音楽室の肖像画を超解説!パート1

こんにちは!

今回は、音楽室に肖像画がある謎と音楽家のすごさについて解説します。

早速見ていきましょう!

音楽室の肖像画


世界大音楽家肖像画集 増補版

なぜ音楽室にだけ肖像画が?

昔は学校の音楽室といえば、音楽家の肖像画がずら〜っと飾られていましたよね?

今は飾らない学校が増えているそうですが、まだまだ見覚えがある人も多いはず。

理科室にも図書室にも美術室にも肖像画はないのに、なぜ音楽室にだけあるのか知っていますか?

以前NHNの番組「チコちゃんに叱られる!」でもこの謎が取り上げられていました。

楽器購入のオマケのカレンダーだった

この肖像画たち、実は、楽器購入時に付いてきたおまけのカレンダーの絵でした。

それを(なぜか)多くの学校で、使い終わったカレンダーの絵の部分を切り取って音楽室の壁に貼っていました。

その後、旧文部省によって「教材基準」が制定され、全国の学校に音楽家の肖像画が飾られるようになりました。すごい…笑

そして一番上に貼った画像の通り、カレンダーとしてではなく、きちんとした1枚の肖像画として『全音 世界大音楽家肖像画集』として商品化されました。

欲しい方は誰でも買うことができます。まあまあなお値段ですが。

誰が描いた絵?

音楽室に飾られていたのは、洋画家の大貫松三が、元々あった音楽家たちの肖像画を模写したものです。

では、元の絵はどんなものだったのか↓で見ていきましょう!

音楽家たちの紹介

全音楽譜出版社の商品『全音 世界大音楽家肖像画集』に収録されている36人すべて紹介します!

人数が多いので3回にわけています。

パート2

音楽室の肖像画を超解説!パート2

2022.06.19

パート3

音楽室の肖像画を超解説!パート3

2022.06.19

※音楽室の絵と似た絵を集めました。

パレストリーナ

《ジョヴァンニ・ダ・パレストリーナ》

パレストリーナは、イタリアの音楽家です。

カトリックの宗教曲を多く残し「教会音楽の父」とも呼ばれています。

彼の代表曲は「教皇マルチェルスのミサ曲」です。

コレッリ

《アルカンジェロ・コレッリ》1690年頃

コレッリは、イタリアの作曲家、ヴァイオリニストです。

彼の生み出した演奏形式は、ヴァイオリン演奏の発展をもたらしました。

ヘンデル

バルタザール・デンナーに帰属《ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルの肖像》1726-1728年

ヘンデルは、ドイツ生まれ、イタリアやイギリスで活躍した作曲家、オルガニストです。

テムズ川上のジョージ1世とヘンデル(19世紀の想像図)

音楽室に飾られている絵での服装は上の絵中央の、赤と黄色の服と似ています。

ヘンデルの作曲した有名な曲は『メサイア』です。

題名だけ聞いても「知らないよ〜」と思うかもしれませんが、曲中にある「ハレルヤ・コーラス」は聞いたことがある人がほとんどだと思います(↑再生ボタンを押すとハレルヤコーラスが流れます)。

J.S.バッハ

エリアス・ゴットロープ・ハウスマン《ヨハン・ゼバスティアン・バッハの肖像画》1748年

バッハは、ドイツの作曲家、音楽家です。

鍵盤楽器の演奏家としても有名でした。

西洋音楽の基礎をつくった人物として高く評価されています。

グルック

ジョゼフ・デュプレシ《クリストフ・ヴィリバルト・グルック》1775年

グルックは、ドイツで生まれ、オーストリアとフランスで活躍したオペラの作曲家です。

「オペラの改革者」と呼ばれていますが、現在では彼の作曲したオペラはあまり上演されていません。

ハイドン

トーマス・ハーディ《フランツ・ヨーゼフ・ハイドン》1791年

ハイドンは、オーストリアの音楽家、作曲家です。

数多くの交響曲、弦楽四重奏曲を作曲し、交響曲の父、弦楽四重奏曲の父と呼ばれています。

↓の曲は、現在ドイツ国家に用いられています。

モーツァルト

バーバラ・クラフト《ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト》1819年

モーツァルトは、オーストラリアで活躍した音楽家です(国籍についてはいまだにドイツとオーストラリアが争っています)。

神童と呼ばれた彼でしたが、かなりおちゃらけた人物だったようで、下品な冗談が大好きすぎて、下品な題名の曲まで作っています。笑

妻へのくどすぎる一方的な愛の手紙も有名です。

35歳という若さで亡くなっています(毒殺説も…)。

↓この曲は、誰もが知っているのではないでしょうか。

ベートーヴェン

ジョセフ・カール・シュティーラー《ミサ・ソレムニスを作曲するときのルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの肖像》1820年

ベートーヴェンは、ドイツの作曲家、ピアニストです。

ベートーヴェンは、20代後半から持病の難聴が悪化し、30歳になる頃にはほとんど聞こえておらず、40歳で全聾になりました。

難聴の原因は、大好きなワインに甘味料として入っていた酢酸鉛が原因だといわれています。

肖像画からもなんとなく察せられますが、彼はかなり変わった人物だったようで、さまざまな逸話が残っています。

引っ越し魔で死ぬまでに60〜90回(回数は諸説あり)と引っ越しを繰り返したことも有名です。

ウェーバー

フェルディナンド・シモン《カール・マリア・フォン・ウェーバー》1825年

ウェーバーは、ドイツの作曲家、指揮者、ピアニストです。

オーケストラの配置を現在に近い形に改めたり、指揮棒を初めて使った人物としても知られています。

ウェーバーの父親の兄の娘は、モーツァルトと結婚しています。

彼は片足が不自由(小児麻痺だったよう)な上に、20歳頃エッチング用の硝酸をワインと間違え飲んでしまい、声も出せなくなってしまいました(声を失うまではかなりの美声だったとか…)。

ロッシーニ

エティエンヌ・カルジャ撮影 ジョアキーノ・ロッシーニの写真 1865年

ロッシーニは、イタリアの作曲家です。

多数のオペラを作曲し、『セビリアの理髪師』などは見たことがなくても、名前はなんとなく聞いたことがある人も多いはず。

余談ですが、ディズニーシーにあるお土産物屋さん「フィガロズ・クロージアー」は、『セビリアの理髪師』の主人公フィガロにちなんで名づけられた洋品店です。

ディズニーシーのフィガロズ・クロージアーにあるポスターとオペラのあらすじを紹介!

2021.10.04

ロッシーニといえばたいへんな美食家としても有名で、フランス料理のメニュー「ロッシーニ風」は彼の名からきています。

シューベルト

ヴィルヘルム・アウグスト・リーダー《フランツ・シューベルト》1875年

シューベルトは、オーストリアの作曲家です。

彼は引っ込み思案で内向的な性格でしたが、誰もが学生の頃に聞いて妙に心に残っているであろう「魔王」など、数々の名曲を生み出しています。

ベルリオーズ

ピエール・プティ撮影 エクトル・ベルリオーズの写真 1863年

ベルリオーズは、フランスの作曲家です。

ロマンチストだったベルリオーズは、劇を見て惚れ込んだ女優のハリエットへの強い思いから、彼の代表曲「幻想交響曲」を作りあげました。

なんとこの曲のおかげで2人は結婚しています。

音楽室の肖像画を超解説!パート2

2022.06.19

音楽室の肖像画を超解説!パート3

2022.06.19