世界で最初に空を青色で塗り 人間の感情を描いた画家ジョットを超解説!

こんにちは!

絵画の世界で、青色で最初に塗ったのが誰か知っていますか?

さらにその画家は、初めて絵画の中に人間の感情を描き込んだ画家でもあり、あのレオナルド・ダ・ヴィンチも認めた画家なんです!

どんな画家か早速見ていきましょう!

ジョット・ディ・ボンドーネ(1267年頃-1337年)


ジョット・ディ・ボンドーネ《荘厳の聖母》1310年頃

ジョット・ディ・ボンドーネはイタリアの画家です。

身長はなんと120cmしかなかったそう!小柄〜〜

チマブーエの弟子だったとされていますが、現在では違ったのでは?という意見の方が多いそう。

23歳で結婚し、8人の子供がいました。

画家にしては珍しく、人当たりもよく、人間的魅力にあふれており、世渡り上手でした。

画家としてはトントン拍子に出世し、30代半ばにはイタリアで大人気の画家へ、その後ずっと売れっ子の人生を歩みます。

ジョットの円=まぬけ

ベネディクトゥス11世の使者がジョットにこんなお願いをします。

「教皇へのプレゼント用にデッサンを描いてください」

ジョットは使者に一筆描きの円を描いた紙を渡します。

その円はまん丸でとても人の手で描かれたものとは思えないほどすばらしいものでした。

使者にはその意味が分からず、なんで円だけ…?と思いながらその絵を教皇に渡したところ、

教皇はその技量の高さに驚いた、というお話です。

ジョット以上に丸い円を描ける人物はいない、その技量の高さに気付かないのは鈍感な人間だ、というところから

「君はジョットの円より丸い」=「まぬけ」ということわざが誕生しました。

初めて空を青く塗り、人間の感情を描いた


ジョット・ディ・ボンドーネ《ユダの接吻》1350年頃

ジョット以前までは、空は金色で描かれていました。

上の絵を見てもわかるように、ジョットは空をく塗っています!

《ユダの接吻》というのはキリストのストーリーの中でもとても有名な、ユダがキリストを裏切る場面です。

他に方法なかったの?!?!としか思えないのですが、

なぜかユダとキリストを捕まえたい側の人間は、

「誰かわかるようにキリストに接吻、それが合図」

と前もって決めていました。(なぜ)

ジョットの何がすごいって、

例えば、この絵のキリストとユダは向かい合ってますよね?

これジョット以前であれば、キリスト正面向いていたんです!

なぜなら「正義」だから。まっすぐ前を向いています。

その対比として裏切り者のユダのみを向いている(やましいことがあると視線をそらす的な感じですね)という構図でした。

これを向かい合わせることによって、両者の緊迫した空気感が伝わってきます。

さらに、周りの人物もそれぞれに表情動きがあります。

この、描かれている人物の感情や、空気感が伝わってくる絵というのは、ジョット以前にはありませんでした。

それまでは、絵画というよりも記号と言った方が正しいくらい、決まったものを決まったところに配置する、感情は無し、というのが当たり前でした。

暗い背景と、明るい前景で対比させることによって、よりこの場面が強調されています。

豪華すぎて苦情

この絵があるスクロヴェーニ礼拝堂が、家族礼拝堂の域を越えて、ものすごく豪華だったため、近くの修道院から苦情が来たとの記録が残っています。

まとめ

ジョットは、感情を描き、見て感動する絵を描いた初めての画家
・初めてく塗った
・人間人間らしく描いた