫嫌いということもあり、結構厳しかったなぁ…と思うくらいにはリアルなので覚悟してページをめくってください。(笑)
ART GALLERY テーマで見る世界の名画 7 風俗画 日常へのまなざし (ART GALLERYテーマで見る世界の名画)
風俗画バージョンです。
日常生活の様々な場面を描いた作品が集まっているので、見応えがあって楽しかったです。
巨匠に学ぶ構図の基本―名画はなぜ名画なのか? (リトルキュレーターシリーズ)
このシリーズはどの本も読みやすくてとってもオススメです。
ただ、この本は「構図」と言いつつ、構図以外の内容も多く(色を変えてみたら〜等)、構図について詳しく知りたい人向けではありません。
表紙が可愛くてジャケ買いした1冊です。
中も雑誌みたいな感じでとてもオシャレで、パラパラ見ているだけでも楽しいです。
その美術館にカフェやロッカーなどがあるのかも書いてあるので便利。
ミュージアムショップでどんなものが売っているのかや、周辺のカフェ情報なども載っています。
文字を読みたく無いけど、美術史の流れが知りたいという人向けの、かなり大雑把にまとまった本です。
視覚に訴えかけてくる系の本で、美術の本の中でも斬新だなって思いました。
このモチーフが絵の中に描かれていたら、こんな意味があるよ、というのがまとまっています。
とてもわかりやすいのでオススメです。
なぜ日本では印象派が人気なのか、印象派の何がそんなにすごいのかを読み解いていく本です。
マネ、モネ、ルノワール、ドガ 、モリゾ、カサットを取り上げています。
読みやすいのでオススメです!
この本のコンセプト面白いな〜って思ったのは、有名な画家が、有名な画家の絵をどう見たのか、まさしく「巨匠に教わる絵画の見かた」が書いてあるところです。
なので、画家についての説明はそこまで詳しくありません。
でも、その画家の絵を、他の画家がどう解釈してどう評価したのかを知ることができて、面白かったです。
巨匠の技法(油彩)を再現して、こう描くんだよ〜っと教えてくれる本です。
美大や絵画教室に通っている人からしたら、素人向けすぎるのかもしれませんが、素人的には本当に良かったです。
《モナ・リザ》で使われているスフマートという技法、「スフマート」という言葉はよく聞くけど、どう描くのかなんて全く知らなかったので、「へぇ〜」って思いました。(笑)
ゴッホ―はたしてゴッホは感情のまま筆を動かしたのか (巨匠の手シリーズ)
これも上の2冊と似たような感じで、ゴッホの絵を模写することによって、ゴッホがどうやって絵を描いていたのかを考察していくという本です。
もちろんこの本が解説している通りにゴッホが描いていたかというと、よくわかりませんが(笑)、個人的には面白いなぁって思いました。
名画の読解力 教養のある人は西洋美術のどこを楽しんでいるのか!?
西洋美術の歴史の流れがとてもわかりやすくまとまっていて読みやすく、理解しやすかったです。
「うわぁ〜きれい!」っていう鑑賞でもいいけど、知識あった方が楽しくない?
じゃあその知識って何なの?っていうのを簡単にまとめたのがこの本です。
「いい絵には法則性がある」という前提のもと書かれている本なので、誘導っぽさが結構あります。
賛否評論はあるとは思いますが、「ひとつの見方」として知るという意味では興味深い内容で面白かったです。
ただ、この本の内容を自分で他の絵に応用できるかというと、複雑すぎて…(笑)
教養としてのお金とアート 誰でもわかる「新たな価値のつくり方」
この手の本って、読んだ時間が無駄だったなぁ…って思うことが多いのですが(笑)、この本は数学者とダ・ヴィンチの交流や、寺田倉庫は免税で美術品などの海外取引に使われていることなど「へぇ〜」って思うことが多く、面白かったです。
メディアで取り上げられていたりレビューも良いのでちょっと期待しすぎた感。
題名の通り、13歳が読むのであれば、とっても良い本だと思います。
「図工は好きだったのに、美術になったらなんか苦手になった」という人はこの本を読むことで、アートの楽しみ方がわかるようになるかも。
この本の内容は、私が1番好きな本として最初に紹介した『観察力を磨く 名画読解』に近い内容で、簡単にいうと「もっと観察しよ?」という話です。
ただ、「花職人」とルネサンスの画家を下に見る感じには「えっ…」って思ったり、やっぱり宗教画や寓意画など「知識」がないとそんなに楽しめない絵もたくさんあるので、まぁ、ひとつの「ものの見方」を知るという意味では読む価値がある人にはあります。(笑)
これ良い本なのにタイトルに語弊ありすぎて笑う。
タイトル見て「アートセラピーの本?珍しいなぁ」と思ったら、全く違いました。違うんかい。
ゴッホとゴーギャン、ミケランジェロとパトロンだった教皇、モネやカサットと画商の関係性などを「プライマリーソース(日記や自伝などの情報源)」を引用して紹介している面白い本です。
ただし、本の中でよく引用されていたヴァザーリーの著述は、半分本当で半分嘘として有名なので、さも本当のことのように書くのはどうなんだろ…とは思いました。
これ、日本語への翻訳が死ぬほど下手すぎて、翻訳者ってこの程度でも翻訳者になれるの?ってくらいひどいのですが(笑)、画集としてはとてもおすすめできる1冊です。
というのも、他の本では見かけないような絵が多数掲載されていて、画集としてかなり楽しめます。(でもサイズが小さいので少し物足りなさもあったり…)
576ページあります!まさしく図鑑!
こういう分厚い大型の本って、小難しい感じで読みにくいものも多いのですが、これは比較的わかりやすくて読み物として面白かったです。
さらに、西洋だけでなく日本やアフリカなど他の地域の美術についても解説が載っています。(珍しい)
ただしその分、他の大型本と比べてアーティストや作品の紹介数が少ないようにも感じました。
★★★☆☆:面白いヨ
『へんないきもの』と『怖い絵』が合体した作品です。
早川いくおさんの書く文章が面白くて笑えます。
軽めな感じでとっても読みやすくておすすめです。
蟹座がどうして蟹座になれたのかという話が、あまりにもシュールすぎて個人的にツボでした。
2017年に開催された「怖い絵展」の解説本的なものです。
薄くて読みやすいです!
学芸員の方が、中野京子さんのいう「怖い」の概念を、海外の美術館の人に伝えるのが難しかったという話、確かになぁって思いました。
絵画30点に描かれた当時の男性ファッションの流行と、男の美への執念について解説しています。
1つの絵についての解説が短いので、サクサク読めちゃいます。
24人の人々を、40作品で「美しいとは何か」考えていく本です。
こちらもひとつひとつが短くて読みやすかったです。
ただ、絵の解説というよりも、描かれている人物を解説している本です。
NHKで放送されていた『迷宮美術館』をまとめた本です!
いろんな画家や絵の小ネタを、絵多めの2ページくらいで簡単にまとめているので、「へぇ〜」って思いながら、雑誌を読んでいる感じで、気軽に読めます。
ミレーの《晩鐘》を国同士で奪い合う話とか面白かったです。
《ミロのヴィーナス》のスリーサイズを測ってみた!なんていうコーナーがあって引きました…(笑)
ホルバインが、国王のために、花嫁候補のアンをものすごく美化して描いて、
それを見せて、美人だと思い込んで結婚したら、その肖像画とはかけ離れた容姿で、「うわわわ〜!」って困るエピソード、笑う。
遠近法が苦手なルソーが、花瓶に活けられた花を全て正面から描いたって話が面白かったです。ルソーだなぁ。
絵画の中に登場する、花や木や果実40種類ほどの意味や象徴性を読み解いた一冊です。
初心者向けではないかな〜、絵にある程度興味がある人向けです。
絵画の中に登場する植物の意味をまとめた本ってあまりないので、貴重〜!
まず言いたいのは、初心者向けではありません。
教科書的な解説なので、ある程度知識が無いと難しく感じるかと。
ただ、「ゴシックってなんだっけ〜?」「北方ルネサンスね、聞いたことはあるけどなんだけ…」みたいなときに、パッと調べられるので、個人的には好きです。
広辞苑とかハリーポッターの本並に厚いですが、図が多いので、意外とすらすらっと読めちゃいました。
ブリューゲルの《子供の遊戯》という作品に出てくる多種多様な子供たちの遊びを詳しく解説しています。
当時本当にあった遊びを知ることができて楽しかったのです!完全にオタク向けです。(笑顔)
娯楽本です。(笑)
西洋絵画って、いろんな制約から顔が変になっちゃったり、表紙のルソーみたいに真面目に描いているのに変になっちゃったりと、へんな絵ってものすごくたくさんあります。
そんなへんな絵を紹介している楽しい本です。
個人的にはとても興味深くて面白かった一冊です。
描かれた絵から、この人はこんな病気だったのでは?とか、力を抜いたときの手を解剖学的にも的確に描いていることがわかるとか、かなりマニアックな話が多く楽しかったです。
「毎日1作品を鑑賞」というコンセプトがとっても素敵。
絵や画家についてのコラムを読むことができるのですが、文字が小さい…。
性的なニュアンスのある絵や、危険な香りのする作品を、当時の社会状況や背景にあるストーリーから読み解いていく本です。
結構露骨な絵もあるので、電車など人前で読むのには勇気が必要かも…。
世界のビジネスエリートは知っている ルーヴルに学ぶ美術の教養
ビジネス書好きが好きそうな美術の本です。
1つの絵に対して1ページくらいの解説ですが、絵の解説というよりも、時代背景を解説している本です。
印象派の7人の画家のショートストーリーが楽しめます。
原田マハさんの小説が好きな方は楽しめると思います。
もっと知りたいマグリット 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
このシリーズ、薄くて(今回は79ページ)広く浅くその画家を紹介してくれるので、入門書としてはとってもおすすめです!
気になる画家がいれば、このシリーズで探してみるといいかも。
レンピッカの生涯と作品が簡単にまとまった1冊です。
この本自体、1〜2時間で読み終わるので何が10時間なのかよくわからなかったのですが、面白い本だな〜と思いました。
この本で西洋美術史を学ぶというよりも、どこに注目して何を勉強すれば良いのか教えてくれる本って感じなので、これで大学4年間の西洋美術史が学べるわけではありません。(笑)
それと何箇所か絵の解説に引っかかる部分があり、そんな説あるの…と思ったりも…。
★★☆☆☆:可もなく不可もなく、普通
第3弾は、日本の美術館で見ることが出来る絵の紹介が多めでした。
なので日本画が多いです。
仙崖が「○△□」で宇宙を表現したっていうのが、江戸時代なのに現代っぽいユーモアがあって良きでした。
クイズ迷宮美術館―アートエンターテインメント《スペシャル版》
シリーズ1〜5の総集編っぽい感じでした。
こちらは、絵少なめ文字多めの総集編ぽい感じでした。
文字多めとは言っても、とても読みやすいので、1〜5巻読むのはちょっと…っていう人にはオススメです!
めちゃくちゃ簡潔。良くも悪くも簡潔って感じでした。
初心者だと、説明文短すぎて逆に頭に入ってこない感じで、知識がそれなりにある人だと、物足りなく感じると思います…。
なんといっても本のタイトルがいいですよね。
ビジネスエリートとかエグゼクティブとかいわれると、なんかちょっと読みたくなりません?
普段美術に興味のない人にも求心力があって、目の付けどころ的には成功しているとは思うのですが、これを読んでも「世界のビジネスエリートが身につける教養」は身につきません。
ビジネス本っぽい堅苦しい書き方&世界史や西洋美術史に「ある程度」詳しい人でないと内容が難しい気がしました。初心者向けではありません。
それに著者の主張でいくと、日本人ならまずは日本の美術を学び、その上で西洋などの美術にも目を向けるって流れになるのでは??
さらにエグゼクティブな人々が作品に対して鋭い質問をできるのは、美術史を理解しているからだ的なことが書いてありましたが、
そもそも上の立場になれる人たちの観察力が鋭いだけなのでは…?(もちろん知識もあるとは思いますが)
ゴッホ原寸美術館 100% Van Gogh! (100% ART MUSEUM)
絵の一部を原寸大にクローズアップして見ることができるのですが、毎日Google Arts & Cultureを見ている身としては、特に感動もなく、「ふ〜ん」って感じでした。
なんならGoogle Arts & Cultureの方が綺麗だし、もっと拡大できるし…(しかも無料)
「一部分だけでも原寸大で見たい!」って人にはおすすめです。
万能の天才レオナルド・ダ・ヴィンチが書き残した手稿から、現代社会に生きる人々にも使える知恵を教えます!!!という本なのですが、読む前から怪しさがすごい…(アマゾンのレビューの評価が高すぎるのもなんだかなぁ…笑)
手稿をわかりやすく解説しているのかも謎で、それは著者の拡大解釈では??とか、それ関係ある??言いたいだけじゃない??
…と思う部分も多々ありましたが、どんな手稿があるのかなど、ざっくり知ることができた点はよかったです。
(昔の)恋愛コラム調の書き方なので、それが苦手な方は厳しいかもしれませんが、読みやすいです。
画家のミューズは、どうして画家のミューズになれたのか?
彼女たちはどんな人物だったのかを考察しています。
雑誌です。
内容はありきたりな感じで可もなく不可もなく…。
ターゲット層がビジネスマンっぽい感じのちょっと堅苦しい文の書き方だなぁと思いました。
短いコラムを集めた1冊です。
絵画の話…というよりも、題名の通り世界史のちょっとした小ネタ集です。
暇つぶしに読むには楽しい1冊ですが、中野京子さんの他の本ほどぐっとくるものはありませんでした。
★☆☆☆☆:う〜〜む
これを読むなら、下の新しいバージョンをおすすめします。
上の本に、加筆・修正を行った新版がこちらです。
小学生向けの本なので、小学生が読んだら面白いのかもしれませんが、大人が読んでも特に…です。
個人的には小学生向けの割に、言い回しも難しい気がしました…。
期待しすぎたせいか、ちょっとガッカリしてしまいました…。
絵画の中に登場する植物とその意味を知りたかったのですが、この本は、本当に「植物」のことしか解説していません。
絵の中に登場する花の種類は…この木は…みたいな感じです。
さらに、ばんばん特定していくならまだしも、結局この植物は何かよくわかりませんね…みたいな感じで、えっ…ってなりました。
モナリザの秘密 目からウロコの鑑賞術26章 (リトルキュレーターシリーズ)
視覚デザイン研究所の本は本当にわかりやすくて好きなのですが、これはどうしても受け付けませんでした。
というのも、巨匠の作品のここが傑作!という解説は良いとして、「なかなか佳作」という上から目線な評価が無理すぎました。失礼かよ…。
巨匠に学ぶ風景画 傑作の法則―名画の謎を解く20のメソッド (リトルキュレーターシリーズ)
これも上と同じ理由ですね。
「佳作」ってなに?名画でしょ?!?!って喧嘩腰になっちゃう人にはおすすめしません。(私です)