「オルセー美術館所蔵 印象派―室内をめぐる物語」展の感想と完全ガイド!混雑状況や購入グッズ&コラボメニューも紹介!

こんにちは!

上野の国立西洋美術館で開催中の「オルセー美術館所蔵 印象派―室内をめぐる物語」に行ってきました。

オルセー美術館所蔵 印象派―室内をめぐる物語

本展は、パリ・オルセー美術館の傑作約70点を中心におよそ100点で構成され、同館の印象派コレクションがこの規模で来日するのは約10年ぶりです!

チケットの価格と入手方法

当日券

一般 2,300円、大学生 1,400円、高校生 1,000円、中学生以下無料です。

詳しくはこちら

ロッカー

正面入り口入って右のロッカーに預けるのがおすすめです。

展示室の前(下の階)にもロッカーがあります。

音声ガイド

展覧会アンバサダーの上白石萌音さんの音声ガイドを借りることができます。

会場レンタル版650円、アプリ版700円です。

写真撮影

数枚のみ撮影OKです。OKな作品にはマークが付いています。下で紹介しています。

混雑

展覧会初日の土曜日の朝イチで行きましたが、信じられないくらい混んでいました。

開館20分前着で前に2~300人くらい並んでいたのでは?とにかくたくさんの人。

この日は急に気温が下がり、しかも雨で結構寒かったのに皆何時から並んでいるの…。

数分前に門が開いて入場、チケット購入済み列、当日券列、グッズ買いたい人列で並ぶ場所が変わります。もちろん展示を見終わってからグッズを買うこともできます(かなり並ぶ)。

思ったよりもグッズ売り場に直行する人が多くてびっくり。ショップの混雑状況などは下記「ミュージアムショップ」で詳しく書いています。

会場内もかなり混んでいました。

今回の展覧会は、第1、2展示室に目玉作品がまとまっているので、ここをさっと飛ばして先に他の空いている展示室から見るということができず、朝イチで入っても最初からまあまあ混んだ状態でずっと鑑賞していく感じでした。

後半は正直見どころがあまりないので(個人の感想です)、もっと人気作品を後ろの章に分散させてくれればよかったのに〜という気持ち…。ということで後半の展示は皆サッと見て移動してしまうからか空いていました。

とにかく写真撮影OKな人気作品の前はぎゅうぎゅうで、鑑賞どころではなかったです…。朝イチで会場内に入って直行すればなんとかなるかな?という感じ。

確かにルノワールやドガなどの素敵な作品が来日していて、作品自体はとっても素敵だったけれど、満足に鑑賞できるような空間では全く無いので、個人的には満足度は低かったです。平日の夜とかに行けばマシかな。

オルセー印象派展 構成

第1章 室内の肖像—創作の空間で/モデルを映し出す部屋で

印象派は野外だけでなく、家の中も大切な舞台でした。家具の並び、服の質感、壁に掛かった図版…。細部までが、その人の性格や家族の関係を物語ります。ここでは、室内の人間ドラマを描いた作品たちが並んでいます。

エドガー・ドガ《家族の肖像(ベレッリ家)》1858–69年

若いドガが、イタリアに住む叔母ローラの家族を描いた大作。黒い服と直線的な家具、人物のあいだにある空白が、言葉にしにくい緊張を生みます。室内を“舞台”に見立て、家族の距離感を可視化した名作。今回が日本で初めての公開です。

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2021.01.05

エドゥアール・マネ《エミール・ゾラ》1868年

作家ゾラの机と壁に、マネが選んだ小物や版画が並びます。たとえば《オランピア》の版画やベラスケス《バッカス》の版など。モデルの趣味や交友を“部屋”で語らせる、読むべき肖像です。座っている場所はマネのアトリエで、ゾラへのお礼の肖像として描かれました。

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2021.08.10

クロード・モネ《アパルトマンの一隅》1875年

左右のカーテンが舞台の幕のように開き、床の寄木の斜線が目を奥へ導きます。逆光の中に長男ジャン、さらに奥の窓辺に妻カミーユらしき姿。パリ郊外アルジャントゥイユでの家族の暮らしを、光と影(暖色と寒色)の対比でまとめた室内画です。

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2020.06.15

フレデリック・バジール《バジールのアトリエ(ラ・コンダミンヌ通り)》1870年

パリ・ラ・コンダミンヌ通りのアトリエの様子。1868~1870年にルノワールと共用した実在の場です。中央のバジールの立像は、本人が父に宛てた手紙に「マネが描き込んだ」と書いたとおりの仕上がり。右では友人のエドモン・メートルがピアノを弾いています。仲間と作品に囲まれた半私的空間が、そのまま記念写真のように残された一枚です。

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2020.11.19

ジェームズ・ティソ《L. L.嬢の肖像》1864

赤と黒の強いコントラスト。卓上に腰掛けるような大胆なポーズが、19世紀の流行(モード)と室内の華やぎを際立たせます。モデルのイニシャル以外は詳しくわかっていませんが、サロン期のティソを語る重要作。

アンリ・ファンタン=ラトゥール《デュブール家の肖像》1878

妻ヴィクトリアの一族を室内に集め、視線と手の置き方で、親しさと緊張を同時に描き出します。

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2021.03.10

第2章 日常の情景—気晴らし、夢想、親密さ

読書、手紙、音楽、手仕事。いつもの所作が、室内の光と素材の違い(布・木・金属など)で、その場の空気まで感じさせます。野外の「瞬間の光」だけが印象派ではないことがよくわかる章です。

ピエール=オーギュスト・ルノワール《ピアノを弾く少女たち》1892

白い布、木のテーブル、真鍮の留め具。それぞれの光り方を描き分けて、静かな演奏の雰囲気を作ります。同主題の複数ヴァージョンがあり、国民美術館への購入運動(マラルメら)ともつながる作品です。

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2021.10.13

エドゥアール・マネ《ピアノを弾くマネ夫人》1868年

黒いドレスが光を吸い、鍵盤と白布だけがかすかに輝きます。家庭の小さな演奏会を、落ち着いた集中で描いた一枚。夫人スザンヌの姿を通して、当時の室内の音楽文化が見えてきます。

エドガー・ドガ《マネとマネ夫人像》1868-1869年

ドガは、親しい画家仲間だったマネ夫妻へプレゼントするつもりでこの絵を描きました。ピアノを弾くスザンヌ・マネと、ソファにもたれて聴くエドゥアール・マネ。ところが出来上がりに不満を覚えたマネが、妻の顔の描写が気に入らず画面の一部を切ってしまったため、一時は関係がこじれたという有名なエピソードが残っています(その後仲直り)。いま見られる姿は、その“切り取り”後のかたちです。

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2020.08.15

ピエール=オーギュスト・ルノワール《大きな裸婦》1907年

ルノワールが追い続けたテーマのひとつが、豊かなからだの曲線をもつ裸婦です。この作品では、横たわるポーズという伝統的な主題を取りながら、やわらかな色づかいで肌の質感と量感をていねいに表しています。19世紀の画家ティツィアーノやルーベンスの流れをふまえた、おだやかで気品のある大作です。

第3章 室内の外光と自然—取り込まれる風景、植物

窓、バルコニー、温室は、家の中と外をつなぐ場所。ガラス越しの拡散光やカーテンを通した柔らかい光が、室内に外の時間を呼び込みます。近代の住まいが自然を「室内に招く」工夫にも注目。

アルベール・バルトロメ《温室の中で》1881

フランス窓から温室に一歩踏み入れる夫人プロスペリエを正面から。古典的なポーズや衣装は格式を感じさせますが、色の置き方は印象派風の明るさ。内でも外でもない半室内の魅力を大画面で伝えます。

アルベール・バルトロメ夫人のドレス 1880年 綿 オルセー美術館、パリ
© Musée d’Orsay, Dist. GrandPalaisRmn / Patrice Schmidt / distributed by AMF

出典:オルセー美術館所蔵 印象派―室内をめぐる物語『作品紹介』

会場には、この絵に登場する実物のドレスも展示されています。

第4章 印象派の装飾—室内への新しいまなざし

印象派は、イーゼル画だけでなく、家の壁を飾るための大きな絵や、室内に合う装飾的な作品にも挑みました。壁紙・鏡・布・家具と、絵の色や筆づかいが響き合うと、部屋全体が「作品」になります。

クロード・モネ《七面鳥》1877年

私邸の大広間を飾るために依頼された装飾画のひとつで、広い庭を歩き回る七面鳥の群れを、低い目線から大きく描いています。外の明るい光や動きのある筆づかいは、モネならでは。居間にいながら外の風を感じられるような、“室内に自然を連れてくる”発想の作品です。

エドゥアール・マネ《花の中の子ども(ジャック・オシュデ)》1876年

花でいっぱいの庭から、オシュデ家の長男ジャックがこちらをのぞいています。画面の手前まで寄った思いきったトリミングや、明るい色の重ね方は、印象派から受けた新しい刺激を感じさせます。戸口の上を飾ることを想定した横長の装飾画で、家庭に親しまれているモチーフを、軽快な筆づかいでとらえています。

最後の一室のみ全て撮影OKです。

クロード・モネ《睡蓮》1916年

モネが晩年に取り組んだ「睡蓮」連作の一枚。岸も空も描かず、水面そのものだけに集中しているのが特徴です。近づくと重なった絵の具の肌が見え、離れると静かな池の広がりが現れます。これは実業家松方幸次郎が直接画家から手に入れた作品で、日本に伝わる重要な一点です。

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2020.06.09

クロード・モネ(原画)、サヴォヌリー製作所 《睡蓮》 1913年 毛織物

モネの「睡蓮」は、絵画だけでなくタペストリーのデザインにもなりました。これはパリのサヴォヌリー工房で織られた例で、水面の映りこみや浮かぶ葉の配置が、織物のやわらかな質感とよく合っています。20世紀初め、モネの自然表現が装飾芸術にも広がっていったことがわかります。

ギュスターヴ・カイユボット《ヒナギクの花壇》1893

この作品は、カイユボットが自宅のために構想した室内装飾です。壁面を連続するパネルで覆い、白いヒナギクが点在する芝生をぐるりと描いて、部屋そのものを花壇の中のように見せます。生涯の後半に庭づくりに熱中したカイユボットらしく、絵画と庭のあいだを直接つなぐ試みでした。作品は未完で、後にパネルが切断されましたが、2016年に市民募金で収蔵・修復され、本来の連作として再統合されています。

ミュージアムショップ

混雑

ミュージアムショップはチケットがなくても誰でも入れます。

開館と同時にグッズ売り場へ直行する人も多かったと最初に書きましたが、展示を見終わった後、11時前で1時間待ちでした。

ここのミュージアムショップはとにかく狭くて全然人が入れないので混むとかなり待ちます。しかも待つ場所は外です。なのでこの日のように雨だとかなりつらい。

1時間は待ちたくないので、一旦館内のレストランでランチ、常設展示を見たあと、14時前くらいにグッズ列に並びました。

スタッフの方の案内によると「3~40分待ち」、実際に入れたのは35分後くらいだったので、案内通りくらいの待ち時間でした。

初日だったからか、この時間にショップに入ってもフェイラーやマリアージュフレール、アレクサンドル ドゥ パリのヴァンドームクリップなどコラボ系は特に売り切れていませんでした。

毎回思うけれど、国立西洋美術館は人気の出そうな展覧会を開催するときになぜもっとスペースを取ってグッズを売らないのか。

グッズ売り場はすれ違うことすら不可能に近いくらい幅が狭いのどうにかして…。

グッズ売り場広くできないなら、せめて展示見終わった人から順で入れるようにしてほしい。前回のモネ展同様、今回もカオスです。

グッズ

図録、ポストカード、マグネット、トートバッグ、フェイラーのハンカチ、マリアージュフレール、アレクサンドル ドゥ パリのヴァンドームクリップ、ラデュレのフィナンシェ&マドレーヌ、クッキー缶、ノート、ペン、メモ、複製画、キャンバス、ブックマーカー、ミニチャーム、ランダムポーチ、アクスタ、絵の中のドレスを着たくまのぬいぐるみキーホルダー、ドレスタオル、クリアファイル、豆皿、ティースプーン、シュシュ、ブランケット、オルセー美術館のグッズ(ポンポンのシロクマの置物やぬいぐるみ、ポストカードセット、モレスキンセットなど)、などがありました。

今回は、フェイラーのハンカチを購入しました。縁の色がピンクとブルーの2種類あります。私はピンクを購入しました。

フェイラーあるあるですが、モノによってクオリティーが全然違うので、ちゃんと確認して買うことをおすすめします。

少女たちの目が閉じているもの、開いているものがあります。もっと言うと目の大きさも全然違います。笑

カフェ&レストラン

CAFE すいれんがあります。11時前に行けば待たずに入れます(ランチタイムの11時までは外の椅子に座って待ちます)。

今回は展覧会コラボメニュー3,900円を注文しました。1日12食限定です。

おいしかったのでおすすめです!

前菜盛り合わせ。季節の色彩サラダ・蟹の冷製ロワイヤル・合鴨とぶどうのコンフィです。

お皿可愛い!

白トリュフ香るホワイトスープは、本当にトリュフの香りがふわっとしてきて、おいしかったです。

牛肉のブルゴーニュワイン煮込み。ほろほろ。

上にのっている赤い四角、絶対にブロックベーコンだと思ったのにラディッシュ?野菜でびっくりした。

白いふわふわはチーズかと思いきや、赤ちゃんが食べるおせんべいみたいな謎のものだった。

りんごとカルヴァドスのカラメリゼとバニラアイスと紅茶。コーヒーも選べます。

いちごのマカロン、あまりにもいちごポッキーの味。

アイスとりんごとくるっとしたクッキー?パイ?を一緒に食べるとアップルパイ。

オルセー印象派展 概要

会期:2025年10月25日[土]~2026年2月15日[日]
会場:国立西洋美術館
開館時間:午前9時30分~午後5時30分(金・土曜日は午後8時まで)
休館日:月曜日、11月4日[火]、11月25日[火]、12月28日[日]-2026年1月1日[木・祝]、1月13日[火](ただし、11月3日[月・祝]、11月24日[月・休]、1月12日[月・祝]、2月9日[月]は開館)