クロード・ロラン「イサクとリベカの結婚のある風景」を超解説!

こんにちは!

今回は、クロード・ロランの「イサクとリベカの結婚のある風景」を解説します。

早速見ていきましょう!

イサクとリベカの結婚のある風景

クロード・ロラン《イサクとリベカの結婚のある風景》1648年

イサクとリベカってだれ?

主題は、『旧約聖書』「創世記」で語られている預言者アブラハムの息子イサクリベカ結婚の物語から取られています。

高齢となったアブラハムは、息子イサクの結婚を考えるようになりました。

そこでアブラハムは老召使に、自分の親族が住む故郷の町まで息子の嫁を探しに行かせました。

その際に、イサクをカナン人の女と結婚させてはならないと厳しく命じました。

町に着いた老召使は、ラクダを井戸のそばに座らせました。

そこにリベカが水汲みにやって来ると、老召使いは彼女が気立ての良い娘であり、またカナン人ではなくアブラハムと同じノアの子孫であったので、彼女との出会いは神の御導きであり、イサクの結婚相手にふさわしいと考えました。

館に招かれた老召使は、これまでのいきさつをリベカの両親に話すと、彼女の両親は娘にどうしたいか尋ねました。

するとリベカはすぐに結婚を承諾しました。

そこで2人はラクダに乗って、アブラハムの土地へと向かいました。

ちょうどその頃、帰郷したイサクが夕暮れの野を散策していました。

老召使がイサクに一部始終を話すと、イサクはリベカを母サラが使っていたテントに連れて行きました。

2人は結婚し、イサクは心からリベカを愛し、母を失った悲しみも慰められました。

絵の解説

クロード・ロランは理想的な田舎の風景の中にイサクとリベカの結婚式の祝宴を描いています。

 

花婿イサクと花嫁リベカは、画面右の前景で結婚を祝福する人々に囲まれて、タンバリンを持って踊っています。

 

人々はゆったりした姿勢で座るか、あるいは立っています。

祝宴は石造の橋と小道の先にある開けた場所で催され、また祝宴に参加する人々が小道を歩いています。

 

画面左では牧人が牛の群れを水辺に追い立てています。

 

中景の川では小舟が行き来し、川の水力を利用した水車小屋が稼働しています。

 

水車小屋は円形の塔を伴っています。

また画面左の対岸には町があります。

 

絵画の主題は、中央の人々のグループのそばにある木の切株の碑文によって識別することができます。

平らな風景と遠くまで伸びる水辺の広がりは想像上のものですが、ローマ周辺の風景に触発されて描いたものでした。

クロード・ロランは仕事のほとんどを街で過ごしましたが、周辺の田園地帯をスケッチするために頻繁に旅行しました。

背景の水車小屋と町、自然主義的な空は、クロード・ロランの絵画の共通の特徴です。