こんにちは!
六本木の国立新美術館で開催中の「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」に行ってきました。
目次
メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年
メトロポリタン美術館から65点の名画が来日しています!
そのうち46点は日本初公開の作品です!
チケットの価格と入手方法
事前予約制です。
一般 2,100円、大学生 1,400円、高校生 1,000円です。
詳しくはこちら
ロッカー
至る所にあります。
音声ガイド
俳優・佐々木蔵之介さんが音声ガイドを担当しています。
料金は600円です。
写真撮影
写真撮影不可です。
混雑
祝日の朝イチ、10時の回で15分前くらいに並び、前には50人くらいいました(その後続々と増えていきました)。
何分前から開いているのかわかりませんが、少なくとも15分前には美術館が開いていたので、中で待つことができました。寒くない!!なんて良心的な美術館…!
朝イチの回で入って、第1章は飛ばして、第2章らへんの空いているところから鑑賞したので、とっても快適でした!
特にフェルメールの絵は、かなり混み合うので、先に見ておくのがおすすめです。
3時間くらい展示会場内にいましたが、一旦混んでしまえば混雑具合はずっと同じだったので(空くことはないけど混みすぎて絵の前に行列が出来たり、絵が見えないほどではないけど、ある程度人だかりができる感じ)だったので、朝イチで行って、後ろの空いている方からの鑑賞を強くお勧めします。
混雑が嫌な方は全くお勧めできませんが、展示は本当によかったです。
メトロポリタン美術館展 構成
Ⅰ.信仰とルネサンス
フラ・アンジェリコ《キリストの磔刑》 1420-23年頃
フラ・アンジェリコは、修道士として絵を描いていて、その絵がとても優れていたことから、「天使のような修道士」という意味でフラ(修道士)・アンジェリコ(天使のような)と彼の死後に呼ばれるようになりました。
ラファエロ・サンツィオ(サンティ)《ゲッセマネの祈り》 1504年頃
ラファエロの絵ってあまり日本に来ないイメージなので、これはうれしい!
ラファエロが20〜21歳頃に描いた聖書の物語の一場面で、簡単に言うと、絶対に今寝るべきではないのに、祈っているイエス以外、彼の弟子たちは寝てしまったというシーンです。
ディーリック・バウツ《聖母子》 1455-60年頃
この作品は、縦21㎝くらいと小さな作品なことから、個人のために描かれたものだと考えられています。
ルカス・クラーナハ (父)《パリスの審判》 1528年頃
ギリシャ神話の女神たちの美女コンテストが開催されています!
「パリスの審判」というテーマは、とてもよく絵画に描かれる題材なので、知らない方は是非一度ストーリーを確認しておくと、今度いろんな美術館や展覧会での絵画鑑賞が充実するかと思います。
ルーベンスの絵が特に有名で、↓でストーリーを詳しく解説しています。
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《ヴィーナスとアドニス》 1550年代
この作品は、ティツィアーノが国王フェリペ4世のために描いた有名な下の作品の模写です。
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《ヴィーナスとアドニス》 1554年
ヴィーナスは、危険な狩りに出ようとしているアドニスを必死に止めようとするも…(このあと彼女の不安は的中)。
エル・グレコ《羊飼いの礼拝》 1605–10年頃
イエス・キリスト誕生の瞬間が、グレコらしく描かれています。
Ⅱ.絶対主義と啓蒙主義の時代
カラヴァッジョ(本名 ミケランジェロ・メリージ)《音楽家たち》 1597年
26歳のカラヴァッジョが、最初のパトロンのために描いた作品です。
合奏+左端のキューピッド=音楽と愛の寓意が主題だと考えられています。
右から2番目、角笛を手にした若者は、カラヴァッジョの自画像だと言われています。
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール《女占い師》 おそらく1630年代
日曜美術館新春スペシャルで、ジョジョでおなじみの荒木先生がこの絵のことを「美味しそうな色で描いている、ショートケーキで塗って描いてるんじゃないかな」と言っていた通り、ショートケーキで塗ってるんじゃないかなってくらい柔らかな色合いでした。笑
手の動きに表現があって、いつまでも見ていたい作品のひとつでした。
絵の内容としては、若い男性を、みんなで騙そうとしている、という絵です。
ニコラ・プッサン《足の不自由な男を癒す聖ペテロと聖ヨハネ》 1655年
フランス人画家の手本中の手本、それがプッサンです。
プッサンの描いた上の絵のような古典主義から脱却しようとして生まれたのが、モネなどの印象派です。
ヨハネス・フェルメール《信仰の寓意》 1670-72年頃
フェルメールの絵にしては珍しく、やたらとごちゃごちゃしています。
これには理由があって、この作品は寓意画だからです。
描かれているものには全て理由があり、それらを読み解くと、この絵が「信仰」について表している絵だということがよくわかります。
レンブラント・ファン・レイン《フローラ》 1654年頃
春や花の女神フローラのコスプレをしたレンブラントの妻サスキアが描かれていると考えられています。
しかし、彼女はこの作品の制作から10年以上も前に亡くなっているそうで…。
ピーテル・クラース《髑髏と羽根ペンのある静物》 1628年
生命や現世の富・名声のはかなさを表した「ヴァニタス(虚栄)」画です。
アントワーヌ・ヴァトー《メズタン》 1718-20年頃
イタリア喜劇「コメディア・デラルテ」のキャラクターの一人で、報われない恋をむなしく追い求める使用人「メズタン」が描かれています。
フランソワ・ブーシェ《ヴィーナスの化粧》 1751年
ルイ15世の愛妾ポンパドゥール夫人お抱えの画家ブーシェが、彼女の城の装飾のために描いた絵です。
マリー・ドニーズ・ヴィレール《マリー・ジョゼフィーヌ・シャルロット・デュ・ヴァル・ドーニュ(1868年没)》 1801年
描いたのも女性、描かれたのも女性です。
この時代、女性画家というのはとても珍しい存在で、絵の中に描かれているマリー・ジョゼフィーヌ・シャルロット・デュ・ヴァル・ドーニュは、プロの芸術家になりたいと思いつつも、結婚を機に絵の道を諦めています。
Ⅲ.革命と人々のための芸術
ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー《ヴェネツィア、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂の前廊から望む》 1835年頃
ターナーが44歳の時にイタリアを旅して以来、お気に入りの街だったのがヴェネツィアです。
ジャン=レオン・ジェローム《ピュグマリオンとガラテア》 1890年頃
理想の女性像を作って、「ガラテア」という名前を付け、話しかけたり、着飾ったり、添い寝したりと本物の恋人のように扱っていたピュグマリオンというやばい王さまの物語です。
この作品が来日しているのはかなりアツいですね!
詳しくはこちらで解説しています↓
オノレ・ドーミエ《三等客車》1862–64年頃
ドーミエは、あのゴッホが超憧れた画家です。
ゴッホは、こんな風に絵を描きたかったそう。
ドーミエの絵の中でもかなり有名な1枚だと思うのですが、なぜか公式ではあまり取り上げられていませんでしたね…。
オーギュスト・ルノワール《ヒナギクを持つ少女》 1889年
ルノワールといえば、やわらかな女性画!
エドガー・ドガ《踊り子たち、ピンクと緑》 1890年頃
この作品が描かれた頃、ドガの視力はかなり落ちていたそうで…。
それなのにこの色彩と表現力!さすが踊り子大好きマンなだけあるな…。
フィンセント・ファン・ゴッホ《花咲く果樹園》 1888年
ゴッホが、「南仏の日本だ!」とキャッキャしていたアルルで描いた1枚です。
ポール・セザンヌ《リンゴと洋ナシのある静物》 1891-92年頃
セザンヌといえばリンゴの絵、というくらいリンゴを描いている画家ですが、なぜリンゴをモチーフに選んだのかを知っていると、絵画鑑賞はもっと楽しくなります。
なかなか良い話なのでよかったら読んでみてください↓
クロード・モネ《睡蓮》 1916–19年
モネといえば睡蓮!睡蓮といえばモネ!
モネは睡蓮を250点以上描いています。
ミュージアムショップ
図録、しおり、マスキングテープ、バッグなどの定番商品から、「すみっコぐらし」とのコラボ商品(てのりぬいぐるみ、クリアホルダー、シール、マシュマロ)などがありました。
私がショップに行った時点では、「すみっコぐらし」グッズはかなりたくさん在庫がありました!
図録は楽天ブックスで送料無料で購入できるので、事前または家に帰ってからの購入もおすすめです。
ショップ袋が可愛すぎて、385円もするのに買ってしまった…笑
カフェ&レストラン
1つのレストランと3つのカフェがあります。
3Fにあるのがレストラン「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」で、コース料理を楽しむことができます。
後の3つ2F「サロン・ド・テ ロンド」、1F「カフェ コキーユ」、B1F「カフェテリア カレ」はカフェなので軽食系です。
メトロポリタン美術館展 概要
会期:2022年2月9日(水)~5月30日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室1E
開館時間:10:00-18:00(毎週金・土曜日は20:00まで)
※入場は閉館の30分前まで
休館日:火曜日(ただし、5月3日(火・祝)は開館)
展覧会ホームページ:https://met.exhn.jp/
※本展は事前予約制です。詳細は展覧会ホームページをご覧ください。