こんにちは!
今回は、ラフマニノフ作曲の『死の島』についてです。
早速見ていきましょう!
死の島
『死の島』は、セルゲイ・ラフマニノフが1909年に作曲した交響詩です。
題名の通り、死を感じる重々しい曲です。
死の島とは?
マックス・クリンガー《死の島》
上のクリンガーのモノクロの銅版画にインスピレーションを受け、作曲しました。
死者が眠る小さな島に、白衣に身を包んだ人物と棺桶を乗せた小舟が近づいています。
大きな木は、ゴッホも大好きだった糸杉で、西洋では墓地に植えられていることが多いことから、死を連想させる木です。
わかる人にはわかる「死のメロディ」
ラフマニノフの『死の島』には、それを聞くだけで死を連想してしまうようなあるメロディが挿入されています。
それはグレゴリオ聖歌の「怒りの日」という曲で、イエスによる最後の審判の場面が歌われています。
あらゆるところにこのメロディが登場し、不吉さ、そして死を予感させます。
ヒトラーが愛した絵
アルノルト・ベックリン《死の島》1883年
この絵は、クリンガーのオリジナルではなく、スイスの画家ベックリンに同名の油彩画があり、これに感銘を受けて創作した作品です。
そして上のベックリンの絵を愛し、執務室に飾っていたのがヒトラーです。
ヒトラーはベックリンの絵を大変気に入り、11点所有していました。
ベックリンは《死の島》を5枚描いています。
どうしてこの絵が生まれたのかなど詳細はこちら↓
元の絵を知らなかった
作曲当時のラフマニノフはベックリンの絵を知らず、後に原画を見る機会を得て、予想していたより明るい色調に衝撃を受け、「これを先に見ていたら、あの曲は書かなかっただろう」と述べたそう。
確かに、クリンガーの作品は、版画独特のタッチで、より死を感じさせる作品に仕上がっており、曲の雰囲気とも合いますよね。