こんにちは!
今回は、サセッタの描いたちょっと笑ってしまう絵をご紹介します!
早速見ていましょう!
サセッタ(1392年頃-1450年)
サセッタは、イタリアの画家です。
そしてなんと、「サセッタ」という名前自体、18世紀に間違って付けられたものらしいです。
美術界隈、画家の名前違ったり、作品の題名違ったりしても後世で修正しないのなんでだろ。ややこしいからかな。(笑)
ちなみに本名はステーファノ・ディ・ジョヴァンニです。
口から魂
サセッタ《聖体の奇跡》1423-1426年
ん???????
強い。
なんかわからないけど、強すぎでは?
どういう状況なのって思いますよね。
持っているオレンジのものは、皿です。
皿????皿で殺害???
ではありません。
場面は聖体拝領というキリスト教の一種の儀式。
パンとワインをキリストの体と血に見立てるというか、もうこのパンとワインはキリストです!!!
信じて食べなさい!!!というのが聖体拝領です。
で、この絵で何が描かれているのかというと、
神聖な儀式に、キリスト教を信じない不信者が紛れ込んでいて、パンとワインをもらおうとしたら、口から魂抜けてというか、悪魔が魂を持っていっちゃって死亡。
白かったはずの服も真っ黒に…。
皿を持っているのは司祭ですが、司祭はパンとワインを渡しただけで、決して攻撃しているわけではありません。
多分白くて丸いのがパンで、血のように飛び散っているのがワインです。
にしても、司祭、いい表情してますよね。
偽りの信仰はすぐにバレるし、地獄へ魂が引きずり込まれるから、神とその力を信じよ。っていうのを教徒に訴えかけるために600年近く前に作られた絵です。とても怖い絵ですね。(笑)
色かわいい
《サンセポルクロ祭壇画 聖フランチェスコ、地上の父との別れ》1437-1444年
色かわいくないですか?
ピンクとブルー、配色にセンスを感じます。
絵の内容としてはこれだけ見ると、「なぜ服を脱いでる???」ですが、
いろいろあって自分から脱いでいます。
裸なのが聖フランチェスコ(中世的な顔ですが男性)、
左で腕を伸ばしながら止められているのが、聖フランチェスコの父親です。
聖フランチェスコは、父親不在中に、父親の商売用の商品を勝手に全て売って、司祭にそのお金をあげてしまいます。
もちろん父親は激怒、最後はアッシジ司教(聖フランチェスコの裸を服で隠してあげている)の前で、父子は対立、
聖フランチェスコは服を脱ぎ、「全てをお返しします。神以外の父は私にはもういない」と言って父親に服を差し出し、絶縁。
サンセポルクロ祭壇画は、60枚のパネルで構成されている両面の祭壇画で、聖フランチェスコの物語は、これを入れて8枚で描かれています。
まとめ
キリスト教徒でない人にとって、宗教画って馴染みがないというか、抵抗感すら感じる部類の絵ですが、よく見ると結構面白いんですよね。色が可愛かったり、シュールな絵も多いので。(笑)
絵画がここまで発展したのも、宗教画あってこそ(宗教を広めるために描いていた絵が、パトロンがついて、どんどん発展して印象派のような絵になっていった)なので、そう思って見ると改めてすごいなって思います。
・サセッタはもはや名前が違う ・色合いがオシャレ