こんにちは!
今回は、ヴァトーの《シテール島への巡礼》についてです。
早速見ていきましょう!
《シテール島への巡礼》
アントワーヌ・ヴァトー《シテール島の巡礼》1717年
シテール島
ギリシャの群島のひとつ、シテール島は、愛と美の女神ヴィーナスが流れ着いたとされる、愛の聖地です。
この島を訪れたカップルは、愛が成就すると考えられていました。
出発?それとも帰郷?
この作品の最大の論争ポイントは、シテール島へ出発する場面なのか、シテール島から帰る場面なのか、という点です。
このことに関して、ヴァトーは、あえて説明せず、見る人に委ねました。
個人的には、女性が名残惜しそうに後ろを振り向いていたり、ヴィーナス像があるので、ここがシテール島で、帰るところだと思っています。
ヴィーナス像
ヴィーナスの持ち物であるバラの花、キューピッドの持ち物である弓が像の下の方に描かれていることから、この像はヴィーナスだとわかります。
像の前にいる小さな子供はキューピッドです。(持ち物である矢筒を踏んでいるのでそう判断できます)
ヴィーナスはキューピッドの母親です。
恋人たち
拡大した部分には、3つのカップルが描かれています。
服装がみんな違うので、別のカップルとも考えられますが、右から左に物語が流れていくようにも解釈することができます。
男女のカップルが仲良く座っておしゃべりしています。
女性は最初は乗り気では無かったのかもしれません。
でも隣にいる恋のキューピッドが、彼女のドレスを引っ張っていることから、キューピッドの力で2人は仲良くなったのかもしれません。
そして、女性が立とうとするのを男性が手伝って…
女性は名残惜しそうに後ろを振り向き、船に乗り込むために歩いていきます。
モネが欲しがった絵
みなさんは、ルーヴル美術館の中で、1枚もらえるならどの絵が欲しいですか?
モネは、この絵がいいと言っていたんだとか。
ルノワールやロダンも、この絵を大絶賛しています。
第2バージョン
《シテール島の巡礼》1717-1719年
第1バージョンより、すこし賑やかになっています。
にしてもキューピッドがやたらいるな…。