こんにちは!
イケメン画家パルミジャニーノと不思議な絵について解説します。
早速見ていきましょう!
パルミジャニーノ(1503-1540年)
パルミジャニーノ《凸面鏡の自画像》1523-1524年
パルミジャニーノはマニエリスム期のイタリアの画家です。
ラファエロの影響を強く受けつつも、人物が引き伸ばされた独特な作風が特徴です。
ものすごく美青年だったそう。
ヴァザーリという様々な芸術家の伝記を書いたとても有名な人が「天使のような顔」と言うほど。
父親も画家でしたが、パルミジャニーノが2歳のときにペストで亡くなっています。
画家だった叔父に引き取られたので、絵画を学ぶ機会には恵まれていました。
錬金術にハマる
錬金術にハマったパルミジャニーノは、教会から受けていた仕事を何年間も放置。
むしろ何年経っても出来上がらない絵に対して、教会が給料を払い続けていたことの方がびっくり。
どうしても描いてほしかったんでしょうね〜。
最終的に、契約違反でパルミジャニーノは2ヶ月間投獄されます。(笑)
その後、37歳で発熱し、亡くなっています。
《長い首の聖母》
パルミジャニーノ《長い首の聖母》1534-1540年
とりあえず、赤ちゃんちゃんと抱っこしよ??ってくらい今にも落ちそう。
聖母マリアの首が長かったり、体を引き伸ばしたりすることで、曲線美を強調しています。
絵が下手だからこうなっているのではなくて、あえてだよ〜〜というのが、
こちらのマニエリスムの記事での話でした。
死人感のあるイエス
変に脱力していて、寝ていると言うより、死人っぽいですよね。
このポーズは、将来、十字架にかけられて処刑される運命を表しています。
絵の中に幽霊がいる?
この絵の中に幽霊っぽい何かがいるのですが、わかりますか??
ヒントは赤子イエスの右足の上です。
ここをよ〜〜く見ると…
いる!!
なんかいる!!
顔が浮かび上がってる!!!(怖い)
ちなみに画面左の真ん中の子も顔が透けています。
右に謎の人物いますよね。
この人も透けています。
透けている以前にこの人誰って感じですが、聖ヒエロニムス(聖書をラテン語に翻訳した人)です。
これは依頼者のリクエストで描き入れてあります。
ちなみに左足の横に、もうひとつ足があることに気がつきましたか?
さらに奥を見ると、円柱の影が複数あるのに、柱は1本しか描かれていません。
どういうことかというと、この絵は未完成なんです。
なので、最初の顔がぼや〜っと浮き出ているのも幽霊ではなくて、描きかけの天使だった、ということです。
ちなみになぜ円柱が描かれているのかというと、旧約聖書のなかに、聖母の脚の美しさを大理石の柱に例える文言があるからです。
天使が持っている壺には十字架が映っています。
これはイエスの行末を暗示しています。
さらに、パルミジャニーノは錬金術にも傾倒していたことから、これは秘薬合成の壺で、画面全体が錬金術の象徴であるとする説もあります。
死ぬまで手元に置いた作品
この絵は、パルマの礼拝堂から注文を受けて描いた作品です。
しかし、絵が完成することはなく、画家が死ぬまでアトリエに置きっぱなしでした。
まとめ
・パルミジャニーノはマニエリスムの代表的画家 ・《長い首の聖母》は未完成作品