フェルメール「小路」を超解説!2点しかない風景画の1枚

こんにちは!

今回は、フェルメールの《小路》についてです。

早速見ていきましょう!

小路

ヨハネス・フェルメール《小路》1658年頃

フェルメールの風景画は2点だけ

フェルメールが描いた風景画は、本作と《デルフトの眺望》の2点しか現存していません。

フェルメールの故郷オランダのデルフトでは、16世紀半ばに事故や火災で中世の建物の多くを失い、17世紀半ばに記録として都市の景観を描くことが流行していました。

場所はどこ?

デルフト市内のどこかであると考えられていますが諸説あり、特定の場所を描いたわけではない説も有力です。

右側の建物はフェルメールの叔母が所有していたもの説(これが一番有力)、フェルメールの実家から見える養老院説、1982年に取り壊された建物説などなど…。

デ・ホーホの作品に影響を受けた

ピーテル・デ・ホーホ《デルフトの中庭》1658年

デ・ホーホはオランダの風俗画家で、フェルメールとほぼ同時代を過ごし、交流があり、フェルメールの作品にたびたび影響を与えています。

本作も、彼の絵に影響を受けて描かれたと考えられています。

 

フェルメールの絵では、デ・ホーホの作品とは違って人物がはっきりと描かれていないため、建物がより一層目立ち、静けさを感じさせます。

縫い物をする女性と、遊んでいる2人の子供が描かれています。

 

使用人が描かれています。

今は無き銃眼とヒビ

 

この絵のような屋根の形をした建物は、現在もデルフト市内にあります。

 

しかし、この銃眼(射撃用の穴)のあるスペイン独立戦争頃の建物は残っていません。

 

また、壁は、経年劣化によるヒビまで再現して描いています。

サイン

 

「I・VMeer」というフェルメールのサインが左の壁に描かれています。