フェルメール「少女」を超解説!「真珠の耳飾りの少女」との共通点とは

こんにちは!

今回は、フェルメールの《少女》についてです。

早速見ていきましょう!

少女

ヨハネス・フェルメール《少女》1665-1667年

窓から見た少女

この作品は 17 世紀の屋内で窓から差し込む光、あるいは仄暗いロウソクのを頼りに描かれたものでしょうか?

そのような状況で、どこまで立体的に見えるものなのでしょうか。

絵の額縁を窓に見立て、人物をその窓の向こう側に配置しているようにも感じられます。

誰でもない少女

 

逆三角形の顔に大きな目と薄い眉の若い女性が描かれています。

個性的な顔立ちから肖像画説もありますが、トローニー(不特定人物の胸像)だと考えられています。

《真珠の耳飾りの少女》も同じくトローニーです。

どちらの作品も、美しさ、醜さ、老い、若さなどといった、人々の興味をそそるような外見的な特徴を描写したものです。

こうした絵画は、当時の収集家の好みに合わせて制作されました。

 

少女の顔は、黒いシルクのような背景から浮き上がるように輝いているため、独特な美しさを感じさせます。

描かれた顔は整った顔立ちをしており、表情は穏やかで愛嬌があります。

横側へ視線が移りそうですが、こちらにはっきりと笑顔を投げかけています。

こうした表情は見る者が表面的な関心を寄せるだけでなく、心に深く残る印象や興味をそそられるような人物であることを見いだすように意図して描かれたのでしょう。

ターバンと真珠

 

《真珠の耳飾りの少女》と同じように、髪をターバンで覆い、大きな真珠のイヤリングをしています。

エキゾチックなドレス

 

当時のオランダの人々にとっては、少女の衣装はおそらく中東風のドレスを連想させ、エキゾチックに感じられたことでしょう。

ちなみに《真珠の耳飾りの少女》でも異国風の衣装を着ていました。

2つの作品は、共通点がいくつもあるにもかかわらず、作品の印象は大きく異なります。

本作の衣装のぎこちない表現や、肩と腕の関節の不自然さからマネキンをモデルに使用して描いたのではともいわれています。