こんにちは!
新宿のSOMPO美術館で開催中の「藤田嗣治 ―7つの情熱 Les 7 Passions de Foujita」展に行ってきました。
目次
藤田嗣治 ―7つの情熱 Les 7 Passions de Foujita

藤田嗣治に関係する油彩、版画、関連資料など約150点の作品が集まっています。特に藤田の描く猫の表情が豊かでとっても可愛いので注目して見てみてください!人の顔は怖いのに猫だけは生き生きしてる。
チケットの価格と入手方法
事前購入チケット 一般 1,700円、大学生 1,100円、高校生以下 無料です。
詳しくはこちら
ロッカー
入り口の左側にあります。コイン不要です。
音声ガイド
ありません。
写真撮影
展覧会は写真撮影不可です。

最後にある東郷青児とゴッホのひまわり2点のみ撮影OKです。

混雑
土日の朝イチで行きましたが、とても空いていました。
開館5分前くらいで10人くらいしかいなかったのと、11時頃までいましたが基本的にはずっと空いていました。
藤田嗣治 ―7つの情熱 構成
藤田嗣治ってどんな人?↓
1. 自己表現への情熱

藤田嗣治《自画像》1960年
- 特徴的な外見と生き方
- 丸メガネ、オカッパ頭、口ひげ、洒落た装いなど、自ら作り上げたトレードマーク。
- フランスと日本、伝統と前衛など、相反する文化を背景にしながらも「自分だけの境地」を確立しようと模索。
- ポイント
- 服装や髪型を含む「パフォーマンス」の側面も含め、他者と一線を画すことで独自の芸術をアピール。
- “セルフ・プロデュース”としての藤田像がうかがえる。
2. 風景への情熱

藤田嗣治《ヴォジラール、パリ》1953年
- 世界各地を旅し、風景を描く
- とくに1914年、パリ近郊の風景を描いた際の独創的なアプローチは、藤田が「自分と自然の間に生まれた独創的なもの」と自信を持った大きな節目。
- 野外で大喜びして転げ回ったというエピソードからも、独特の感動がうかがえる。
- ポイント
- 各国の風景を自らの画風に取り込み、アカデミックな模倣から脱却するきっかけとなる。
- 動きのあるタッチや構図など、藤田らしい風景描写が注目点。
3. 前衛への情熱

藤田嗣治《アトリエの中のキュビスムによる静物》1914年
- ピカソとの出会い
- 1913年渡仏時、ピカソのアトリエを訪問。
- キュビスムに衝撃を受け、自らも幾何学的分解・再構築を試みる。
- ポイント
- アカデミックな教育を受けた藤田にとって、前衛芸術との接触は大きな転機。
- パリの前衛ムーブメントに触れたことが、その後の多彩な作風に影響を及ぼす。
4. 東方と西方への情熱

藤田嗣治《シーソー》1918年
↑初期の藤田は和風マリー・ローランサンみたいな絵をたくさん描いています。
- 日本文化を再発見
- 第一次世界大戦中もパリに留まり、日本から遠く離れた環境で逆に自国の文化を見つめ直す。
- 面相筆による極細の線、金色の背景、浮世絵的なしぐさや仏像的な眼など、日本美術の要素を積極的に取り入れる。
- ポイント
- 欧州の前衛と日本美術の融合を模索し、独自の画風に結実。
- 金屏風を連想させる背景など、平面的かつ装飾的な特徴が加わる。
5. 女性への情熱

藤田嗣治《マドレーヌの肖像》1932年
- 「乳白色の裸婦」で人気を博す
- 1920年代、特徴的な白い肌の裸婦像が話題となり、藤田の名がフランス画壇で広く知れ渡る。
- 妻リュシー・バドゥーとの共同生活や画材研究が白い肌表現を確立する鍵に。
- マドレーヌとの出会い
- 1931年、リュシーと別れた後、新たな妻となったマドレーヌ・ルクーを伴いブラジルへ。
- 金髪で曲線的な裸婦像へのアイデアを得て、1930年代以降の作品に反映。
6. 子どもへの情熱

藤田嗣治《雪中のフードの少女》1929年
- 晩年の独特な子どもの姿
- 広い額、尖った口元、年齢を超えた大人びたまなざしなど、風刺的要素を感じさせる子ども像。
- 多くは特定人物の肖像ではなく、藤田の空想上の存在。
- ポイント
- 子どもを自然や純真さの象徴ととらえ、自分の理想像を重ねた可能性。
- 歳を重ねるにつれ、子どもを題材とした作品が増加。
7. 天国と天使への情熱

藤田嗣治《ヴェールの若い女性》1950年
- キリスト教の影響
- 若い頃からカトリック教育に触れており、渡仏後まもない1910年代にはイタリア初期ルネサンス風の宗教画を制作。
- 1959年、洗礼を受けカトリック教徒に正式に改宗。
- シャペル・ノートル=ダム・ド・ラ・ぺ
- 1966年、ランスにある礼拝堂の内装を手掛ける。
- 藤田の宗教的情熱が頂点に達した集大成的プロジェクト。
藤田嗣治と日本人美術家たち

川島理一郎《パリの花市場》1926年
- 「情熱の来し方行く末」:フランスで学ぶ若者たち
- 1920年代、藤田がパリで活躍する中、海老原喜之助、岡鹿之助など若い日本人画家たちが紹介状を携えて藤田を訪問。
- 藤田は彼らに個性に応じた指導を施す。
- 本展で紹介する日本人画家9名
- 東郷青児、川島理一郎、海老原喜之助など藤田と関係が深い作家の作品も展示。
- 藤田が同時代の日本人画家たちに及ぼした影響や、教育者としての姿も振り返る。
まとめ
- 「7つの情熱」という視点
- 藤田が生涯を通じて強くこだわったテーマを7つに分類し、それぞれの側面を豊富な作品・資料で紹介。
- 芸術と人生の相互作用
- フランスに渡った当初の前衛ショックから、日本美術の再発見、「乳白色の裸婦」の誕生、キリスト教への改宗に至るまで、激動の人生を反映した多彩な画風を体系的に楽しめる。
- 教育者・先導者としての藤田
- フランス画壇で成功を収めると同時に、多くの日本人画家を導いた姿にも注目。
「7つの情熱」をキーワードに、藤田嗣治の芸術世界をあらためて深く知ることができる機会となっています。乳白色の裸婦や独特の風景画だけでなく、彼が培った多様な画風や精神性にも迫る本展をぜひお見逃しなく。
ミュージアムショップ
図録やポストカード、マグネット、トートバッグ、お菓子、巾着などがありました。
カフェ&レストラン
「ミュージアムカフェ Café Du Musée」があります。
展覧会開催日の土日祝日のみの営業です。
カフェとはいっても、元からある休憩スペースでちょっと飲み物が飲める程度の簡易的なものですが安いのに量がしっかりあっておすすめ。
藤田嗣治 ―7つの情熱 概要
会期:2025年4月12日(土)~6月22日(日)
住所:東京都新宿区西新宿1-26-1
開館時間:10:00~18:00(金曜日は20:00まで)
※入場はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(5月5日(月・祝)は開館)、5月7日(水)