ハマスホイとデンマーク絵画展に行ってきました

こんにちは!
上野の東京都美術館で開催中の「ハマスホイとデンマーク絵画」に行ってきました!


https://artexhibition.jp/denmark2020/

室内の絵が多いけど、どの絵も生活感がない。

そんな絵を描く画家、ヴィルヘルム・ハマスホイをメインとした展覧会です。

ポスターになっている↑の絵に登場する左側にある白に青の陶器(ロイヤルコペンハーゲンのパンチボウル)と女性が手に持っている銀の丸いトレイの実物が絵の横に展示してあって

本当すきっっ!!!ってなりました。

こういう展示ってすごく現実味増すというか、楽しくないですか??

本物でなくても絵の横に絵の中のものが置いてある展覧会とかやったら絶対面白いのに。

いろんな方面から視覚に訴えてくるし、なんか絵も良く見ようって気持ちにもなるし、鑑賞が楽しくなりますね。

 

ハマスホイは元から知っていましたが、今回来ていたデンマークの画家のみなさんは知らない人ばかりでした。

ですが、すごいよかったです!!

静かで穏やかな雰囲気の絵でとても気持ちがリラックスできました。

大都市ではなく閑静な住宅街みたいな雰囲気です。

 

今回の展覧会で一番いいなと思った絵は…


ピーザ・スィヴェリーン・クロイア《スケーイン南海岸の夏の夕べ、アナ・アンガとマリーイ・クロイア》

これ実物と写真だと全然色味が違うのですが、とにかく淡くて幻想的で素敵でした…!

実物は写真より全体的に色が薄いです。

絵画は写真になるとどうしても濃くなりがちですよね〜。

砂についた足跡の、柔らかい砂なんだろうな〜〜と思わせる表現力

全体的に抑え気味の色調に女性の服の色と頭部の濃い色がアクセント

服は濃く色をのせるのではなくて、淡いのがまたいい…

それにしても海ギリギリのとこ歩いてるな〜スカート濡れないのかな…

クロイアという画家を初めて知ったのですが、どの作品も淡くて優しげな雰囲気があって大ファンになりました!

印象派ではありませんが、スケーイン派という印象派に影響を受けたスケーインという漁師町に集った芸術家たちの一員で

クロイアはモネの影響を強く受けていたそう。

なるほど納得。

モネ好きならクロイアも好きだよね〜〜

ちなみにこの絵の近くに同じスケーイン南海岸を描いた作品があるのですが、

同じ海なのに全然表現の仕方が違うので、そこにも注目して見てみるのもおすすめです。


ピーダ・イルステズ《ピアノに向かう少女》

イルステズの妹はハマスホイと結婚しています。

イルステズの作品も温かみがあってすきでした。

フェルメールっぽい絵なんかもありつつ、この作品のように子供を描いたものも多かったです。

にしてもどの絵も机と椅子の脚の部分細っ

しかも位置もおかしくない??

この絵も白い椅子の脚が気になる…

特に右後ろの脚がくねってなってますよね。

なぜ曲げたのかな?と考えてみましたが、

ブルーの座る部分が鑑賞者の方にわっと飛び出て見えるように

ちょっとした迫力を出すためにそうしたのかなと。

こんな感じで絵の中の不自然さを見つけるとなんでだろ…って推測するのも楽しい。探偵。


ヴィゴ・ヨハンスン《きよしこの夜》

これ幻想的でとても素敵だったんですけど、どうしても個人的に気になったのが、

きよしこの夜って邦題ダサすぎでは?

原題のSilent Nightをカタカタに直せばよかったのに、なにきよしこの夜って…

センス鬼じゃん。誰が決めてるんだろ…

その当時こんな大きなクリスマスツリーがあって、こんなにきれいに装飾して、小綺麗な身なりで絵の中の人たちは裕福だな〜なんて思ったり。

明かりが幻想的で、素敵だな〜と思いながらも、昔だからしょうがないのかもしれませんが、

部屋が暗くて、クリスマスツリーだけ光っていて、なんか宗教じみてるというか儀式っぽいな…なんて若干思いながら見ていました。

 

と、見ていく中で、ふと、

あれ、ハマスホイの絵全然なくない??

なんて思ってたら、最後にハマスホイ祭りでした。

ハマスホイの絵といえば、ちょっと不気味というかサスペンスっぽいと言われていますが、

人や物があまりないだけでなく、部屋がそもそも暗いのと、そこにさらにを描いているので

独特の静けさというかなんともいえない空気感があります。


ヴィルヘルム・ハマスホイ《ピアノを弾く妻イーダのいる室内》

ハマスホイといえばこの絵が好きで、しかもなんと国立西洋美術館の常設にあるので最高〜!

この展覧会で改めて見てもやっぱりこの絵いいですよね〜

このアングル、と色彩と人気(ひとけ)のなさ、ホラー映画かな?

ピアノ弾いてるはずなのに、すごく静かそうな雰囲気

日の差し方

誰目線の絵なんだろ…と思わず色々想像してしまいます。

開けたを描くことで、その枠で女性を囲っています。

縁取られたものに人の目線は行きやすいので、女性が強調されています。

女性の顔周りに白い譜面を描くことで、コントラストがくっきりと出ます。

机の一番左の脚(画面真ん中にある脚)や扉の左横の壁の横線扉の横線、女性の上にある額縁の縦線も女性に向かっています。

こうすることで自然と女性に視線が集中します。

女性に視線がいくので、気になります。

なんでこの無機質な部屋の中でピアノ弾いてるんだろうって。

女性を左寄りに描いているので、机の上にある丸い銀のトレイは中央少し右寄りに描いて画面全体のバランス取っているのかな〜

ちなみにこの女性は画家の奥さんイーダがモデルです。

 

こんなにすてきな作品に出会えると思っていなかったので、本当に行ってよかったです。

ミュージアムショップはグレーメインのMHLのおしゃカフェみたいな雰囲気でMHLのカフェかと思いました。

充実度すごいので迷っている方は是非!

 

 

会期:2020年1月21日(火)~3月26日(木)
休館日:月曜日、2月25日(火)
※ただし、2月24日(月・休)、3月23日(月)は開室
開館時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)
夜間開館:金曜日、2月19日(水)、3月18日(水)は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)
会場:東京都美術館
https://www.tobikan.jp/
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館、読売新聞社
後援:デンマーク大使館
協賛:大日本印刷
協力:イープラス、ルフトハンザカーゴAG、J-WAVE
公式サイト:https://artexhibition.jp/denmark2020/