貧しい肉屋の息子が宮廷画家に?ブロンズィーノが描いたメディチ家の肖像画を紹介!

こんにちは!

前回はブロンズィーノの謎解き絵画についてでしたが、今回は、画家とパトロンのメディチ家についてです。

早速見ていきましょう!

アーニョロ・ブロンズィーノ(1530-1572年)

アーニョロ・ブロンズィーノマニエリスム期のイタリア・フィレンツェの画家です。

本名は、アーニョロ・トゥリです。

ブロンズィーノはあだ名で、意味は「青銅」です。(顔が青白かったことから)(ひどい)

貧しい肉屋の息子として生まれ、画家ポントモルの工房で働いていました。

その後、メディチ家コジモ1世エレオノーラ結婚式の装飾に携わります。

装飾には多くの芸術家が呼ばれており、その中の1人でしかなかったブロンズィーノ。

なんと気に入られて、メディチ家の宮廷画家に。まさにサクセスストーリー

メディチ家の肖像画

メディチ家は最強のパトロン

メディチ家は、フィレンツェを支配した名門貴族です。

商業や金融業で大成功。ヨーロッパでも有数の大富豪となります。

その財力で、ルネサンス芸術を保護し、支えました。

現在は残念ながら血筋は途絶えています。

コジモ1世

アーニョロ・ブロンズィーノ《コジモ1世の肖像》1542年

コジモ1世は、私が今とても行きたいウフィツィ美術館や、ヴァザーリの回廊(自宅から会社まで直接行ける秘密の通路)を建設した人です。

今回紹介する肖像画は全てウフィツィ美術館で並べて飾られています。

妻 エレオノーラ

アーニョロ・ブロンズィーノ《エレオノーラ・ディ・トレドと息子の肖像》1544-1545年

コジモ1世との間には11人もの子供がいます。(昔は子供の死亡率が高かったので人数が多い)

一緒に描かれている息子は誰なのかはっきりしていませんが、ジョバンニ(最後に出てきます)っぽいねと言われています。

かわいいビア

アーニョロ・ブロンズィーノ《ビア・ディ・メディチの肖像》1542-1545年

エレオノーラと結婚する前に生まれていたコジモ1世の子供です。

コジモ1世はビアを溺愛

エレオノーラもとても可愛がったそうですが、5歳のとき、突然病気になり亡くなっています。

なのでこの作品は、実際に見て描いたのではなくて、ビアのデスマスクを見て描いたのでは?と言われている作品です。

長女 マリア

アーニョロ・ブロンズィーノ《マリア・ディ・コジモ1世・デ・メディチの肖像》1550-1551年

夫婦の間に生まれた最初の子供です。

とても頭が良かったそう。

シースルーな服がおしゃれ…

彼女も残念ながら17歳で病気で亡くなっています。

昔、『メディチ家の至宝展』で来日した作品でもあります。

長男 フランチェスコ

アーニョロ・ブロンズィーノ《フランチェスコ・デ・メディチの肖像》1551年

父コジモの後を継ぎ、フランチェスコ1世となります。

錬金術が趣味で、人妻愛人にしたり、弟が妻を殺しても「妻の生死は旦那が決めていい」と黙認、妹の暗殺事件にも関わっていた説があり、結構な感じです。

市民からもとても不人気で、引退後隠居したときも「あいつ毒薬作ってるんじゃない?」とウワサが広まるほどでした。

ちなみにブロンズィーノのことは、父コジモと同じように、パトロンとして支援しています。

次男 ジョバンニ

アーニョロ・ブロンズィーノ《ジョバンニ・デ・メディチの肖像》1545年

なんで鳥握ってるの???って思いますよね。

握っているのは、ゴールドフィンチというかわいい鳥です。

この鳥は、アザミの種子を食べるため、キリスト(茨の冠にアザミを使用)を暗示するアイテムでもあります。

キリストは救世主とも呼ばれていたので「厄災や疫病よけのお守り」として、今回は一緒に描かれています。

たまに、こんな感じで子供が鳥を握っている絵があるので、知っていると

「何これ?鳥握り潰されて死ぬんじゃない?」って心配をしなくて済みます。(笑)

ちなみに妻殺しはジョバンニではなく別の兄弟です。

まとめ

ブロンズィーノマニエリスムの画家
・運良く大富豪メディチ家の目に留まり宮廷画家