こんにちは!
上野の森美術館で開催中の『ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵 KING&QUEEN展 ー名画で読み解く 英国王室物語ー』の王室の人間関係をどこよりもわかりやすく解説します!
早速見ていきましょう!
目次
KING&QUEEN展
この展覧会は、絵よりもその人物の「物語」にスポットライトを当てているので、行く前に軽〜く誰が誰なのかわかっていると、100倍楽しめます!
(来ている絵自体は、有名な作品のコピーばかりで正直微妙だなぁと。笑)
KING&QUEEN展 構成
Ⅰ テューダー朝
鬼畜なヘンリー8世
作者不詳(ハンス・ホルバイン[子〕の原作に基づく)《ヘンリー8世》17世紀か(原作:1536年)
182cm以上という高身長でガタイがよく、見た目からしてすごい圧、圧、圧。
しかもめちゃくちゃ怖い。
ちょっとでも気に入らない人は即死刑。
6回結婚していますが、内2人を死刑にしています。(震)
ロンドン塔の幽霊アン・ブーリン
作者不詳《アン・ブーリン》16世紀後半(原作:1533-1536年頃)
ヘンリー8世の2番目の妻であり、死刑になった内の1人です。
元々はヘンリー8世最初の妻キャサリン・オブ・アラゴンの侍女でしたが、ヘンリー8世の愛人になり、「王妃にしてくれなきゃイヤ!!!」と駄々こねてその座をゲット。
死刑の理由は「跡継ぎの男児を産めなかったから」です。
ちなみに女児は産んでいて、彼女は後にエリザベス1世となっています。
アンが処刑されたロンドン塔では、今でも「アンの幽霊を見た!」という目撃情報がちらほらあるそう…。
9日間の女王ジェーン・グレイ
作者不詳《レディ・ジェーン・グレイ》1590-1600年頃
周りに担がれて女王にならざるおえなかった悲劇の女王。
女王になって9日後にメアリー側の勢力に捕まり、処刑。
メアリーもジェーンがなりたくて女王になったわけではないことはわかっていたので、情けをかけて、
「カトリックに改宗するなら助けてもいいよ」と言いましたが、ジェーンが拒否したため、死刑にせざるおえなかったそう。
ブラッディ・メアリなメアリー1世
作者不詳(アントニス・モルの原作に基づく)《メアリー1世》1555年
「ブラッディ・メアリ」って言葉聞いたことありません?
ウォッカとトマトジュースを混ぜた赤いカクテルの名称ですね。
この名前の由来は、このメアリー1世がプロテスタントを鬼のように弾圧し、短期間で300人を火炙りにしたことからついたあだ名です。
すごいブラックユーモア…。
強運の持ち主エリザベス1世
作者不詳《エリザベス1世(アルマダの肖像画)》1588年頃
アン・ブーリンの娘、メアリー亡き後、次の女王になったのがエリザベス1世です。
エリザベスは、ず〜〜っと自分で政治を動かしたい!という強い思いから、生涯結婚せず、跡継ぎを産むこともありませんでした。
結婚をチラつかせることによって、他の国が攻めてこない(自分のものになるかもしれない国を戦争でボロボロにしたい王なんていませんよね)こともあり、いろいろ上手くいきました。
そして彼女の死をもって、テューダー朝は終わりを告げます。
Ⅱ スチュアート朝
目利きなチャールズ1世
ヘリット・ファン・ホントホルスト《チャールズ1世》1628年
チャールズ1世は、イギリスの歴代君主のなかでも特に芸術に興味を示し、美術品を収集した人物でした。
イケメン貴族風な画家ヴァン・ダイクを大変気に入り、宮廷画家として側に置いておいたことでも有名です。
王族あるある「美術に審美眼のある王、その他では無能」そのままの人物で、最終的には革命が起き、首を刎ねられています。
パリピなチャールズ2世
作者不詳(アンソニー・ヴァン・ダイクの原作に基づく)《チャールズ1世の5人の子どもたち》17世紀(原作:1637年)
チャールズ2世は、お洒落好き・派手好き・遊び好きの陽気な王様でした。
赤い服の少年が、後のチャールズ2世です。
彼は多数の愛妾を抱え、約15人も子供を産ませており、その中には、なんとダイアナ妃の先祖もいます…!
アル中のアン女王
ゴドフリー・ネラー《アン女王》1690年頃
女王という立場と、跡継ぎを産まなければというストレスで、アルコール、やけ食い、アルコール…肥満と痛風で苦しむことに。
37歳で即位するまでに約18回も妊娠したといわれていますが、流産や夭折で、結局跡継ぎは出来ず、彼女でスチュアート朝は終わりを迎えました。
Ⅲ ハノーヴァ朝
豪遊しまくりジョージ4世
ジェームズ・ギルレイ原画、ハンナ・ハンフリー出版《消化におびえる酒色にふけた人、ジョージ4世》1792年
服大好き女性大好き豪快に遊びまくった王です。
国民からは不人気でしたが、ロンドンの高級ショッピング通りリージェント・ストリートを作ったのは彼です。
バッキンガム宮殿を改造したり、大英博物館に父親の蔵書を寄贈して図書館を作ったりと、芸術面では大活躍しました。
Ⅳ ヴィクトリア王女の時代
依存体質なヴィクトリア女王
バーサ・ミュラー(ハインリッヒ・フォン・アンゲリの原作に基づく)《ヴィクトリア女王》1900年(原作:1899年)
父親を早くに亡くしたからか、父親と同じくらいの年齢のメルバーン子爵を慕いまくります。
メルバーンは首相を務めており、他の人物が首相になるとメルバーンに会えなくなるため、ヴィクトリアは首相交代を阻止。(後年、彼女はこのことをやりすぎだったと反省。笑)
彼以外の依存先を探し、見つけたのが夫となるアルバートです。
彼との結婚式でヴィクトリアがシルクサテンの白い衣装を着たことから、「花嫁の衣装といえば白」が定着したそう。
アルバートもヴィクトリアも真面目で勤勉、政略結婚でしたが本当に愛し合っており、9人の子供に恵まれ、国民から絶大な人気がありました。
余談ですが、王族といえば愛妾を抱えるのがもはや普通だったなか、アルバートはヴィクトリアだけを大事にしたそう。素敵。
Ⅴ ウィンザー朝
チョコ大好きエリザベス2世
ドロシー・ウィルディング撮影、ベアトリス・ジョンソン彩色《エリザベス2世》1952年
現在94歳、存命の君主では世界第1位の長期在位君主です。
チョコレートが大好きで、チョコレートクッキーはあるだけ食べてしまうお茶目な一面も。(かわいい)
ちなみにウィンザー家がいろいろあって改名してハノーヴァ家になっているので、もし改名していなければハノーヴァ家は300年を超えた、めちゃくちゃ長い王朝ということになります。
大人気ダイアナ妃
ブライアン・オーガン《ダイアナ妃》1981年
イギリスの名門貴族スペンサー伯爵家のお嬢様で、エリザベス2世の長男チャールズ皇太子と結婚するも、後に離婚、翌年交通事故による不慮の死を遂げたことで有名ですね。
とても人気があり、世界で1番多く写真を撮られ、記事にされた人物だともいわれています。
頭がなんとなく気になるウィリアム王子&キャサリン妃&ジョージ王子
One of the official portraits for the christening of Prince George of Cambridge.(Jason Bell/Camera Press)
出典:ABC NEWS『British monarchs, present and future, photographed on occasion of Prince George’s christening』
ダイアナ妃の最初の息子がウィリアム王子です。
妻のキャサリン妃は、王室でもなければ貴族でもない一般人(とはいえすごい一般人ですが…)から王室入りしました。
2人の最初の息子がジョージ王子です。
お騒がせセレブなハリー王子&メーガン妃
Photo: Alexi Lubomirski
ダイアナ妃の2番目の息子がヘンリー王子です。英語圏では通常非公式の場でハリー王子と呼ばれています。
妻のメーガン妃は、結婚前はアメリカで女優として活動していました。
今話題の王室お騒がせカップルですね。
KING&QUEEN展 概要
〜
開館時間:10:00~17:00(金曜日は10:00~20:00)
※最終入館は閉館の30分前まで
入館料:
【平日】一般1,800円、高校・大学生1,600円、小学・中学生1,000円
【土日祝】一般2,000円、高校・大学生1,800円、小学・中学生1,200円
*未就学児の入場は無料です。日時指定券をお持ちの付添者の入場時間にお入りください。
※障がい者とその介護者1名は無料。入場の際に障がい者手帳をご提示ください。「日時指定券」のご購入は不要です。