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今回は、セザンヌの《『レヴェヌマン』紙を読む画家の父ルイ＝オーギュスト・セザンヌの肖像》を解説します。
早速見ていきましょう！
『レヴェヌマン』紙を読む画家の父ルイ＝オーギュスト・セザンヌの肖像
ポール・セザンヌ《『レヴェヌマン』紙を読む画家の父ルイ＝オーギュスト・セザンヌの肖像》1866年
父の肖像でありゾラとの友情の絵でもある
セザンヌは、学生時代からの親友で、小説家で美術評論家のエミール・ゾラに関わる絵を描きました。
「レヴェヌマン（＝事件新聞）」にはゾラが美術批評を連載し、前術絵画を擁護していました。
成功した実業家で、息子に自分の銀行を継いでほしかったセザンヌの父は、売れない画家になった息子に失望し、彼の芸術に全く理解を示しませんでした。
その一方で、終生、セザンヌの生活の面倒はみていたし、莫大な遺産を彼に残しました。
父親は実際にはこの急進的な新聞を購読してはいないので、本作は父の愛を求める子の思いが込められていると言われています。
逆に、痛烈な皮肉だったと主張する研究者もいます。
ゾラはこの絵の人物に対して、「冷淡、臆病、吝嗇、自らの財を拠りどころにして、他人を嘲る」と評しました。
暗い色調の絵
椅子の背もたれの描写は、どことなく不気味で、全体的に暗い色調のこの絵に、いっそう陰鬱さを与えています。
セザンヌの静物画
壁に掛かっているのは、セザンヌ自身の静物画です。
