こんにちは!
今回は、ボッティチェリの《誹謗》について解説します!
早速見ていきましょう!
誹謗
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サンドロ・ボッティチェリ《誹謗》1494-1495年
ボッティチェリ晩年の作品です。
何の絵?
古代ギリシャ、アペレスという才能のある画家がいました。
彼の才能を妬んだ画家アンティフィロスが、謀反に加担したと王に吹き込み、彼を投獄させます。
最終的には、アペレスの無実は証明されますが、そんな「誹謗」への怒りを描いた作品です。
誰?
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王とアペレス以外は擬人像です。
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王様の耳はロバの耳…ロバの耳は愚か者の象徴です。
そんな耳に、「無知」と「疑惑」が何かを吹き込んでいます。
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「誹謗」の髪を編んだり、バラの飾りを付けようとしているのが「欺瞞」と「陰謀」です。
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「誹謗」の手を引く「憎悪」。
彼女の手には、嘘の象徴である松明が。
嘘の広がりが、光の広がりと同じくらい速いことを意味しています。
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「誹謗」に引っ張られているのは、この絵の主役アペレスです。
髪引っ張られるとか、それは顔も険しくなるよなぁ…
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「悔恨」は「真実」を振り返っています。
アペレスと「真実」のみ裸なのは、嘘偽りの無いことを意味しています。
なので他の人物は厚く服を着込んでいます。
この絵に込めた思い
この頃のボッティチェリは、ドミニコ会の修道士サヴォナローラに心酔していました。
サヴォナローラ側についたことによって、パトロンだったメディチ家を裏切ったという誹謗、
サヴォナローラに対する誹謗(彼は後に処刑されています)、
そしてボッティチェリが同性愛者だという誹謗、
これらのことを念頭において描いたと考えられています。
最後の女性ヌード
サヴォナローラ大好き人間になってしまってからのボッティチェリは、《ヴィーナスの誕生》や《プリマヴェーラ》のような優美な絵は描かなくなってしまいました。
ボッティチェリが女性のヌードを描いた最後の作品でもあります。
そこにはもう、以前のような柔らかな表現は消え失せていました。