ホガース『娼婦一代記』道を間違えた田舎娘の転落人生物語

こんにちは!

ホガースの物語画シリーズ『娼婦一代記』です。

絵画は1755年の火災で消失しているため、版画でお送りします!

『娼婦一代記』1732年

ウィリアム・ホガースによる作品です。

主人公モルが仕事探しにロンドンに出てきたところから始まります。

1. モル・ハックアバウト、チープサイドのベル館にたどり着く

 

モルはハサミと針刺しを腕から下げています。針子の仕事を探して上京したはずが、いかにも悪そうなおばあさんに声をかけられている場面です。

このおばあさんは、何もわかっていない純粋な若い女性を売春婦として売り飛ばす仕事をしています。

2. モル、今や裕福な商人の愛妾に囲われる

 

裕福な商人の愛人となったモル。

モルの愛人が商人にバレず部屋を出れるように、机を蹴って商人の気を引きます。いかつい。

3. モル、愛人契約を解かれ、普通の娼婦に戻る

 

そんなモルの行いが商人にバレたのか、飽きられたのかで、今やただの娼婦に落ちぶれます。

右から入ってきた役人たちが、モルを捕まえようとしています。

4. モル、ブライドウェル監獄で麻を打つ

 

監獄の中で、絞首刑者用の首吊り縄に使用する麻を打つ強制労働を強いられます。

5. モル、梅毒で死す

 

梅毒瀕死状態のモルを前に、医者たちが治療方法について言い争っています。

モルの横にはおつむが弱そうなモルの子供がいます。

6. モルの葬式

 

モルは棺桶の刻印から分かるように23歳という若さで亡くなりました。

お通夜には同業の娼婦たちが集まっていますが、基本的にみんなモルの死に興味はありません。

棺桶の下にいるモルの息子も、母親が死んだことを理解する知能すら無さげです。

他の娼婦たちも顔に黒い瘢痕、梅毒の症状が出ており、結局はモルと同じような道を辿るんだろうなぁと思わせる救いのないラストです。

壁には1枚目で上京したてのモルがかぶっていた帽子が掛かっています。

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