ひと目見たら忘れられない!仮面を描いた画家アンソール

こんにちは!

ひと目見ると忘れられない絵ってあると思うのですが、アンソールの絵もその一種です。

どんな絵か早速見ていきましょう!

ジェームズ・アンソール(1860-1949年)


ジェームズ・アンソール《イーゼルに向かう自画像》1890年

ジェームズ・アンソールはベルギーの画家です。

アンソールの両親は土産物兼骨董屋を営んでおり、貝殻や珊瑚、カーニバルの仮面や民芸品などいろんなものが置いてありました。

なぜカーニバルの仮面があるのかというと、このリゾート地の一大イベント「死んだ鼠の舞踏会」と呼ばれるカーニバルが年に1度あったからです。

ここの屋根裏部屋をアトリエとし、作品を制作していました。

偶然見たガイコツと父親の死

アンソールが生まれ育ったオステンドという街は、17世紀初めスペイン軍に包囲され、解放されるまでに8万人以上の死者が出ました。

その時の骸骨が砂の中から掘り出されるのを見た幼少期のアンソールは、このことが記憶に強く残ります。

27歳のときには、父親がお酒の飲み過ぎで道端で倒れ、そのまま帰らぬ人となります。

働かずふらふらとしていた父親でしたが、アンソールの絵の才能を見抜き、家族の中で父親だけが応援してくれていたそう。

この頃から、絵に骸骨が登場し始めます。


ジェームズ・アンソール《シノワズリを眺める骸骨》1885年

この作品も初めは父親の顔だった部分を、死後骸骨に変えています。闇…

友達がいない

美術アカデミーで学び始めるも、友達もできず(後にも先にもこれといった友達がいたことがない)、授業も合わなかったのか3年で辞めてオステンドへ戻ります…。

ヤバすぎて無理

アンソールの絵には仮面骸骨が多数登場し、奇妙で毒々しい絵が多く、

周りからは「意味不明すぎて無理」と言われまくります。

ですが!この大不評時代に描かれた作品が、後に評価され、巨匠の仲間入り、そして紙幣にアンソールの肖像が使われるまでになります!


ジェームズ・アンソール《仮面の中の自画像》

どの仮面も本当に怖い…!

仮面なのかこういう顔なのかわからない感じも怖い。

カーニバルっぽさのある作品ですが、それがまた不気味

変にカラフルで赤や黄色など色も強くて、狂気というか異常な空気感がある作品です。

この仮面は自分を批判する人たちを表しています。

ちなみに、赤い帽子を被った人物がアンソールの自画像なのですが、本人ではありません

どういうことかというと、画家ルーベンスの顔なんです!

自画像と言いつつ、ルーベンスの仮面を被った自分…という、なんともシニカルな絵です。

※余談ですが、私が昔使用していたiPhoneケースと柄がそっくりで、初めてこの絵を見た時、

え〜〜!!!めっちゃかわいい!!!私が昔使ってたiPhoneケースの柄じゃん〜〜(笑顔)

この絵を見て特に怖いとも思わず、かわいい〜!親近感湧くわ〜って思っていたことがこわい。


当時の私はこのiPhoneケース本当に気に入りすぎて写真撮って友達に送っていたので(こわい)、写真が残っていました。趣味がやばい。


ジェームズ・アンソール《キリストのブリュッセル入城》1889年

キリストどこ〜〜!!!って感じですが、キリストは真ん中の黄色い円が顔周りにあるロバに乗っている人がそうです。

この絵が見せたいのは、明らかにキリストではなく、迫りくる大衆とこの異様な熱気…。

ちなみにキリストはブリュッセルには入城していません。

エルサレムに入城し、その後捕まり、十字架へ…というのが本来の物語です。

ブリュッセルはベルギーの首都です。

アンソールもベルギーで生まれ、生涯のほとんどをこの地で過ごしています。

酷評に次ぐ酷評だったアンソールは、キリスト自分を重ねてこの絵を描いたのだと思います。

高まる名声と、絵よりオルガンにハマる

どの絵もどの絵もとっても不評だったアンソールですが、徐々に評価されるようになります。

43歳でナイトの称号、69歳でベルギー国王から男爵の称号、73歳でレジオン・ドヌール勲章を授かり、いつしかベルギーを代表する画家となっていました。

ですが、その名声と引き替えに、アンソールは30代前半で想像力を失い、そのことがショックであまり絵を描かなくなります。


ジェームズ・アンソール《オルガンに向かうアンソール》1933年

この絵を見て、何かに気付きましたか?

実は、先ほどの《キリストのブリュッセル入城》の絵が描き込まれているんです!

そしてさらなる注目ポイントは…オルガン!です。

アンソールは音楽教育を受けていませんでしたが、天性のオルガン即興演奏の才能がありました。

この絵に写っているオルガンは、友人からのプレゼントです。

アンソールは絵の制作よりも、みんなの前でオルガンを弾くことに多くの時間を使うようになりました。

まとめ

酷評され続けた画家が、ついに名声を手に入れたと思ったら、昔のような尖った絵が描けなくなってしまったというのは皮肉な感じではありますが、

生前全く評価されず、悲惨な最期の画家が多い中で、アンソールは珍しいパターンだなと思いました。

画家としての名声も得て、オルガンを楽しむ余生もいいじゃん〜〜最高〜〜

 

アンソール仮面ガイコツなど毒々しい絵を描いていた
・若い頃は酷評されていたが、最終的には評価が爆上がりし、めちゃくちゃ報われた
・報われたと思ったらよりオルガンにハマる