こんにちは!
今回は、アングルの《泉》です。
早速見ていきましょう!
泉

ドミニク・アングル《泉》1820-1856年
アングルが30年もの歳月をかけて完成させた作品です。
泉を擬人化した裸婦像が描かれています。
元ネタ

ジャン・グージョン《イノサンの泉》一部 1547-1550年
イノサンとは「無垢」という意味です。
アングルは、ジャン・グージョンのこのレリーフ彫刻に影響を受けて本作を制作したと考えられています。
コントラポスト

ドミニク・アングル《海から上がるヴィーナス》1807-1848年
重心を片足にのせ、もう片方の足を自由に遊ばせることで、身体の流れをS字にしてバランスを取るポーズのことを、コントラポストのポーズと呼びます。
このポーズで描くことによって、優美さと官能性が強調されます。
ちなみに上の作品も、完成に40年かかっています。(笑)
アングルは、昔描いた絵をコピペのように流用することが多々あるのですが、上の絵のポーズを《泉》でも使用しています。
左右の違い

向かって右の身体のラインは優美な曲線、左のラインは垂直線と、左右で対比させることによって、官能性や美しさを強調しています。
陶器肌

この絵に限らず、アングルの描く女性の肌は、つやつや陶器肌です。
これだけ拡大しても筆跡がわかりません。
この仕上げの美しさがアングルの作品の魅力の一つです。