レーガ「ベックリンによる4つの音詩」の元になった絵とは?超解説!

こんにちは!

今回は、レーガ作曲の『ベックリンによる4つの音詩』についてです。

早速見ていきましょう!

ベックリンによる4つの音詩

ベックリンによる4つの音詩(4 Tondichtungen für grosses Orchester nach Arnold Böcklin)作品128は、マックス・レーガーが作曲した管弦楽曲。題名は「ベックリン組曲」(Böcklin Suite)などと表記される場合もある。

画家ベックリンの4枚の絵から受けた印象をそれぞれ音化しています。

第1曲 ヴァイオリンを弾く隠者

アルノルト・ベックリン《ヴァイオリンを弾く隠者》1884年

タイトルの通り、ヴァイオリンが活躍しています。

アルカイックなコラールを奏する弦楽に独奏ヴァイオリンが自由な旋律で応えています。

繊細で柔らかな音ですが、どこか奇妙さや不気味なムードを感じる曲です。

第2曲 波間の戯れ

アルノルト・ベックリン《波間の戯れ》1883年

真水のニンフであるナイアスと海王トリトンが戯れています。

絵のように、音楽は日光の下できらめく波の泡を表現しています。

高音を中心としつつ、波を思わせる低音が差し挟まれています。

中間ではオーボエの奏する牧歌的なメロディが展開され、その後テンポを落とし、力ないワルツとなって曲は終わります。

第3曲 死の島

アルノルト・ベックリン《死の島》1886年

死者が眠る小さな島に、白衣に身を包んだ人物と棺桶を乗せた小舟が近づいています。

陰鬱な響きが作品を支配しており、不気味なリズムと、コラールも遠くから聞こえてきてはかき消され、やがて平安な響きの中に溶けていきます。

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第4曲 バッカナール

アルノルト・ベックリン《バッカス祭》1856年

題名はバッカスを称える祭の踊りを意味していますが、同じ題名を持つベックリンの絵はありません。

色彩感豊かな力強い舞曲で、先行する各曲のメロディも用いられています。