こんにちは!
みなさんは、世界最初の画家が誰か知っていますか??
現存する世界最初の絵であれば原始時代のラスコー洞窟などが有名です。
ただ、昔になればなるほど、模様と絵画の境界線が曖昧で、
専門家でもどこまでを絵として扱うか意見がわかれるそう。
今回は、画家として広く名が知れていて、現在も作品が残っている世界最初の画家を取り上げたいと思います。
最初期の画家 チマブーエ(1240-1303)
チマブーエ以前にも画家はいましたが、ほとんど文献が残っておらず、
何かと最初に名前があがるのがチマブーエというイタリアの画家です。
チマブーエ《六人の天使に囲まれた荘厳の聖母》1280年頃
おもちはルーヴル美術館でこの作品を見たことがあるのですが、
ものすっっっっっごく大きかったです。
高さは4メートル以上あります。2階建てくらいの大きさです。
圧がすごい。
背景は金箔なのでとてもゴージャスです。
今見ても感動しますが、娯楽という娯楽が無かった時代に
こんなすごい作品を見せられたら、神の存在を簡単に信じちゃうわ…てくらいすごいです。
当時はもっとキラキラで、色彩も鮮やかだっただろうし…。
表情が硬いのはなぜ…?
チマブーエ《荘厳の聖母(サンタ・トリニタの聖母)》1300年頃
先ほどの絵と似ていますが違うバージョンです。
こちらの作品の方が描かれたのが後です。
チマブーエの絵を見て、「なんか表情硬くない?」「すごそうだけど違和感あるな〜」って思いませんか?
これ、チマブーエの技術がないからでも、下手だからでもないんです!
神をリアルに描いちゃだめ!
これが全てです。
神は人間ではないので、私たちと同じような見た目で描いてはいけなかったんです。
チマブーエ《Madonna with child》1280年頃
なので平たい感じに、なんとも言えぬ無表情をしたリアルではない絵が多いんです。
もっと言うと、聖書では偶像崇拝は禁止されています。
なので本当は絵もアウトです。
ただ、絵をダメにしてしまうと、識字率がものすごく低かった当時、そもそも読めないから布教できないじゃん!?!?となり、
聖書を拡大解釈し、絵はOKになりました。
人間らしく描いてはいけないとはいえ、ここに未知の生物を描いても、ますます誰も興味を持たないので、
苦肉の策で、私たち人間に見た目は近いけど、神は神。という表現にたどり着きました。
同じ見た目の方が親近感もてますしね。
ちなみにですが、これでもチマブーエ以前の画家の絵より、表情は柔らかくなっているんです。
時代とともに、少しずつ神々の表情は柔らかくなっていきます。
弟子もすごい
チマブーエの弟子ジョットもとても有名な画家です。
ジョルジョ・ヴァザーリが書いた伝記(様々な画家についての伝記)によると、
チマブーエがジョットが岩に描いた羊の絵を偶然見かけ、その羊がものすごく上手くて、
ジョットの父親を説得して、ジョットを自分の弟子にしたと書かれています。
が、個人的には作り話っぽいな〜なんて思ったり。(笑)
・チマブーエは西洋絵画史最初期の画家 ・金箔の背景がデフォルト ・これでも表情は柔らかくなったほう ・弟子はジョット