こんにちは!
今回は、ハルスの描いた魅力的な表情の人々の絵を紹介します。
早速見ていきましょう!
笑いの画家ハルス
笑顔はタブーの時代
教会が大きな権力を持っていた中世では、笑顔は肉体の快楽のひとつとして、悪しきものだと見なされていました。
そんな流れの中、ハルスは人々の笑顔を作品として残しました。
ハルスが生きた時代でも、笑顔は恥ずかしいものという認識があったなかです。
まだ写真も無かった時代、なぜここまで生き生きとした「瞬間」をとらえた表情を描くことができたのでしょうか。
ゴッホも影響を受けた
同じオランダ出身の画家ゴッホも「生きている瞬間が、ハルスの絵にはある」「たった1枚のハルスの絵のために、アムステルダムに行く価値がある」とハルスを絶賛しています。
この魅力的な笑顔を描くためにハルスは早描きでした。
ゴッホはハルスの筆づかいを見て、「一気に描く!そんなフランス・ハルスの絵を見るのは何という喜びか」と書き残しています。
笑顔は描くのが難しい
人の表情の中でも、笑顔は描くのが難しい表情でした。
というのも、笑いの表情は瞬間的なものなので、その一瞬をとらえなければいけないからです。
ハルスは、下描きなしでキャンバスにじかに油絵の具でデッサンし、ひとつの色が乾くのを待つことなく、別の色を塗り重ねていきました。
ハルスは少なく大胆な筆致で、素早くその表情を描きあげ、1枚の絵を3時間で仕上げたともいわれています。
《笑う子供》1620-1625年
フランス・ハルス《庭園の夫婦》1622年頃
夫の肩に手をかけている妻のポーズは、当時のキリスト教の倫理観からすれば異例のことでした。
《宿屋の若い男と女》1623年
《フルートを持って歌う少年》1623年頃
《リュートを持つ道化師》1624-1626年
《笑う少年》1625年
フランス・ハルス《陽気な酒飲み》1628-1630年
フランス・ハルス《ジプシー女》1628年頃
《ピーテル・ファン・デン・ブルック》1633年頃
モデルの人物は、オランダの植民地で大儲けした東インド会社の大物です。
フランス・ハルス《マッレ・バッベ》1633年頃