こんにちは!
神を描かせるならこの画家でしょNo.1のフラ・アンジェリコについて解説します!
早速見ていきましょう!
フラ・アンジェリコ(1395年頃-1455年)
『最後の審判』1432年 – 1435年の上部パネル
フラ・アンジェリコは初期ルネサンス期のイタリアの画家です。
本名はグイード・ディ・ピエトロで、フラ・ジョヴァンニと呼ばれていました。
修道士として絵を描いていて、その絵がとても優れていたことから、「天使の僧侶」という意味でフラ・アンジェリコと彼の死後に呼ばれるようになりました。
画家ロレンツォ・モナコが師匠だと考えられています。
兄と一緒に入信
1417年、20代前半ですでに画家として生計を立てていたことがわかっています。
その後、兄と一緒にフィエーゾレのドミニコ修道会に入信。
そこでは装飾写本の仕事をしました。
フラ・アンジェリコは、とっても信仰心が厚く、質素な生活をし、神の意思を絵に描こうとしていました。神の使いかな?
神への究極の信仰心から生まれる絵画は、たちまち有名に。
1436年、芸術の最先端都市フィレンツェに新しくできたサン・マルコ修道院に移ります。
フィレンツェの権力者コジモ・デ・メディチからの手厚い待遇を受け、修道院で大きな個室が与えられました。
ザワザワ
《サン・マルコ祭壇画》1438-1443年
聖母マリアとキリストを囲む聖人たち。
みんなざわざわと談笑している雰囲気があります。
この自然さが革新的!な絵です。
こういう1枚の絵にいろんな聖人を描いた作品を「聖会話」といいます。
サイゼの絵
《受胎告知》1440年頃
この絵になんとな〜く見覚えがある人もいるはず。
サイゼに飾られている絵の1枚です!
大天使ガブリエルが、聖母マリアに「神の子を妊娠しましたよ!」と伝えている場面が描かれています。
シュールすぎる
《キリストの嘲笑》1441-1443年
これは…(笑)
別に笑わせるために描いていないことは百も承知ですが、初めて見たとき笑ってしまいました。
キリストが捕まって「奇跡起こしてみろよ〜」って馬鹿にされている場面が描かれています。
横で、すごい勢いで唾をかけている男の顔や、棍棒で殴りつけている手のみが描かれているというかなりシュールな絵です。
キリストの目を覆っている布がまたいい仕事をしているな…
この時代に、概念を描くという表現方法があったこと、それが受け入れられて後世まで残っていることにも驚きました。
左下で悲しんでいるのは、聖母マリア
右下は、聖ドミニコ(フラ・アンジェリコが入信していたドミニコ会の大元)です。
ローマ教皇からのラブコール
《石打の刑を受ける聖ステファヌス》
サン・ピエトロ大聖堂のフレスコ画を描くために、ローマ教皇ニコラウス5世に招かれ、ローマへ行きます。
そこでニコラウス5世から「フィレンツェ大司教にならない?」と提案されますが、「私には見合わない役職です。他に適任者がいます。」と断ってしまいます。
フラ・アンジェリコの、お金にも名誉にも興味ない感じが、神に使えし修道士って感じで、素敵…。
ですが、このエピソード自体が作り話の可能性が浮上しています。
(芸術家の伝記の著者ヴァザーリの本に出てくるエピソードですが、この本自体、話を盛っていたり日付が間違っている部分があるので、何が正解なのか現在でも調査中。)
その後、フィエーゾレに戻り、修道院長を務め、再びローマに戻り、そこで1455年に亡くなります。
まとめ
・フラ・アンジェリコは画家の前に修道士 ・神の意思を伝えるための手段としての絵 ・金箔やラピスラズリなど高価な顔料を使わなくても神々しい絵が描けると証明した