トイ・ストーリー4にも出てくるクーリッジの「ポーカーをする犬」を大紹介!

こんにちは!

「聞いたこともない最も有名なアメリカ人アーティスト」と呼ばれているクーリッジという画家を知っていますか?

知っていたらかなりのポップアート通です。

クーリッジの描いた犬の絵は、アメリカでは大人気で、パロディでよく使われる1枚でもあります。

最近だと『トイ・ストーリー4』にもこの絵のパロディが出てきました!(笑)

早速見ていきましょう!

カシアス・マーセラス・クーリッジ(1844-1934年)

カシアス・マーセラス・クーリッジはアメリカの風刺画家です。

美術の教育は受けていませんでした。

看板描きの仕事など職を転々とし、20代のときに地元の新聞の挿絵画家となりました。

顔出しパネルの発明者

クーリッジ “comic foregrounds”の特許図面

1874年に写真撮影用に作ったcomic foregrounds(顔出しパネル)の特許を出願し、これが大成功します。

日本の観光地全てにありそうな顔出しパネルですが、海外ではあまり見ませんね…

『ポーカーをする犬』シリーズ

そんなクーリッジの代表作といえば『ポーカーをする犬』です。

最初に描いた犬がポーカーしている《ポーカーゲーム》の絵を気に入ってか、

その後、出版社のブラウン&ビガロ(Brown & Bigelow)から依頼が来て、葉巻の広告として制作していきます。

『ポーカーをする犬』シリーズといいつつ、ポーカーしていない絵もあります。(笑)


《ポーカーゲーム》1894年

この絵は、クーリッジが最初に描いたポーカーをする犬の絵です。

《A Bachelor’s Dog 》

早速ポーカーをしていない犬の絵です。

葉巻を吸いながら、届いた手紙を読んでいます。

《A Bold Bluff 》

犬たちがポーカーをしています。

ポーカーは手持ちの5枚のカードの強さを競うゲームです。

左の葉巻を持った犬はドュース(2のカード)という最弱なカードしか持っていません。

ポーカーの面白いところは、最弱なカードだとしても、勝てる可能性があるところです。

相手がゲームから降りたら勝ちです。

どんなときに降りるのかというと、相手が大量のチップを賭けてきたときです。

ただ、それが、自分のカードが強いから賭けているのか、弱いから一発逆転を狙って賭けているのかわからないので心理戦です。

弱いカードの犬はチップをめちゃ積んで勝負に出ました。

その結果は、後ほど出てくる《A Waterloo》で描かれています!

ちなみに『トイ・ストーリー4』ではアンティークショップ内にこの絵のパロディが出てきました。

さらに『カールじいさんの空飛ぶ家』にも登場しています。

ディズニー作品はこういう小ネタが多く、いろんな作品に有名なアート作品のパロディが登場するので探すのも楽しいです。

《Breach of Promise Suit 》

結婚の約束違反に関する訴訟で、法廷で証言している場面です。(なにそれ)

左にあるのは証拠品でしょうか。人間の泥沼裁判みたい。

《Higher Education》

題名をそのまま訳すと「高等教育」です。

この世界観、犬だけなのかと思いきや、観客人間っぽくない?

《A Friend in Need》1903年

この絵が『ポーカーをする犬』シリーズで一番人気です。

エースのフォーカードという組み合わせのカードがあるのですが、これがとても強くて、あと1枚で揃う!というところで、

なんとブルドックからエースのカードが!これでこの犬はエースが4つ揃います。

《His Station and Four Aces》1903年

犬のひとりがエースのフォーカードが揃った!勝ちだ〜〜!!なんて思ってたら、

青い服の車掌さんが来て、「駅に到着したので降りる時間です〜」「え〜〜〜!!!!」という絵です。

《Kelly Pool》

犬がビリヤードをしています。

《New Year’s Eve in Dogville

大晦日のお祭りでダンスを楽しむ犬たち。

《One to Tie Two to Win》

野球の試合をしています。1対2で勝った場面でしょうか。

葉巻を吸いながら自分のチームを応援する犬たち。

《Pinched with Four Aces》

ポーカーで違法ギャンブル中に青い服の警官が取締りにきた場面です。

ブルドックはレアな4つのエースが揃ったのに、使うことが出来ません…

《Poker Sympathy》1903年

明らかにアウェイそうなブルドック。

飲み物倒して、椅子から滑り落ちている理由は、4つのエースが揃って勝てる!と思っていたら、

相手はそのさらに上、ストレートフラッシュという組み合わせのカードを出してきた、というシーンです。

完全に終わった感じのブルドックがウケます。

《Post Mortem》

反省会をしている犬たち。このあとポーカーが始まりそう。

《Riding the Goat》

ちょっと高いところにいる王様を楽しませる道化師が描かれています。

題名の「山羊に乗る」というのはフリーメイソンのギャグです。(なにそれ)

《Sitting up with a Sick Friend》1905年

帽子をかぶったふたりの奥さん?お母さん?が「あんたたち何やってるの?」と言いにきた場面でしょうか。

こうなったらポーカーゲームは中止です。

《Stranger in Camp》

キャンプに来ても、ポーカー。

右の犬の手札はフォーカード、勝てると思ったのに、左側の犬はストレートフラッシュ

にやにや顔の勝者と、まさか負けるなんて…!と驚愕の表情の差が楽しい作品です。

《Ten Miles to a Garage》

お出かけの途中で車が故障して動かなくなっています。

修理しているのかと思いきや、日陰で休んでいたりと、直りそうな気配ゼロです。

《A Waterloo》1906年

《A Bold Bluff 》の続きです。

勝負の結果、みんなが降りたので左手前の弱いカードの犬が勝ちました。

みんなの表情がいいですね。

まとめ

『ポーカーをする犬』はアメリカでは抜群の知名度と人気で、ポスターやカレンダー、マグカップにTシャツとありとあらゆるものに使われています。

その「俗っぽい」雰囲気からアート業界からは「あれはアートじゃない」扱いを受けてきた作品でもあります。

なのでこの絵が海外の映画やドラマなどに出てきたときは、「美術をわかっていな人の持ち物」として出てくる事が多いです。

(アニメだと単純に名画のシーンをパロディとして入れて、クスッと笑わせるためだったりしますが。)

そんなニュアンスを知っていると、グッと面白くなりますよね〜