こんにちは!
今回は、ドラクロワの《アルジェの女たち》についてです。
早速見ていきましょう!
アルジェの女たち
ウジェーヌ・ドラクロワ《アルジェの女たち》1834年
異国への憧れ
ドラクロワがアルジェリアのハレムを訪れた体験を元に描いた作品です。
描かれているのは側室たちで、娼婦の絵によく描かれるアヘンも登場しています。
この絵はいわゆる「オリエンタリズム(東方趣味、異国趣味)」の代表選手のような絵で、これは日本人がパリに憧れる感覚と同じものです。
セザンヌやルノワールの憧れの絵
ピエール=オーギュスト・ルノワール《アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)》1872年
セザンヌは「まるで1杯のワインがのどを通るように眼のなかに入り、たちまち私たちを酔わせます」と、ルノワールは「世界一美しい絵だ」と賞賛しました。
ルノワールは、ドラクロワの絵にインスピレーションを受けて作品を描いています。
赤の使い方
画家たちをも惹きつけるその秘密は、革新的な技法にありました。
《アルジェの女たち》は赤の印象が強いけれども、実際には赤色はそんなに使われていません。
ターバンやスカート、宝飾品にまで補色の緑色を隣に置くことで、赤が引き立つように演出されています。
もう1枚の絵
ウジェーヌ・ドラクロワ《アルジェの女たち》1849年
人物の構成は同じですが、少し引きで描かれており、色遣いも暖色でやわらかく、ぼんやりとした夢のような空想のような官能に満ちた世界を作り出しています。
ピカソが描いた連作
パブロ・ピカソ《アルジェの女たち(バージョンO)》1955年
ピカソもドラクロワの絵に影響を受けて15枚絵を描いています。
上の絵はなんと、世界で9番目に高い絵です!