天使にも9つの階級がある?超解説!厳しい縦社会だった?

こんにちは!

今回は、天使の階級について解説します。

早速見ていきましょう!

天使の階級

天使の階級については、昔から多くの人たちが聖書をひもといて研究しており、5世紀になって『天上位階論』という書物にまとめられています。

天使の階級は、人間に近い方が低く、神に近づくにつれて高くなっていきます。

上級天使

神を取り巻き、神と直接関わりを持つ偉い天使たちです。

ですが…なんとその姿は「頭部に直接翼が生えている」という「頭だけ天使」なので、全然偉そうに見えません…。

①熾天使(セラフィム)

マッテオ・ディ・ジョバンニ《聖母被昇天》1475年

熾天使の「熾」は炎という意味です。

神を完全に理解し、神への愛で燃えているため、赤い色をしています。

 

常に神を讃える歌を唱えながら、神のまわりを回っています。(こわいな…)

まばゆい力で、罪や汚れを浄化します。

ジョット・ディ・ボンドーネ《聖痕を受ける聖フランチェスコ》1337年以前

「熾天使は6つの翼をもつ。2つをもって顔を覆い、2つをもって脚を覆い、2つをもって飛ぶ」という聖書のこの記述だけを頼りに、古来、画家はその姿を想像して描いてきました。

②智天使(ケルビム)

ジョヴァンニ・ベッリーニ《バプテスマの聖ヨハネと聖母子像》1490-1500年頃

最も多くの知識を持ち、その知性を下位の天使に与えるご隠居様のような天使です。

青色をしています。

聖書に最初に名前の出てくる天使でもあります。

③座天使

正義の天使であり神の王座を運ぶ天使で、色の決まりはありません。

中級天使

フランチェスコ・ボッティチーニ《聖母被昇天》1446-1497年

中級天使は、上級天使から神の意志を受け取り、それを実現するために様々な命令を下級天使に下します。

いわば天使の中間管理職です。

星と四大元素(つまり宇宙や自然界全体)を支配する天使たちですが、絵画にはほとんど描かれていません。

上の絵では、真ん中の列が中級天使たちです。

①主天使

神の意思を実現するためにすべきことを決定し、天使の務めを統制します。

②力天使

地上に奇跡をもたらし、英雄や善人に恵と勇気を授けます。

③能天使

悪魔のたくらみを阻止します。

悪魔と接触する機会が多いことから堕天使になることも…。

下級天使

①権天使

王様など人間の指導者を監視し、その正義への決意を鼓舞し、地上の王国を守護する天使です。

②大天使

フランチェスコ・ボッティチーニ《トビアスと3人の大天使》1470年以前

神の使者です。

「大」がつくのでずいぶん偉いかと思えば、人間でいうところの係長クラスの天使で、神と人間を取り持つ仲介者でした。

処女マリアに受胎告知するガブリエル(上の絵右)、若者や旅人の守護者ラファエル(中央)、悪魔と戦うミカエル(左)などが有名で、美術作品への登場回数はとても多いです。

③天使

ラファエロ・サンティ《サン・シストの聖母》1512-1513年

文字通りただの天使で、大抵は群れをなしています。

人間一人一人についているともいわれています。(なんという数…!)

音楽で神を讃えたり、寄進者を紹介・守護したり、イエスやマリアや聖人のそばを飛び回るなど、天使の中では地上の人間に1番近い場所にいます。

元々は髭の男性がイメージされていたようですが、ルネサンス期の両性具有的で光輪を持つ姿を経て、バロック期に有翼の幼児姿へと変わったため、ギリシャ・ローマ神話のクピドと見分けがつかなくなってしまいました。

 


天使のひきだし―美術館に住む天使たち (ハートアートシリーズ)

この本では、とてもわかりやすく、天使について解説しています。天使図鑑です。