日本で盗難のルノワールが英国のオークションで高額落札?驚きの結末とは?超解説!

こんにちは!

今回は、日本で盗難のルノワール絵画が海外のオークションで高額落札されていた事件についてです。

早速見ていきましょう!

日本で盗難のルノワール絵画の行方

ピエール=オーギュスト・ルノワール《マダム・ヴァルタの肖像》1903年

1億5千万円で落札されたルノワール

2013年に、13年前(20数年前とも)に日本で盗難にあったルノワールの上の絵が、イギリスのオークションで約1億5000万円(105万ポンド)で落札され話題になりました。

この絵は、ルノワールの友人の画家ルイ・ヴァルタの妻を描いた作品です。

13年前日本で盗まれた絵だった?

実はこの作品、元々は東京都世田谷区の男性が所有していたもので、ある日自宅に戻ると絵が消えていたそう…。

この男性宅からは、他にもシャガールの「花束」、日本画家の故平山郁夫の「法隆寺の塔」など計6点盗まれており、被害総額は約4億2000万円でした。

被害相談を受けた警視庁も容疑者と作品の行方を特定できずに、事件は2010年に時効を迎えていました。

しかし今回、男性が3月にこのオークションの落札結果を発見し、男性は作品の返還(売買代金の要求とも)を求め所有者の美術商を盗難容疑で訴え、国際的な問題に発展しました。

盗難品として登録されていなかった

イギリスには、国際刑事警察機構(ICPO)や美術館などの協力で構築された盗難美術品のデータベースがあり、すでに約27万点の盗難品が登録されており、ルノワール作品だけでも、約400点が登録されています。

データベースの情報は世界各国の捜査当局や美術館からの申告が基になっていますが、日本から登録されている作品は約30点のみで、上の絵は登録されておらず、競売会社の盗難品チェックもすり抜けたとみられています。

オークションを主催したサザビーズは、「顧客情報は極秘で教えられない。出品時の調査では出品者は正当な持ち主で、保証もあった。(盗難品の可能性については)調査中で、関係者と協議している」と説明しました。

事件は思わぬ方向へ

その後、所有権を争う裁判で、盗まれたと主張する元所有者の男性が提出した鑑定書が偽物の鑑定書だったことから、そもそもこの男性が所有していたルノワールの絵は贋作だったというオチ…。

彼に贋作を売りつけたグループが、証拠隠滅のために盗み出した可能性が高いそうで…なんともかわいそうな話ですが、信頼のおける鑑定機関から購入しなかったのだから自業自得ですね…。