ライアン・ガンダー われらの時代のサイン展の感想と完全ガイド!

こんにちは!

東京オペラシティアートギャラリーで開催中の「ライアン・ガンダー われらの時代のサイン」展に行ってきました。

ライアン・ガンダー われらの時代のサイン

 

イギリスのアーティスト、ライアン・ガンダーの東京初の大規模個展です!

とってもとってもよかった〜◎

絶対に行ったほうがいいです!かなり!強く!オススメ!です!!

チケットの価格と入手方法

一般 1,400円(1,200円)、大・高生 1,000[800]円/中学生以下無料

詳しくはこちら

ロッカー

 

美術館のロビー入り口の左側にあります。

よく見ると、1列石が入っています。これも作品です。かわいい。

音声ガイド

ありません。

その代わり受付でもらえる作品リストに全作品の簡単な説明が載っています。

これがあるおかげで、どういう作品なのかある程度理解して鑑賞することができるので本当にありがたい…。面白かったです。

さらに、1時間のドキュメンタリーが流れていて、これがまた面白くて全部見てしまいました。

写真撮影

全て写真撮影OK、動画撮影不可です。

混雑

日曜日の朝イチの回で行きましたが、最初はほぼ貸し切り状態でとっても空いていました。

時間と共にだんだんと増えていったので、会場内、人が映り込まずに作品を撮影したい方は朝イチがおすすめです。

11時から13時半くらいまでいましたが、13時〜が一番混んでいました。

人が増えても、ゆとりを持った展示方法なので、鑑賞しづらいという感じではないとは思いますが、きれいに写真を撮るのは難しそうでした。

ライアン・ガンダー われらの時代のサイン 構成

 

会場内外に四角い黒いシートがたくさん貼ってあります。

 

これは、クレジットカードや通貨、IDカード、キーカード、タイムカードなど、さまざまな種類のカードのシルエットをかたどったものです。

 

右のガラス板と粘着テープの向こうにはフォーチュンクッキーのおみくじが隠されているそう。

もちろんどれだけじっくり見ても見えません。

 

等身大の彫刻はグラファイト製です。

シャープペンの芯もグラファイトです。

彼はリハーサルの舞台裏で出番を待つ脇役です。

この人物が動いた痕跡として、会場内の壁が薄汚れています。

舞台に出る時間よりも、待つ時間の方が長いということでしょう。

 

たくさんある黒い立方体は、それぞれある時間をLCDのプログレスバー(光るバー)で表しています。

例えば、「個人がインスタグラムに費やす1日あたりの平均時間」など。

 

鏡面仕上げのステンレスプレートなので、会場内の作品が映り込んでいます。

 

彼も同じく、出番を待つ脇役です。

 

こちらは二重に見える時計です。

 

こちらの機械に手をかざすと…

 

紙のチケットが出てきます。

 

チケットには1枚ずつ違うナンバーがプリントされています。

これは地球上のどこかの地点の緯度と経度の座標です。

この写真のナンバーで調べてみたところ、南極大陸でした。

 

ステンレスプレートの表面に、雪のアニメーションのJavaScriptコードが刻まれています。

 

この作品は、↓の作品がふっくらとして、不時着したかのように展示されています。

ジョルジュ・ヴァントンゲルロー《立体の均衡》1919年

 

バリバリです。

 

上を見上げると、風船があります。

こちらはファイバーグラスで作られた「本物風」の風船です。

ファイバーグラスというのは、溶かしたガラスを引き伸ばし繊維状にしたもののことです。

 

アルゴリズムによってランダムにしずくを生成し続けている作品です。

表面がピコピコ動きます。

 

見逃してしまいそうなくらいひっそりとコインが落ちています。

これは実際にあるものではなく、2032年から降ってきた25米ドル硬貨なんだそう。

 

ああ、かわいい…。

 

鑑賞者に反応するようになっており、目玉、まぶた、眉毛が動きます。

 

最初ずっと寝ているのか、全然まぶたを開けてくれませんでした。笑

 

 

フランク・ロイド・ライトが東京の帝国ホテルのバーのためにデザインしたマッチ箱を再解釈したものです。

 

こちらも先程のものと同じく、しずくを生成し続けている作品です。

 

壁に空けられた穴に円札が詰め込まれていて、お札がカサカサと動いています。

これによって見えませんが穴の奥にいるネズミの存在を示しています。

 

タイムズ紙の束があります。

クロスワードパズルでガンダー本人考案の言葉「Mitim」が使われていて、実際に解くことはできません。

 

「MITIM」が、回文だと示している作品です。

 

黒板のような壁に、作家自身が考案した「美術・デザインの新しい学校」の図面がチョークで描かれています。

ということで、近くの床には白いチョークの粉やチョークが転がっていました。

 

ガリレオの絵が置いてあります。

この絵の上の壁をよく見ていると、絵を掛ける用の金具が取り付けられていました。

 

フランク・ロイド・ライトと遠藤新のデザインの椅子の上をよく見ると何かがいます。

アニマトロニクスで動く小さな蚊の彫刻で、死にかけているようで痙攣しています…こわい…。

 

イタロ・カルヴィー『冬の夜ひとりの旅人が』のページが印刷されている作品なのですが…。

 

書体が全部丸い…。

これは何かというと、作家が考案した「Set in Stone」という書体で、彼の子供たちが見つけた石のコレクションをもとにつくったものなんだそう。

 

額縁の上に人造大理石でできたチューインガムがのっている…。

 

作家の子供たちが拾った石のコレクションをもとにつくった「Set in Stone Regular」の形を使って、アルファベットを並べたネックレスです。

 

フランク・ロイド・ライトと遠藤新のデザインの椅子の上に雪(大理石)が積もっています。

 

壁には、日本製のデニムでできたパネルに、作家のスタジオにあったゴミ箱の底で絵具を押し当ててプリントした月が描かれています。

手前にある黒い薪たちは、架空の火をおこすべく、展示されるたびに展示する人によって構成が変わっているそう。

 

部屋の片隅には死にかけのネズミが横たわっています。

 

アンティークな鏡を覆う布はなんと人造大理石です。

 

タンタンが彫刻作品で3人の人に3回頭を殴られたときの衝撃を想像で表した作品です。

タンタンの作者エルジェは、このストーリーを完成させる前に亡くなっており、作家は次のコマを完成させようとしています。

 

作家の娘が4歳の時にシーツと家にあるいろいろな物を使って作った隠れ家を大理石の彫刻にしたものです。

このアングルから見ると、おばけが手を広げているように見えてかわいい。

 

機械仕掛けのネズミがしゃべって動きながら穴から覗いています。

 

声は作家の9歳の娘のもので、内容は、映画『独裁者』のラストのチャップリンの演説をポスト・シミュラークル的な視点で書き替えられたものです。

シミュラークルというのはフランス語で「虚像」「イメージ」「模造品」などを意味する言葉です。

 

作家のスタジオの窓を再現した物で、展示されている時間と同期して映る映像が変わります。

 

大きなスノーグローブの中はずっと大吹雪のまま…。

 

自動販売機の中には、いろんな石が入っています。

購入することはできませんが、いろんなものが入っているので、是非じっくり見てみてください。

その横にあるのは…

 

作家が手書きで書いたくしゃくしゃの手紙です。

拾って持って帰ることができるので、ひとつもらって読みましたが、なんだかニコニコしてしまいました。笑

 

パイプをドアの取手に見立てています。

 

このパイプは、建築家のエルノ・ゴールドフィンガーが自宅の机に置いていたパイプを再現した物です。

 

部屋の片隅に置いてある、試験用紙…これも作品、これも持ち帰りOKです。

作家が作った2027年のアート&デザインのAレベルの試験用紙です。

 

広告っぽい広告を作品として作ったものです。

 

イギリス国民が想像力を働かせることを促進するための広告で、CMも流れていました。

 

ピカソの「青の時代」スタイルで描かれた金庫の想像図がこんなところに。

無一文のピカソとカサヘマスがパリで同居していたとき、お金がなくて買えなかった家具の絵を壁に直接描いたという逸話が残っています。

その絵の中には、2人が貴重品をしまっておくための架空の金庫が含まれていたそうで、それを表しているんだとか。

 

「O」がまん丸だから「New Johnston」というフォントを選んだそう。

ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展

 

こちらも同時開催、ライアン・ガンダーが選んだ作品たちが並んでいます。

カラーよりも白黒の方が人間の想像力を深く呼び起こすという考えのもと、白黒の作品が選ばれています。

 

作品の見え方や感じ方は、横にどんな作品が来るかでも感じ方が変わるよね?ということを楽しむ展覧会です。

 

アーティスト名やタイトルは後ろの壁に書いてあります。

 

project N 87 黒坂祐

 

こちらも同時開催、色弱を公表しているアーティスト黒坂祐の作品が展示されています。

ミュージアムショップ

展覧会に合わせた作品集「ライアン・ガンダー われらの時代のサイン」は、8月初旬発売予定ということで、私が行った時は売っていませんでした。

ネットから送料無料で予約することができます。

展覧会グッズとして、Tシャツとバッグがありました。

ポストカードなどはありません。

カフェ&レストラン

ミュージアム内にカフェなどはありませんが、オペラシティ内に飲食店がたくさんあります。

ライアン・ガンダー われらの時代のサイン 概要

会期:2022年7月16日(土)〜9月19日(月・祝)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
開館時間:11:00〜19:00(入場は18:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、8月7日(日・全館休館日)
入場料:一般 1,400円(1,200円)、大・高生 1,000[800]円/中学生以下無料
※同時開催「ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」および「project N 87 黒坂祐」の入場料を含む
※( )内は各種割引料金
※障害者手帳の所持者および付添者1名は無料
※割引の併用および入場料の払い戻しは不可