こんにちは!
「画家」って聞いて、どんな感じの人をイメージしますか?
どちらかといえば、のめり込み型の不健康そうな人をイメージしませんか?
そんなイメージとは違う、ストイックマッチョな画家をご紹介!!
ジョアン・ミロ(1893年〜1983年)
ジョアン・ミロ《狩人》1923-1924年
ジョアン・ミロはスペインの画家です。
バルセロナの金細工と時計職人の家に生まれました。
若い頃から裸同然の格好で体操し、走り、縄跳びをし、海で泳いでいたミロ。
裸同然ってどんな格好…
超堅物だった父親はミロが絵に興味を持つことに対してはよく思っていませんでした。
神経衰弱、でも結果オーライ
両親の意向でミロは嫌々薬局の簿記の職につきますが、精神を病み、腸チフスにかかり、父親の出身地モンロッチで療養することに。
流石にここまで体調を崩されたら、ミロの両親も諦めがついたのか、とやかく言わなくなります。
療養先で、やっぱり画家になりたいな、ということで、バルセロナの美術学校に通います。
パリへ出てみたら打ちのめされた
その後パリへ出たミロは、同じくスペイン出身のピカソなど芸術家たちと交流しつつ、ヘミングウェイなど作家たちとも交流します。
そこで痛感したのは、斬新だと思っていた自分の手法は、何てことないものだったという現実。
そのショックや精神的ストレスからミロは思うように手を動かすことが出来なくなってしまい、自分が何をしたいのか、何を表現したいのか改めて考えます。
ミロはパリとモンロッチを行き来するようになります。
そしてその集大成の絵が完成します!
ヘミングウェイが購入した絵
ジョアン・ミロ《農園》1921-1922年
任天堂のゲーム『あつまれ どうぶつの森』かと思うくらい、そこら中にいろんなものが置いてありますね。(笑)
(あつ森では、手に入れた持ち物を、そこら中に飾ることが出来ます。)
ミロもこの絵の中にモンロッチの農家に実際にあったもの全てを描き込んだそう。
そこにミロの幻想が合わさった作品です。
この絵を友人のヘミングウェイが大変気に入り、友人などに借金をしてかき集めたお金で購入しました。
ヘミングウェイは「この絵はスペインに行ったときに感じる全てと、スペインから遠くに離れている全てがある。2つの相反するものを描ける画家は他にはいない。」と大絶賛。
ちなみにミロとヘミングウェイはボクシング仲間でした。2人ともマッチョ。
極度の空腹による幻覚で絵を描く
ジョアン・ミロ《ハーレクインのカーニバル》1924-1925年
ミロの絵はどんどん抽象化が進みます。
題名の「ハーレクイン」に聞き覚えのある方も多いはず!
DCコミックスの「ハーレイ・クイン」の元になっているのが、ハーレクインです。
『バーズ・オブ・プレイ』絶賛映画公開中ですね!
ハーレクインとは即興喜劇に登場するトリックスターです。
この絵の中のどこにハーレクインがいるかわかりますか?
中央左、赤と青の丸顔のギターみたいな形のキャラです。
他のキャラたちも楽器を演奏していて、楽しい雰囲気の作品です。
この絵は、パリとモンロッチの行き来の資金を溜めるために、食費を極限の極限まで抑えていたミロが、空腹のあまり見た幻覚が絵になっています。
謎のゆるキャラカーニバルが見えるほどの空腹って何。大丈夫なの。
大阪万博で壁画を制作
ジョアン・ミロ《無垢の笑い》1969年
77歳のときに大阪万博のガス館の壁画制作のために、日本に来日したこともあるんです!
まとめ
シュルレアリスムといえば、ダークな雰囲気の作品が多い中、ミロの作品は明るく軽やかでした。
簿記の仕事は向いていなかったものの、とても几帳面な正確だったミロは、自己管理の鬼だったそう。
繊細な心を持った絵と運動が大好きなミロだからこそ、自由な発想が生まれたんですね!
・ミロは幻想や幻覚を絵にしていた ・運動が大好きで、ヘミングウェイとはボクシング仲間 ・几帳面でストイックな性格