モリゾ「ゆりかご」に込められた親子の愛情と母親の葛藤とは?超解説!

こんにちは!

今回は、モリゾの《ゆりかご》を解説します。

早速見ていきましょう!

ゆりかご

ベルト・モリゾ《ゆりかご》1872年

33歳のとき、第1回印象派展に出品した作品です。

買い手はつかなかったものの他作品に比べ、例外的に好評を得た作品でした。

好評の理由は、モリゾが女性画家であり、母性愛は女性画家が描くべき主題と思われ、主題にふさわしい女性的感覚に満ちていたから、とされています。

画家を諦め結婚した姉

 

出産のため実家へ一時帰省していた姉エドマが描かれています。

優しく子供をあやしながらも、画家になりたかったけどなれなかった姉の葛藤が、どこか物憂げな表情に表れています。

黒いドレスと黒いチョーカーは当時の流行ファッションでした。

 

エドマの2人目の娘ブランシュです。

親子の愛をさりげなく強調

 

母親の腕と赤子の腕の動きは周到に計算され、反復しています。

親子であることの、愛情が双方向に流れていることを強調しています。

 

赤子の閉じた目は対角線を描き、背景のカーテンによってさらに強調されています。

この対角線は、母親と子供を繋ぎます。

また、鑑賞者と赤子の間に母親が揺りかごのベールを引っ張ることで、親子の親密さをさらに強調しています。

マネの影響

 

揺りかごを包む白いモスリンがとてもやわらかそうです。

レースを縁取るピンク色がやわらかさや優しさを演出しています。

平板な描写や陰影の無さは、マネの影響だといわれています。