こんにちは!
今回は、ギリシャ神話に登場する冥界の女王ペルセポネを解説します。
早速見ていきましょう!
ペルセポネ(プロセルピナ、パーセファニ)
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ《プロセルピナ》1874年
ギリシャ名:ペルセポネ、ローマ名:プロセルピナ、英語名:パーセファニ
アトリビュート:ザクロ
冥界の女王で、春の女神です。
冥界の神ハデスにさらわれる
レンブラント ・ファン・レイン《ペルセポネの略奪》1631年
ペルセポネは、ゼウスとケレスの娘で、清らかな美女でした。
人目を避けてシチリア島でおつきの女性たちと暮らしていました。
ある日、花を摘みに出かけ、水仙に近づいて触ろうとした瞬間、大地が揺れて2つに裂け、地底から冥界の王ハデスが現れました。
闇夜のような黒い馬に引かれた金の馬車に乗ったハデスが、泣き叫ぶペルセポネを捕まえて地中に戻ると、裂け目が閉じました。
ハデスは叔父
ペルセポネは、死者の住む冥界などに住むつもりはなく、ましてや陰鬱な叔父ハデスとの結婚など考えただけで身震いし、しくしくと泣き続けました。
一方、母である農業と収穫の神ケレスは、娘を探しまわり、絶望のあまり農作物は枯れ、人間たちは飢饉に苦しめられました。
実弟のハデスが娘を誘拐したと知ってゼウスに直訴しますが、兄と揉め事を起こしたくないゼウスは困り果てました。
季節がある理由
フレデリック・レイトン《ペルセポネの帰還》1891年頃
ケレスのストライキで人間たちがどんどん飢え死にしていくため、ゼウスはとうとう譲歩しました。
ハデスにペルセポネを戻すよう命じました、
しかしハデスは巧妙にも、ペルセポネにザクロの実を6粒食べさせていました。
冥界のものを口にしたら、もはや元には戻れません。
さすがのゼウスもペルセポネの奪還を諦めますが、1年のうち6か月は冥界で、6か月はケレスのいる地上で過ごすことと定め、以来、ケレスはペルセポネが戻ってくるのを心待ちにし、ペルセポネの帰還と共に春がやってくるようになりました。
冥界の女王
不本意ながら冥界の女王になったペルセポネでしたが、意外にうまく適応しました。
芸術作品では、ハデスの王座の横に座り、松明やケシの花と一緒に描かれています。
ケシには催眠効果があり、1年の一定期間、自然が眠りにつく現象を象徴しています。
ペルセポネは、夫ハデスに劣らず、なかなか厳格で頑固な性格でした。