マックス「美術鑑定家としての猿たち」を超解説!なんの絵を見ているの?

こんにちは!

今回は、ガブリエル・フォン・マックスの《美術鑑定家としての猿たち》を解説します。

早速見ていきましょう!

美術鑑定家としての猿たち

ガブリエル・フォン・マックス《美術鑑定家としての猿たち》1889年

猿たちは一体何の絵を見ているのでしょうか?

13匹のサル

美術鑑定家をサルに見立てて描いています。風刺画です。

オマキザル、ヒヒ、サバンナモンキーなど13匹のサルがいます。

13とはまた縁起の悪い数字ですね。

また、サルはヨーロッパでは罪、悪徳の象徴でした。

サルが見ている絵

サルたちが見ている絵は、額縁のラベルから「トリスタンとイゾルデ」というタイトルだとわかります。

トリスタンとイゾルデを超解説!誤って飲んだ媚薬のせいで…?

2022.01.11

値段は「10万ドル」と書いてあります。現在の金額に換算すると約300万ドル、約3億円です。

どうしてこんな絵を描いたの?

マックスは、ドイツのミュンヘンでの展覧会の作品審査に不満を抱いていました。猿が乗った木箱にも「ミュンヘン」の張り紙があります。

そこで彼は、意図的に締め切り日を過ぎてから、この絵を展覧会に持ち込んだと言われています。

絵の中の額縁の絵はマックスの作品で、審査員をサルとして描くことで、自分の絵を理解できる人間はいないと訴えたのでしょう。

サルをたくさん飼っていた

審査員をサルレベルだと馬鹿にするためだけにサルを選んだだけかと思いきや、実はマックスはサルが好きでたくさん飼っていました。なのでサルの絵がとても多いです。