こんにちは!
今回は、ルネサンス3大巨匠が登場するラファエロ《アテナイの学堂(アテネの学堂)》について解説します。
早速見ていきましょう!
目次
アテナイの学堂
ラファエロ・サンティ《アテナイの学堂》1509-1510年
5×7メートルの超巨大な作品です!
バチカン教皇庁の中の、現在ラファエロの間と呼ばれる部屋の壁に描かれた絵で、ラファエロの最高傑作です!
これは、教皇ユリウス2世がバチカン宮殿の彼の部屋を改造する際に、制作を委任したフレスコ画の中で最も有名な作品です。
登場人物
古代ギリシアの偉人(ほぼ哲学者)を描いた作品なのですが、鑑賞者が楽しめるように、有名な画家が偉人に扮しています。
※プラトン、アリストテレスなど、持っているものから確実にその人!と断定できる人物以外は諸説あります。
エピクロス
幸運を人生の目的と説いた哲学者です。
イブン・ルシュド
哲学者、医学者です。
膨大なアリストテレス注釈を書いた人物です。
ピタゴラス
数学者、哲学者で、ピタゴラス音律でも知られています。
アレクサンドロス3世
マケドニアの王です。
アリストテレスを師としていました。
ヒュパティア
女性天文学者です。
ラファエロの愛人マルゲリータがモデルを務めています。
ソクラテス
「無知の知」による心理の探究を説いた哲学者です。
ヘラクレイトス
哲学者です。
ミケランジェロをモデルに描いています。
ミケランジェロよりラファエロの方が8歳年下です。
ちなみにミケランジェロはこの作品を見て「自分の作品の模倣だ!」とラファエロを非難しています。
実際にラファエロは、ミケランジェロの制作中のシスティーナ礼拝堂の天井画を見に行っています。
この作品にミケランジェロを描いたのは「尊敬の証」だと言う人もいますが、ミケランジェロを憂鬱な哲学者っぽく、自分を天才画家として描いていることから、ミケランジェロより自分が上アピールにも見えますよね…。
プラトン
哲学者です。自著『ティマイオス』を持っています。
プラトンは、理想形の世界は物質的な宇宙を超えて存在すると信じていたため、天上を指し示しています。
レオナルド・ダ・ヴィンチがモデルです。
レオナルドよりラファエロの方が31歳年下です。
アリストテレス
プラトンの弟子です。自著『ニコマコス倫理学』を持っています。
アリストテレスは、単に物質界の経験や、経験に基づく考察によってしか知識を獲得することはできないと考え、地上を指し示しています。
ディオゲネス
哲学者です。酔っ払いかと思いました。(笑)
ソクラテスの孫弟子です。
ギリシャ哲学界で物議をかもしたディオゲネスは、社会から離脱し、大樽の中に貧しく住むことに決めたため、通常は不潔でぼろぼろの服を着た、路上に住んでいるホームレスとして描かれています。
アテーナー(ミネルヴァ)
ギリシア神話の女神アテーナー(ローマ神話だとミネルヴァと呼ばれます)は、知恵の女神です。
メデューサの首を持っています。
エウクレイデス(ユークリッド)
数学者で幾何学の父です。
遠近法と密接に関係のある「光学」についての考察などの著書を残しています。
モデルは、建築家のブラマンテです。
ゾロアスターとプレトミー
預言者、哲学者である古代のペルシアのゾロアスター(天球を持っている)と、地球が宇宙の中心であると信じたギリシャの数学者、地理学者、天文学者のプレトミー(手前にいる黄色い服、地球儀を持っている)が議論をしています。
プロトゲネス
アペレスのライバルだった画家。
画家のソドマもしくはペルジーノがモデルです。
アペレス
古代の伝説の天才画家です。
ラファエロの自画像でもあります。自負心がすごい。強い。
ラファエロがいつも着用していた暗い色のベレー帽をかぶっています。