こんにちは!
今回は、モリゾの《ゆりかご》を解説します。
早速見ていきましょう!
ゆりかご
![](http://omochi-art.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/Peintures_RF-2849.jpg)
ベルト・モリゾ《ゆりかご》1872年
33歳のとき、第1回印象派展に出品した作品です。
買い手はつかなかったものの他作品に比べ、例外的に好評を得た作品でした。
好評の理由は、モリゾが女性画家であり、母性愛は女性画家が描くべき主題と思われ、主題にふさわしい女性的感覚に満ちていたから、とされています。
画家を諦め結婚した姉
![](http://omochi-art.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/67c9f7c79f096e32e08d708c42c0e1cc.jpg)
出産のため実家へ一時帰省していた姉エドマが描かれています。
優しく子供をあやしながらも、画家になりたかったけどなれなかった姉の葛藤が、どこか物憂げな表情に表れています。
黒いドレスと黒いチョーカーは当時の流行ファッションでした。
![](http://omochi-art.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/482a8c57a41e77642460db6300c8ae96.jpg)
エドマの2人目の娘ブランシュです。
親子の愛をさりげなく強調
![](http://omochi-art.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/033c589d74594de5f1048a3d1c8998d3.jpg)
母親の腕と赤子の腕の動きは周到に計算され、反復しています。
親子であることの、愛情が双方向に流れていることを強調しています。
![](http://omochi-art.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/8c881765a65a249e21f671e405bdab62.jpg)
赤子の閉じた目は対角線を描き、背景のカーテンによってさらに強調されています。
この対角線は、母親と子供を繋ぎます。
また、鑑賞者と赤子の間に母親が揺りかごのベールを引っ張ることで、親子の親密さをさらに強調しています。
マネの影響
![](http://omochi-art.com/wp/wp-content/uploads/2021/08/1b16894f2a73e4ebc7424ce0cd177c10.jpg)
揺りかごを包む白いモスリンがとてもやわらかそうです。
レースを縁取るピンク色がやわらかさや優しさを演出しています。
平板な描写や陰影の無さは、マネの影響だといわれています。