こんにちは!
今回は、フェルメール《取り持ち女》
早速見ていきましょう!
取り持ち女
ヨハネス・フェルメール《取り持ち女》1656年
取り持ち女とは?
取り持ち女というのは、娼婦と客を仲介する人物(大抵元娼婦のお婆さん)のことです。
いかがわしい絵の意味とは
男性が娼婦を買おうと、右手でコインを渡しています。
どうしてフェルメールがこんないかがわしい絵を描いたのかというと…
これは『新約聖書』の一場面である「放蕩息子」をテーマにした作品だと考えられています。
16世紀にフランドルで流行したカラヴァッジョ風のテーマで、宗教画というより風俗画に近いものでした。
フェルメールが所有していた「取り持ち女」
ディルク・ファン・バビューレン《取り持ち女》1622年
フェルメールの義母が所有していたファン・バビューレンの《取り持ち女》から着想を得て本作を描いたのかもしれません。
本作に限らず、上の絵を画中画としてフェルメールは自分の作品の中に描きこんでいます。
詳細はこちら↓
自画像?
左端の人物は、フェルメールの自画像だともいわれていますが、確証はありません…。
どうして自画像では?と言われているのかというと、当時のオランダ絵画は、こんな感じで人々に紛れて端っこの方で鑑賞者を見つめる画家の自画像が多かったからです。
彼の後ろの壁だけがなぜか明るく、不自然さがあります。自分を目立たせたかったのでしょうか?
彼の服装は、フェルメールの《絵画芸術》に描かれている画家の服装とよく似ています。
フェルメールのレアな絵
フェルメールのサインと制作年が記されている作品は、本作と《天文学者》《地理学者》のわずか3点しかありません。