こんにちは!
今回は、ルノワールの《舟遊びをする人々の昼食》を解説します!
早速見ていきましょう!
舟遊びをする人々の昼食
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ピエール=オーギュスト・ルノワール《舟遊びをする人々の昼食》1880-1881年
1882年、第7回印象派展に出品した作品です。
3人の批評家から最も優れた作品だというお墨付きをもらった作品でもあります。
ルノワールのパトロンの画商ポール・デュラン=リュエルがこの絵を購入しています。
舞台はレストラン
フランスのシャトゥー、セーヌ川沿いにあるメゾン・フルネーズのレストランが舞台です。
このレストラン、現在も営業しています!いつか行ってみたいなぁ…
友人たちとの楽しいひとときを描いた作品です。
水遊びが大流行
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本作の舞台シャトゥー島をはじめ、プージヴァルやアルジャントゥイユなど、セーヌ河畔の街は、19世紀のパリっ子たちの格好の行楽地でした。
鉄道網の拡充も手伝い、休日には汽車で郊外に出かけ、ピクニックや水浴、ボートやヨットに興じました。
古典&現代
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この頃には、多くの人物画を手掛ける人気画家になっていたルノワールでしたが、ある悩みを抱えていました。
対象をぼかし、形態をおぼろげに表現する印象派の技法に限界を感じていました。
ルノワールは「生きる歓び」を表現すべく、悩んだ末、明確な輪郭による人物描写と、洗練された色彩配置という新たな手法を模索していきます。
本作は、その転換期ともいえる作品です。
人物には、上の男性のように、二の腕や脇腹に影を描くことで輪郭を明瞭にする古典主義の技法が見られます。
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テーブルクロスや、テーブルの上のワイン瓶やグラスには、最も強く光が当たる部分に明るい絵具をそのまま置く印象派の技法が用いられています。
また、ルノワールは、微妙に移り変わる光の効果を色で描きとめようとしており、なかでも白の描き方が秀逸です。
普通の人間の目では見落としてしまいそうな微妙な色の変化を、青や赤、黄といった色を使って見事に描いています。
明確な輪郭と、印象派の技法、両時代の特徴を併せもつ作品に仕上がっています。
登場人物
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後にルノワールの妻となるお針子のアリーヌ・シャリゴです。
詳細はこちら↓
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この絵の舞台、メゾン・フルネーズというレストランの経営者の娘、ルイーズ=アルフォンシーヌ・フルネーズです。
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ルイーズ=アルフォンシーヌと兄弟のアルフォンス・フルネーズJrです。
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画家であり絵画収集家のギュスターヴ・カイユボットです。
ルノワールの友人で、ルノワールの《ムーラン ・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》の絵を購入しています。
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よく見ると、彼のズボンには、色彩の統一を図るため、赤から黒に塗り替えた跡が残っています。
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女優のアンジェル・レゴです。
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ジャーナリストのアドリアン・マッジオロです。
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女優エレーヌ・アンドレです。
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植民地時代ラウル・バルビエ男爵です。
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ガゼット・デ・ボザール誌の編集者シャルル・エフルッシです。
彼は、歴史芸術愛好家で収集家でもあり裕福でした。
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詩人であり批評家でもあるジュール・ラフォルグです。
彼はエフルッシの秘書でした。
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友人で官僚のウジェーヌ・ピエール・レストランゲです。
彼はルノワールの《ルーラン・ド・ラ・ギャレット》にも登場しており、ルノワールと一緒にアルジェリアに旅行にも行っています。
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友人であり画家のポール・ロートです。
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女優ジャンヌ・サマリーです。
ルノワールの作品のいくつかでモデルを務めています。
詳細はこちら↓
カナの婚礼との関係
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パオロ・ヴェロネーゼ《カナの婚礼》1562-1563年
本作は、ルーヴル美術館で作品を観て以来敬愛していたヴェネツィア派の巨匠ヴェロネーゼの大作《カナの婚礼》(ルーヴルで1番大きい絵)に影響を受けています。
イエスが水をブドウ酒に変えた奇跡の場面を描いています。
ルノワールはこの絵に熱狂し、特にお気に入りの作品でした。
78歳で亡くなる直前にもルーヴル美術館を訪れ、この絵を観ています。
同じ場所を舞台に描いた作品
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ピエール=オーギュスト・ルノワール《アルフォンシーヌ・フルネーズ》1879年
《舟遊びをする人々の昼食》にも登場した、ルイーズ=アルフォンシーヌ・フルネーズが描かれています。
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ピエール=オーギュスト・ルノワール《笑顔の女性(アルフォンシーヌ・フルネーズの肖像)》1875年
ルノワールは彼女の肖像画も描いています。
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ピエール=オーギュスト・ルノワール《テラスの姉妹》1881年
《舟遊びをする人々の昼食》と同じレストランが舞台になっています。
中央の女性は女優のジャンヌ・サマリーで、彼女は《舟遊びをする人々の昼食》にも登場しています。
「アメリ」にも登場
映画『アメリ』は、空想好きなアメリが主人公のラブストーリーです。
劇中では、老人のレイモンが、ルノワールの《舟遊びをする人々の昼食》を20年前から年に1枚ずつ模写しています。
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