こんにちは!
今回は、マグリットが描いた山高帽の男の絵を紹介します。
早速見ていきましょう!
山高帽の男
山高帽の男はマグリットではない
マグリット自身が山高帽をかぶってたくさん写真のポーズを取っていたため、よくこの山高帽の男がマグリットのある種の自画像だと誤って考えられてきました。
ルネ・マグリット《共通の場所》1964年
しかし顔がよく見える絵を見ればわかりますが、マグリットではありません。
ありふれた特徴を持つ人物の顔です。
マグリットの自画像はこっちです↓
ありふれたもの
山高帽の男は多くの場合、ただのシルエットにすぎず、個人が普遍的な対象に変換されています。
彼の典型的なブルジョアの服装は、平凡な人間性を示しています。
彼は人間というよりも、絵のために選ばれたモチーフの1つとして扱われています。
彼は一般的でありふれたものの縮図です。
山高帽の男が登場する絵
ルネ・マグリット《孤独な歩行者の空想(夢想)》1926年
ルネ・マグリット《孤独な歩行者の空想》1926年
ルネ・マグリット《夜の意味》1927年
ルネ・マグリット《脅かされた殺人者》1927年
ルネ・マグリット《出現》1927年
ルネ・マグリット《第五シーズン》1943年
ルネ・マグリット《喜びを求めて》1950年
ルネ・マグリット《会話術》1950年
石の下に2人いますね。
ルネ・マグリット《スミレの歌》1951年
ルネ・マグリット《パンドラの箱》1951年
ルネ・マグリット《セイレーンの歌》1952年
ルネ・マグリット《良い例》1953年
ルネ・マグリット《ゴルコンダ》1953年
ルネ・マグリット《ゴルコンダ》
ルネ・マグリット《ゴルコンダ》1953年
インド南東部の町ゴルコンダは、16〜17世紀末に栄えた王国のかつての首都です。
マグリットいわく「富と豪奢の奇想の都でしたので、この題名は何か驚異に満ちたものを意味します」とのこと。
ルネ・マグリット《個人日記》1954年頃
ルネ・マグリット《偉大なる世紀》1954年
ルネ・マグリット《傑作あるいは地平線の謎(神秘)》1955年
この絵のタイトルについてマグリットは、「月のことを考えるとき、人は月についての独自の考えを持ちますから、 月はその人のものになります。そこで私は、各自が頭上に自分だけの月を持つ3人の男の絵を描きました。でも実際は、月はひとつしかない。これは単一のものをいかに分割するか、という哲学的問題です。世界は単一ですが、その単一性は分割可能なのです。この逆説は驚異に満ちていますので、この絵は傑作であるわけです」と語っています。
ルネ・マグリット《校長》1955年
ルネ・マグリット《校長》
ルネ・マグリット《報われた詩人》1956年
ルネ・マグリット《レディ・メイドの花束》1956年
ルネ・マグリット《レディ・メイドの花束》1956年
ルネ・マグリット《レディ・メイドの花束》1957年
ルネ・マグリット《二重の視点》1957年
ルネ・マグリット《オカピ》1958年
ルネ・マグリット《ブドウの収穫月》1959年
マグリットの絵の中でも最大サイズ127.6 x 160 cmの作品です。
マグリット61歳のとき、リュク・ド ・ユーシュがマグリットの家で映画『ルネ・マグリットあるいは実物教育』を撮影し、その中にこの絵が登場しています。
映画では、マグリットが絵の前で友人たちに向かって絵のタイトルについて語っています。
その内容から、当初部屋の隅になんらかのオブジェクト(おそらく楽器)を描くことを考えていたけれどやめたことがわかります。
この絵の他のタイトル候補は「最後の審判」と「観察者」だったようで、「ブドウの収穫月」のような詩的で謎めいたものではない、より直接的なタイトルでした。
ルネ・マグリット《心の存在》1960年
ルネ・マグリット《テーブルに座っている男》1960年
ルネ・マグリット《親友》1960年
ルネ・マグリット《冒険の精神》1962年
ルネ・マグリット《喜びを求めて》1962年
ルネ・マグリット《善意》1962年
ルネ・マグリット《世界の終わり》1963年
ルネ・マグリット《人の子》1964年
ルネ・マグリット《大戦争》1964年
どうしてこれが「大戦争」なのかというと、マグリットいわく「見えるものと隠されているものの戦争」だからだそう。なるほど。
ルネ・マグリット《見えないものの味》1964年
ルネ・マグリット《山高帽の男》1964年
ルネ・マグリット《共通の場所》1964年
ルネ・マグリット《日記》1964年
ルネ・マグリット《法の支持者》1964年
ルネ・マグリット《秩序の友》1964年
ルネ・マグリット《花崗岩の採石場》1964年
ルネ・マグリット《男と夜》1964年
ルネ・マグリット《光の帝国》1964-1965年
ルネ・マグリット《ダービーの二人の男》1965年
ルネ・マグリット《開かれた扉》1965年
ルネ・マグリット《美しい散歩道》1965年
ルネ・マグリット《男と森》1965年
ルネ・マグリット《美しい社会》1965-1966年
ルネ・マグリット《デカルコマニー》1966年
このシルエット系の絵を見ていると、風景の中にゆっくりと姿を消していくルイス・キャロルのチェシャ猫を思い出します。
ルネ・マグリット《巡礼者》1966年
ルネ・マグリット《ダマスカスへの道》1966年
ルネ・マグリット《親密な友人》1966年
ルネ・マグリット《幸運な寄付者》1966年
ルネ・マグリット《王様の美術館》1966年
ルネ・マグリット《バウキスの風景》1966年
ルネ・マグリット《死のドラム》
ルネ・マグリット《夜更かし》