こんにちは!
今回は、聖杯探しの旅の途中で出会った乙女の城でのエピソードについてです。
早速見ていきましょう!
ガラハッドと乙女の城
アーサー・ヒューズ《聖杯を探すガラハッド卿》1870年
聖杯探しの旅へ
聖杯探しの旅に出た騎士ガラハッドは、森を抜けて僧院に行き、白地に赤の十字がしるされている盾をまず手に入れました。
闇の7人の騎士
エドウィン・オースティン・アビー《アビー・ルームの壁画「聖杯の探究」7、闇の七騎士》1893-1895年
ある日、乙女の城の前を通り過ぎようとしたところ、近くにいた老人に「引き返した方がいいですよ。騎士が近寄ると殺されてしまうのです」と忠告をうけます。
しかし彼はこのまま進んでゆき、城から出てきた7人の巨大で、筋骨隆々たる騎士たちと戦うことになりました。
彼らは7人兄弟で、卑怯にも7対1でガラハッドに襲いかかってきました。
ガラハッドはまずリーダーである長兄を最初の一撃で倒し(強い)、他の6人もこてんぱんにやっつけます(強い)。
エドウィン・オースティン・アビー《アビー・ルームの壁画「聖杯の探究」8、乙女の城の鍵を受け取るガラハッド》1893-1895年
そこに、白いローブを身にまとった老人が現れ、ガラハッドに城の鍵を渡しました。
乙女の城の邪悪なしきたり
エドウィン・オースティン・アビー《アビー・ルームの壁画「聖杯の探究」9、乙女の城》1893-1895年
城に入った彼を、大勢の乙女が取り巻き、大喜びで、自分たちを解放してくれたガラハッドを出迎えました。
ガラハッドが、この城の邪悪なしきたりが始まった理由は何かと聞くと、老人が語り始めました。
「7年前、あの7人の騎士がやって来て、ここの城主だったライアノア公爵と一緒に住むようになりました。
しかし、彼らは娘を自分のものにしようと、公爵と子息を殺し、娘を汚しました。
彼らは公爵の全領土と城を奪い取り、人々を服従させ、従わない者は殺してしまいました。
公爵の娘は彼らに汚された結果、息たえだえとなりましたが、騎士たちに向かってこう予言しました。
『乙女の手に城をゆずることになるであろう。また騎士がたった1人であなたがた全員をやっつけるでしょう』言い終わると娘は亡くなりました。
その日以来、この城の近くを乙女が通りかかると、騎士たちは襲いかかり、ここに幽閉し、乙女たちは残酷で不愉快な待遇を我慢しなければなりませんでした。
また、騎士が城の近くを通りかかると、7人全員が一度に襲って、殺してしまいました」
話を聞いたガラハッドは、まだ生きていた公爵の下の娘(死んだ娘の妹)に城と領地を与え、そこに属する騎士たちに、この娘への忠誠を誓わせました。
そして乙女たちは解放され、それぞれの家に戻りました。