「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」の感想と完全ガイド!今年イチ良かった展覧会◎

こんにちは!

六本木の森美術館で開催中の「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」に行ってきました。

現時点で今年イチ良かった展覧会でした。

シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝

最近の国内の物足りない展覧会とは大違い!海外の美術館のような大規模な展示で大満足◎

グッズを売るための展覧会じゃなくて、こういう本気の展示が見たいんだよ〜頼むよ他の美術展…。

シアスター・ゲイツを知らなくても絶対満足できる面白さ。絶対行くべき、超おすすめです!

チケットの価格と入手方法

日時指定制です。平日、休日、当日窓口購入、オンライン予約かで値段が変わります。

土日祝オンライン予約の場合

一般2,000円、高・大学生1,400円、中学生以下無料です。

詳しくはこちら

ロッカー

展覧会入場口の近くに100円返却式ロッカーがあります。

音声ガイド

スマホのアプリで聞く無料の音声ガイドがあります。音声だけでなく文章バージョンもあります。

写真撮影

写真・動画撮影(1分以内)OKです。

混雑

土曜日の朝イチ10:00の回で行きましたが空いていました。

時間とともに少しずつ人は増えていきましたが、それでも少なくて、とても見やすかったです。

シアスター・ゲイツ展 構成

神聖な空間

シアスター・ゲイツは、多才なアーティストで、彫刻や陶芸をはじめ、建築、音楽、パフォーマンス、ファッション、デザインなど、幅広いジャンルで活躍しています。

2004年、愛知県常滑市で陶芸を学ぶために初めて日本を訪れてから、日本文化に深く影響を受けてきたそう。

この空間、本当に良かった。神聖な雰囲気。お寺のような、それでいて奥の壁にある屋根職人のゲイツの父の屋根を使った作品が十字架にも見えてきて、教会のようにも思えた。その奥にオルガンもあるしね。

シンプルにかわいい。

そして何といってもこのお香の香りが良すぎる。

京都の香老舗・松栄堂の調香師と一緒に作った香の彫刻《黒人仏教徒の香りの実践》(2024)。

最近ちょっとこの作品、問題というか話題になっていましたね(別の作家が自分の作品と本作が似すぎていると指摘)。

床に敷いてあるのは、常滑市の製陶所で本展のために制作した1万4000個の煉瓦《散歩道》。これもとても良い。

奴隷労働者だったデイヴィッド・ドレイクが作った器。

彼は当時、黒人の識字率向上を抑えるために読み書きを学ぶことを禁じる法律があったなかで、自作の陶器に名前と日付、制作場所、詩、聖書の言葉などを彫り込んでいました。カッコよすぎる。

こわいナ。

オルガン〜〜!演奏聴きたかったよ〜〜!(毎週日曜日、14:00-17:00のみオルガン奏者が演奏してくれます)

ブラック・ライブラリー&ブラック・スペース

黒人の歴史にまるわる書籍約2万冊がずらっと並んでいます。ほとんどの本は自由に読むことができます。

お金持ちってこんな景色を見ながら生活しているのかな、と思いながらソファーに座る。

ブラックネス

ソウルフルな映像。

アメリカの黒人陶芸から、アフリカ、日本、朝鮮、中国の陶芸に着想を得た陶磁器のシリーズ「ブラック・ベッセル(黒い器)」が並んでいます。

取り壊された小学校の体育館の床を組み合わせてつくり出された作品《基本的なルール》。

年表

常滑の歴史、民藝の歴史、アメリカ黒人文化史、ゲイツの個人史をまとめた年表コーナー。

キラキラ。

アフロ民藝

なにやら楽しげな音楽が聞こえてきました。

「アフロ民藝」とは、シアスター・ゲイツが生み出した独自のコンセプトで、1950〜60年代のアメリカ公民権運動「ブラック・イズ・ビューティフル」と日本の「民藝運動」の哲学を融合したものです。

この新しい言葉は、ゲイツがハイブリッドな文化の未来を構想する中で生まれました。

なので「アフロ民藝」は「民藝」ではありません、とのこと。

かわいい。

圧巻。

常滑出身の陶芸家、故・小出芳弘の約2万点の陶芸作品が展示されています。

ゲイツは彼の作品を引き継ぎ、ここで展示した後はシカゴに運び、陶芸研究に活かされていくそう。

中央の《プラダ仕覆》可愛すぎる。仕覆とは茶道で使う茶入や茶碗などの茶道具類を入れる袋のことです。

ちゃんとプラダ印あります。

ここにも門。

ゲイツと常滑の澤田酒造と作ったオリジナルの酒「門」(gate)。ミュージアムショップでも買えたようですが、私が行ったタイミングでは売り切れていました。

氷山とミラーボールを組み合わせた《ハウスバーグ》がくるくると回っています。

音楽とミラーボール、まさにディスコ。

毎週木曜、18:30ごろからDJブースにDJが登場して「アフロ民藝ナイト」を開催しています。これも体験したかったな。

《みんなで酒を飲もう》は、明治から昭和初期にかけて、酒屋で少量の酒を買う客に貸し出されていた容器「貧乏徳利」を1000本を用いたインスタレーションです。

ゲイツのプロジェクト名である「門インダストリー」(ゲイツの名前は英語で門=gate)のロゴが印字されているものもいくつかありました。

トコトコトコ。

ミュージアムショップ

図録、コラボの抹茶、ほうじ茶、お香、などがありました。作家さんの陶器も売っていました。

コラボのお酒は売り切れでした。残念。

カフェ&レストラン

52階に、Cafe THE SUNと、Restaurant THE MOONがあります。

シアスター・ゲイツ展 概要

会期:2024年4月24日〜9月1日
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00〜22:00(火〜17:00、ただし4月30日、8月13日は〜22:00) ※入館は閉館時間の30分前まで
休館日:会期中無休