絵画史上1番の名作?ラス・メニーナスについて超解説!

こんにちは!

今回は、世界3大名画に数えられる、ベラスケスの謎多き名画《ラス・メニーナス》について解説します!

私もこの絵が、絵画史上No.1の絵だと思っています!!!大好き!!!

どんな絵なのか、早速見ていきましょう!

ラス・メニーナス

ディエゴ・ベラスケス《ラス・メニーナス(女官たち)》1656年

プラド美術館所蔵。門外不出の名画です。

サイズはとても大きく、縦318cm × 横276cm、等身大で描かれています。

《ラス・メニーナス》というタイトルは後世につけられたもので、絵が描かれた当時の作品目録には《家族の肖像》または《王の家族》と記されていました。

登場人物

マルガリータ王女

マルガリータ王女は、フェリペ4世とマリアナの子供で、描かれた当時5歳でした。

中央でスポットライトが当たっているかのように、光輝いています。

ぱっと見、とっても細かく描いてあるように思えるこの絵…

ドレスの部分をアップにしてよく見ると、結構筆のタッチが荒いことがわかります。

だけど離れて見ると、繊細〜!ドレスの質感すごい〜!神ワザ…!

彼女は、血族結婚の弊害から21歳という若さで亡くなってしまいます…

描かれなかったもう1人の王女

実はマルガリータ王女以外にも、もう1人の王女マリア・テレサがいました。

どうして描かれなかったのかというと、マリア・テレサは先妻イザベルの娘だったからです。

イザベルは娘を産んで亡くなります。

この絵では、マルガリータとその両親の肖像を描いているので、省かれています。

なんか可哀想…。

女官たち

マルガリータ王女の左右にいるのは女官たちです。

イサベル・デ・ヴェラスコはお辞儀のしぐさを、

マリア・アグスティナ・サルミエント・デ・ソトマイヨールは、ひざまずいて、マルガリータ王女に金のトレイに載せた赤いカップを差し出しています。

小人たち

右側には2人の小人がいます。

王妃のお気に入り、ドイツ人のマリア・バルボラ(通称マリバルボラ)は軟骨無形成症です。

彼女は、気が強く、自分に対する侮辱は決して許さないところから、恐れられていました。

ニコラのことをとても可愛がっていたそう。

彼女のぶすっとした顔(とはいっても、機嫌が悪いのではなくて、軟骨無形成症の特徴)と、マルガリータ王女の愛らしさを対比させ、マルガリータ王女を引き立てています。

イタリア人のニコラ・ペルトサートは、マスティフ犬に足を乗せています。

決していじめている訳ではありません。

なぜならこの犬は、ニコラが飼っている愛犬のモーゼで、子犬のとき、桶に沈められているのをみて助けた犬だからです。(川から助けられた聖人モーゼが名前の由来)

彼も能力が認められ、後に国王の執事を務めています。

怖い話

当時のスペイン宮廷では、「慰み者」と呼ばれる、白人とは身体的特徴が異なるもの(巨人、超肥満、黒人、異形など…)が集められていました。

ベラスケスが宮廷にいた40年の間で、50人以上いました。

絵の2人を見てもわかるように、綺麗な服を着ていますよね。

彼らは他の奴隷とは違って、贅沢な暮らしができたそうですが、それは彼らが人間としてではなく、可愛い「ペット」として扱われていたからでした。

シャロペン

王女のシャロペン(社交界デビューする際の付添人)マルセラ・デ・ウリョーアは、喪服を着ています。

隣の男性は、誰なのかよくわかっていませんが、御用係アスコーナでは?といわれています。

王妃の侍従

右奥にいるのは、王妃の侍従ドン・ホセ・ニエト・ベラスケスです。

彼は、王室のタピストリー工場長でもありました。

画家ベラスケスの親戚であった可能性もあります。

ベラスケス

左側には画家ベラスケスがパレットと筆を持って、こちらを向いて立っています。

側には、イーゼルに支えられた大きなカンバスがあります。

このカンバスには、通常国王夫妻が描かれていると考えられていますが、

マルガリータ王女を描いているんじゃないか説もあります。

ナイトの印は後で描き加えられた?

後にナイトの称号を得ますが、この絵を描いている時点では、まだサンティアゴ騎士団の称号はありませんでした。

なのでベラスケスの胸にある、サンティアゴ騎士団の赤い十字は、後に誰かの手によって描き加えられた、ということになります。

いつ誰が描いたのか正確にはわかっていませんが、ベラスケスの死後、フェリペ4世が描き加えるように指示した、もしくは王自ら描いたのでは?といわれています。

画家のパレット

…なんか赤茶色しかなくない?あと黒。

王に愛されし画家なのに、色のバリエーション少なくない???

当時、今のような絵の具チューブは無いので、自然のものをすりつぶしていい感じにしてそれを絵の具として使っていました。

赤茶色はわかりやすく土系のものです。なので安い。

逆に青色などは、ウルトラマリンという宝石が原料だったりするので、とっても高くて、貴重なものでした。

なので、安価な絵の具とは別で用意して描いていたんでしょう。

ここで赤茶色の絵の具だけのパレットを描くことで、「高価なものを使わなくても、素晴らしい絵が描けるんだぞ」っていう、一種のアピールでしょうか。ドヤ顔かな?

誰よりも高い位置にいる

誰よりも頭の位置が高いんです。

これが何を表すのかというと、この画面を支配しているのは、ベラスケス、私だ!ということをほのめかしているんでしょうか。だとしたらさりげない。

よく考えると、王室メンバーと一緒に自分を描いちゃうっていうのも度胸というか、自分の才能や仕事への自信の現れでしかないですよね。こんな対等な描き方、普通できません…

これ、西洋美術でも初めての例なんだとか。

王室との信頼関係が厚いからこそですね。

鏡の中の国王夫妻

に映る2人は、フェリペ4世王妃マリアナです。

なぜこれがではなくてだとわかるのかというと、貴族階級の人を肖像画に描くとき、男性が左女性が右という決まりがあるのですが、この絵では左右逆だからです。

肖像画だけでなく、公式の場などでもそう決まっています。

フェリペ4世ってだれ?っていうのは、こちらを読んでもらえるとわかりますが、簡単にいうと、ベラスケスを雇用している人です。ベラスケスが大好き

解釈その1

ベラスケスは国王夫妻の肖像を描いている最中で、2人は絵のポーズをとっているところ。

鑑賞者の位置に国王夫妻がいることになるので、

鑑賞者は、国王夫妻の目を通して、この絵を見ることができ、絵の中に入り込んでしまったような気分になれる、大変面白い作品です。

解釈その2

ベラスケスが描いている絵、カンバスの表面が映っている。

重要な事実

ただし、ベラスケス作の国王夫妻が一緒に描かれた肖像というものは存在していません

この絵が唯一2人が一緒に描かれている作品です。

ちなみにフェリペ4世は、年老いた自分の姿を描かれることを嫌っていましたが、これは許したそう。

部屋と画中画

部屋

絵の舞台は王宮内のにある「皇太子の間」です。

ここは、宮廷画家ベラスケスのアトリエでした。

画中画

左上:ルーベンス《パラスとアラクネ》

ピーテル・パウル・ルーベンス《パラスとアラクネ》1636-1637年

織物が女性な普通の人間アラクネが、

パラスという女神(学芸や戦いの神。神話によって呼び方が変わりますが、アテネ、ミネルヴァと呼ばれることもあります)に、勝負を挑んだところ、

女神パラスに「柄が気に入らない!」とキレられて、殴ろうとしているシーンが描かれています。

その後アテネは「命だけは助けてやろう…」ということで、蜘蛛の姿に変えられてしまいます…。

右上:ヨルダーンス《アポロンとパン》

ヤーコブ・ヨルダーンス《アポロンとパン》1636-1638年

一番左にいるアポロン(芸能・芸術の神)は、竪琴の名手です。

そんなアポロンに音楽勝負を挑んだのは、右から2番目の半人半獣の牧神パンです。

牧神パンは笛を吹きました。

その結果、審判役の左から2番目、山の神トモロスは、「アポロンの勝利!」

それに対し、一番右のミダス王(パンの崇拝者)が「異議あり!」

アポロンは怒り、「堕落した耳だ!!!」ということで、

ミダス王の耳をロバの耳に変えてしまいます。

絵ではこのシーンが描かれています。

ロバの耳になってしまった後のストーリーが「王様の耳はロバの耳」です。

2枚とも、神々芸術的な問題で、人間と競争している物語が描かれています。

「傲慢さは身の破滅を招く」という教訓が描かれています。

絵の苦難

左右切り落とされている

元のサイズより、左右とも切り落とされてしまっています。

右側の方が大きく切り取られてしまったそう。

この作品がいつどうして切り取られてしまったのかは不明ですが、室内に飾るときに大きすぎたから切ったんでしょうね。

火災

1734年アルカサル城は火災にあい、作品も損傷を受け、宮廷画家のホアン・ガルシア・デ・ミランダが修復しました。

特に、マルガリータ女王の左頬部分のダメージがひどく、ほとんど全て塗り直してあるそう。