ランスロットとヴィネヴィアの禁断の恋を超解説!

こんにちは!

今回は、アーサー王伝説からランスロットとヴィネヴィアの禁断の恋についてです。

早速見ていきましょう!

ランスロットとヴィネヴィア

エドモンド・レイトン《騎士号授与》1901年

アーサー王伝説に登場する円卓の騎士ランスロットと、アーサー王の妃グィネヴィアは、禁断の恋に落ちます。

アーサー王伝説と言われるだけあって、物語自体は創作ですが、アーサー王らしき人物は実在したかもしれないそうで…(とはいえ、いないと断言できないというだけで、可能性はほぼゼロに近い)

ジェームズ・アーチャー《ランスロットとヴィネヴィア》

アーサー王物語が知られるようになった頃、騎士が宮廷の貴婦人に愛と忠誠を捧げる物語が流行していました。

《騎士号授与》では、ランスロットにナイトの位を授けるヴィネヴィアが描かれています(というよりもそう解釈されることの多い絵です)。

ランスロットは、マーリンの恋人で湖の姫といわれたヴィヴィアンに育てられました。

それで「湖のランスロット」といわれるようになりました。

やがてヴィヴィアンは彼をアーサー王の宮廷に連れてゆき、騎士の位を授けさせました。

その儀式では剣で3度目肩をたたき「神と聖ミカエルと聖ゲオルギウスの御名において、われ、なんじを騎士となす」と唱えます。

通常は男性がやりますが、ここでは特別に、王妃グィネヴィアがランスロットを騎士にしています。

秘密の恋

ジョン・コリア《グィネヴィア王妃の五月祭の祝い》1897年頃

最高の騎士と呼ばれていたランスロットは、事もあろうに仕えているアーサー王の妃グィネヴィアに恋をしてしまいます。

ハーバート・ジェームズ・ドレイパー《ランスロットとヴィネヴィア》1890年代

騎士道と不義の恋との板挟みで苦しんだランスロットは、王妃への思いを断ち切ろうとしましたが、王妃を自分のものにしようとした者に彼女が連れ去られた際、駆けつけて救い出し、愛を確かめ合いました。

ヴィルヘルム・リスト《騎士と女性(ランスロットとヴィネヴィア)》1802-1803年頃

みんなにバレる

ウィリアム・ハゼレル《ヴィネヴィアの救出》1910年頃

しかし2人の関係は、仲間の騎士たち、そしてアーサー王にバレてしまいます。

これに怒ったアーサー王は、不義の罪で王妃を火あぶりの刑にしようとします。

そのピンチから王妃を救い出したランスロットは、戦いを挑む王に忠誠を示して王妃を返しました。

悲劇的な結末

エリナー・フォーテスキュー=ブリックデイル《ヴィネヴィア》1910-1911年

これで終わりかと思いきや、物語は最悪な結末を迎えます。

王妃がアーサー王のもとに戻ったからといって戦いが終わるわけではなく、最終的にはアーサー王は死んでしまいます…。

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ《アーサー王の墓》1860年

グィネグィアは修道院に入り、修道女となった彼女は、迎えに来たランスロットをも拒絶しました。

上の絵は、彼のキスを拒絶するヴィネヴィアが描かれています。

ヴィネヴィアにも拒絶され、主君のアーサー王、そして多くの円卓の騎士の死に責任を感じたランスロットもまた出家しました。

その後ヴィネヴィアとランスロットは二度と生きて会うことはありませんでした。

ヴィネヴィアの死が伝えられると、ランスロットは自ら食を絶って生を終えました。