マネ「水上アトリエで制作するモネ」を超解説!

こんにちは!

今回は、マネの《水上アトリエで制作するモネ》についてです。

早速見ていきましょう!

水上アトリエで制作するモネ

エドゥアール・マネ《水上アトリエで制作するモネ》1874年

晴れた夏の日、アルジャントゥイユにいるモネを訪ねたマネが、面白い戸外制作例としてこの作品を描きました。

経済的に余裕を持ったモネは、傾倒するドービニーのアトリエ船「ボタン号」を真似て、小さなボートを購入してそれをアトリエ船に改造しました。

尊敬する人物と同じことをしたがるのは、あるあるですよね。

 

同船しているのはモデルではなく、妻のカミーユです。

 

屋根付きなのは、雨への対応というより、画面への光の反射を防ぐためでした。

モネは、間近に見る光の反射や川から眺めるセーヌ河畔のさまざまな相貌を描きました。

船酔いしたり、揺れで絵筆が狂ったりしなかったのかな…。

30代前半この頃のモネは、経済的にも少し余裕が生まれ、愛する妻と息子とともに郊外の住宅で幸せに暮らしていました。

 

絵を見ると、キャンバスが小さいことがわかります。

持ち歩くので、当然といえば当然です。

刻一刻と変容するや外光をとどめようとすれば、号数はおのずと制限されてしまいます。

教会や王侯貴族がパトロンの時代は、礼拝堂や王宮や大邸宅に飾るために知的な構成の巨大画面が求められましたが、王政終焉とともに購買層である富裕層も小粒になって絵も小型化し、主題もなくなり、見たままを描くため構成もさして必要なくなりました。

 

遠くには近代社会の証である工場の煙突が描かれています。