「SPRING わきあがる鼓動」展の感想と完全ガイド!@ポーラ美術館

箱根のポーラ美術館で開催中の「SPRING わきあがる鼓動」展に行ってきました。

SPRING わきあがる鼓動

季節の「春」をキーワードに、命の力や自然のエネルギーを体で感じる展覧会です。

絵画、彫刻、工芸、大型インスタレーションまで、約120点が集結しています。

前回のゴッホ・インパクト展に続き、今回の展覧会も私には刺さらなかったです。

最近のポーラ美術館は国内の現代作家の作品が多めで、私は正直そこに関心が湧かず、あまり楽しめないことが増えてきました。

次回の展覧会も「モネ×現代アート」だしな…。

ライアン・ガンダー展、フィリップ・パレーノ展、ロニ・ホーン展など海外の現代アーティストの展覧会はどれもとてもよかったので、こっちの方向でお願いしたい気持ち…。資金の問題なのかなぁ。

チケット情報

大人2,200円、大学・高校生1,700円、中学生以下無料です。

前売りは200円引きです。

チケットの詳細はこちら

ロッカー

1階にあります。

音声ガイド

音声ガイドはありません。

写真撮影

映像作品1点以外は、全て写真撮影OKです。大巻伸嗣《Liminal Air Space-Time》は動画撮影もOKです。

混雑

平日の午前中に行きましたが、とても空いていました。

SPRING わきあがる鼓動展 構成

この展覧会は、箱根という土地の歴史と自然にしっかり目を向けながら、人の内側に潜む「生きようとする力」を、現代アートと名画の両方で見せます。

プロローグ 大巻伸嗣

布が空気で動き、形を変え続けます。上昇と下降をくり返す動きは、火山の土地に息づく大きなエネルギーを連想させます。

1 はじまりの山―箱根

修験の山、街道の要地、温泉の地。

江戸から明治、そして現代まで、箱根は旅と再生の場所でした。広重の「はこね山中夜行の図」など、東海道をめぐる表現から、箱根がどのように景勝地として形作られたかを辿れます。

2 ストーリーズ(イケムラレイコ/丸山直文)

イケムラレイコは広重の東海道と向き合い、精霊のような存在が住む幻想的な湖畔を描きます。

丸山直文は、仙石原の水の気配に着目し、光が芽吹くような風景をつくります。

どちらも、箱根の「土地の物語」を、やさしい色と線で見せます。

3 地水火風(小川待子/パット・ステア)

小川待子は、土やガラスが熱や重力、時間で変わっていく過程を、器や結晶の形に留めます。

パット・ステアは、絵具を流し、重力にまかせて生まれた偶然の形を生かして描きます。

素材そのものの力と、作家の手の加減が、目で分かる章です。

4 エコー(ツェ・スーメイ)

チェロの音が岩に反射し、空間全体へ広がっていく映像作品。音が重なり合ううちに、山が鳴っているように感じられます。人と自然、過去と未来が、音でつながる体験です。

5 共鳴の旅―彼方へ

印象派は光と色のゆらぎに挑み、点描は水辺の光を点の集まりで再構成しました。

ルソーやルドンは心の奥のイメージを描き、現代のキーファーは大地と歴史の記憶を重ねて表現します。

名画も現代も、どれも「どこかへ向かう旅」の痕跡です。

キーファの《ライン川》という作品。ビックサイズで迫力があってとてもよかった。森の中を歩いているみたいな気持ちになる。

エピローグ 名和晃平

「PixCell」シリーズは、動物の剥製を透明の球で覆い、自然と人工の境界をぼかします。

近づくと粒の集まり、離れると鹿の姿。

見る距離で印象が変わる、新しい見え方の彫刻です。

一見キレイだな〜って思うけれど、よくよく考えるとグロテスクだな…と複雑な気持ちになる。

出品作家の顔ぶれ

歌川広重、五姓田義松、青木美歌、名和晃平、大巻伸嗣、丸山直文、イケムラレイコ、小川待子、杉本博司、チャールズ・ワーグマン、クロード・モネ、ポール・ゴーガン、フィンセント・ファン・ゴッホ、アンリ・ルソー、ツェ・スーメイ、パット・ステア、アンゼルム・キーファーなど。日本の古い版画から現代のインスタレーションまで、幅広い世代とジャンルが一堂に会します。

カフェ&レストラン

レストラン「アレイ」

平日のお昼、空いていました。窓側の席に座りたい場合は、予約しておくのがおすすめ。

ここのレストランはどの時期に来ても眺めが良くて本当に大好き。

展覧会コラボコースもありましたが、今回も…

冬のワンプレートランチを注文しました。おいしいんだけど、これで2,800円は冷静に考えて高いな…の気持ち。

ノンアルコールカクテル「Spring サワー」は甘さ控えめみかん味です。

「鱈のブランダードのタルティーヌ ベーコンのアクセント」 ここのパンは冷たすぎて美味しくない時と適温に戻されたあとで美味しい時があって、今回は冷たくなくておいしかったです。笑

「かぼちゃと人参のポタージュ クミンの香り」人参感はわからず、でもおいしいかぼちゃスープでした。クミンは別にいらないかな…。

「ベーコンと鶏もも肉のブロシェット」これは全体的にサイズが小さくなっている気がする。前はもっと食べ応えあったよね?

「ローストビーフ ⿁おろしのビナグレッチソース」さっぱりローストビーフ。

カフェ「チューン」

こちらのカフェではドリンクやケーキ、ホットサンドなどの軽食を楽しむことができます。

チューンと紅茶のセットです。さっぱりしていておいしい。ベリーとクリームチーズムース、フランボワーズがいい感じ。カップはルノワールのアネモネ。

ショコラと紅茶のセットです。カップはモネの睡蓮。以前あったショコラとは見た目が違う&量が少なくなったようなきがするけれど、これはこれでおいしいです。

ミュージアムショップ

Tシャツ、チョコレート、キーホルダー、トートバッグなどがありましたが種類少なめ。図録はありませんでした。

ルソーのトートバッグは2種類あって、これが可愛かったので購入しました。意外と使いやすそうでおすすめ!

SPRING わきあがる鼓動展 概要

会期:2025年12月13日~2026年5月31日
会場:ポーラ美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285 ポーラ美術館
電話番号:0460-84-2111
開館時間:09:00~17:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日:会期中無休