こんにちは!
今回は、ギリシャ神話に登場するパエトンを解説します。
早速見ていきましょう!
パエトン
太陽神の息子だと信じてもらえず…
ジャン・カレル・ファン・エイク《パエトンの墜落》1636-1638年
パエトンは、しばしばアポロンと同一視される太陽神ヘリオスの息子です。
彼は、友人たちからヘリオスの息子であることを強く疑われたため、自分が太陽神の子であることを証明しようとして、ヘリオスの太陽の戦車を操ろうとしました。
大炎上
ルドヴィコ・カラッチ《パエトンの墜落》17世紀
しかし、乗りこなすことは難しく、馬たちは暴走し、軌道をはずれ、地上に近づき、あたりを焼き払いました。
地上のあちこちに大火災を発生させ、世界の川はことごとく干上がり、地上はまさに火の海です…。
そこで豊穣の神ケレスがゼウスに助けを求めました。
苦肉の策
セバスティアーノ・リッチ《パエトンの墜落》1703-1704年
ゼウスは、暴走する太陽の戦車を止めるために、やむなく雷電によって戦車を撃ち落とし、パエトンは死にました。
ピーテル・パウル・ルーベンス《パエトンの墜落》1604-1605年、1606-1608年
ルーベンスは、ゼウスが投げた雷を描くことにより、暗さを維持させ、パエトンと馬の顔をわかりやすくし、光のコントラストを調節しています。
人物の体の集合体も同じように暗い部分と明るい部分を分離し表情を目立たせています。
また、楕円形の周囲に観る者の視点をうまく移動させるため、配置が工夫されています。
パエトンの死体はエリダノス川に落ちました。
ヨハン・リス《パエトンの墜落》1624年頃
パエトンの姉妹のヘリアデスたちは悲嘆のあまり樹木に変身しました。
母のクリュメネも嘆き悲しみ、その樹木をかきむしったところ、垂れた樹液はコハクとなりました。
アドルフ・ピエール・スナート《パエトンの墜落》1868年
ミケランジェロ・ブオナローティ《パエトンの墜落》1531-1533年
ミケランジェロ・ブオナローティ《パエトンの墜落》1533年
ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ《夜明けの寓話−パエトンとアポロン》1730年頃
ギュスターヴ・モロー《パエトン》1878-1879年
モローは、黄金のライオンと荒鷲がパエトンに襲いかかるシーンとして描いています。