結婚の贈り物?ティツィアーノ「ウルビーノのヴィーナス」を超解説!

こんにちは!

今回は、ティツィアーノの《ウルビーノのヴィーナス》についてです。

早速見ていきましょう!

ウルビーノのヴィーナス

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《ウルビーノのヴィーナス》1538年

ジョルジョーネの《眠れるヴィーナス》を、さらに官能的に描いたのがこの作品です。

ジョルジョーネのヴィーナスは、田園を背景に目を閉じていますが、ティツィアーノの絵は、背景は邸宅、目を開けた状態で長椅子かベッドに寄りかかるヴィーナスを描いています。

モデルは高級娼婦?

 

16世紀当初、国際貿易都市ヴェネツィアには、約1万人の娼婦がいたといわれています。

その中でも高級娼婦と呼ばれる、美貌と知識、センスを持ち合わせた彼女たちは、裸体画のモデルにもなりました。

ヴィーナスの持ち物

 

右手にはバラの花束を持っていますが、バラはヴィーナスのアトリビュート(持ち物)です。

 

マートルもヴィーナスのアトリビュートです。

マートルの花は、美と若さと愛の象徴で、結婚式に欠かせない花でもあります。

 

犬は、「夫婦の忠実さ」の象徴ですが、今はヴィーナスの足元で眠ってしまっています。

背景

 

背景は、16世紀ヴェネツィアの、裕福な貴族の家の洗練された室内が描かれています。

2人のメイドが、ヴィーナスのドレスをチェストの中から探しています。

1人は、結婚式のための金と青の豪華なドレスを持っています。

性教育のため?

結婚の贈り物としてグイドバルド2世・デッラ・ローヴェレが注文したと考えられています。

この絵が、これほどまでに官能的に描かれているのは、彼の年若い花嫁ジュリア・ヴァラへの性教育の意味も込めたプレゼントだったのではといわれています。