こんにちは!
前回はミュシャのポスターとクロウカードについてでしたが、
今回は、そのポスターから文字を取り除いた、部屋に飾る用の装飾パネルをご紹介します!
装飾パネルを制作する頃には、ミュシャは超売れっ子でした。
高い値段で販売したかと思いきや、誰でも買える安い金額で販売していたところに、ミュシャの芸術に対する思いが現れていますね。
《四季》シリーズ
ミュシャが初めて作成した装飾パネルシリーズです。
春夏秋冬を擬人化した作品です。
《四季》シリーズは大まかに3種類あります。
《四季》1896年
《春》
お花に包まれた『春』が持っている竪琴に小鳥たちが留まり、一緒に歌をうたっています。
ディズニー映画に出てきそう。
《夏》
ケシの花を頭に付け、足を水につけて涼んでいるアンニュイな雰囲気の『夏』。
もたれかかっているのはブドウの木です。
空が青いのも夏!って感じです。
《秋》
《夏》に登場したブドウの木から実を摘んでいる『秋』。
西洋ではブドウは、ギリシャ神話のバッカスというワインの神様や、キリストを連想させる特別な果物でもあります。
《冬》
木の枝に雪が積もっています。
寒さで震えている小鳥を『冬』が温めています。
《四季》1897年
左から《春》《夏》《秋》《冬》
《四季》1900年
左から《春》《夏》《秋》《冬》
《四芸術》1898年
4つの芸術を擬人化した作品です。
この絵の面白いところは、『絵画』だから筆とパレット、『音楽』だから楽器…のようなよくあるモチーフを使う代わりに、1日の時間帯と結び付けて表現しています。
《ダンス》
朝の風で葉っぱと一緒に女性が舞っています。
女性の動きでダンスを表しています。
《絵画》
昼間の空に見える虹は色彩を表し、赤い花を絵筆に見立て、画家が自然からインスピレーションを受けていることを表しています。
《詩》
夕暮れ、一番星が光り輝いています。
女性の頭の近くにある月桂樹は詩人を連想させるモチーフです。
《音楽》
夜空に月が出ています。
女性が耳に手を当てて、美しい鳴き声で有名な鳥ナイチンゲールの歌に耳を傾けています。
《四つの花》1898年
このシリーズは当時、ミュシャ作品の中でも1、2を争う人気の高さだったそう。
ミュシャが得意な花がチョイスされています。
左から《カーネーション》《リリー》《バラ》《アイリス》
《四つの宝石》1900年
『宝石』と言いつつも、実際に宝石が描かれているのは《ルビー》のみです。
女性の服や花は、宝石のイメージカラーが使用されています。
左から《トパーズ》《ルビー》《アメジスト》《エメラルド》