こんにちは!
今回は、ヒヤシンスの語源となった、ギリシャ神話に登場する美少年ヒュアキントスについてです。
早速見ていきましょう!
ヒュアキントス
太陽神アポロンに愛された美少年
アレクサンダー・キセリョフ《ヒュアキントスの死》1850-1900年
ヒュアキントスは、ギリシア神話に登場するラコニア王の息子で美少年でした。
彼は太陽神アポロンから愛されていました(アポロンは男性も女性も愛しました。神に性は関係ありません)。
というのも、古代ギリシャでは同性愛は普通に行われ、むしろ美徳とされていました。
しかし、ヒュアキントスは、アポロンが誤って投じた円盤に当たって命を落としました。
別の説では、アポロンと円盤投げの遊戯を行っていた際、ヒュアキントスはアポロンの投じた円盤を拾おうとして走って行ったところ、大地に当たって跳ね返った円盤を頭部に受けて死んでしまいました。
ヒヤシンスの名前の由来に
ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ《ヒュアキントスの死》1752-1753年頃
上の絵では、円盤ではなく、アポロンが打った当時の硬いテニスボールが頭に当たった設定になっています。
アポロンは死を悼んでヒュアキントスを花に変え、またスパルタ人はヒュアキントスの死にちなんでヒュアキンティア祭を創始しました。
ヒュアキンティア祭ではアポロンよりも先にヒュアキントスが英雄として祀られたそう。
ヒュアキントスの頭部から流れる血から咲き始めた花は、ギリシア神話においてエポニムでヒヤシンスとして知られています。
このエピソードから、ヒヤシンスの花言葉は「悲しみを超えた愛」となっています。
ただし、この花は現在のアイリス、ラークスパー、若しくは、パンジーであるとも言われています。
西風の神の嫉妬は怖い
ジャン・ブロック《ヒュアキントスの死》1801年
一説には、西風の神ゼピュロスもヒュアキントスを愛していましたが、ヒュアキントスはこれを拒絶しました。
ある日、アポロンとヒュアキントスが、仲睦まじく円盤投げの遊戯を行っている様子を見て、西風の神ゼピュロスはやきもちを焼き、意地悪な風を起こしました。
その風によって、アポロンの投げた円盤の軌道が変わり、ヒュアキントスの額を直撃しました。
アポロンは医学の神でもあるので、その力をもって懸命に治療しましたが、その甲斐なくヒュアキントスは大量の血を流して死んでしまいました。
上の絵では、赤いスカーフは西風ゼピュロスの、背中のリラはアポローンのアトリビュート(その人物を特定するアイテム)です。