こんにちは!
箱根のポーラ美術館で開催中の「ゴッホ・インパクト—生成する情熱」展に行ってきました。
目次
ゴッホ・インパクト—生成する情熱

ポーラ美術館で初めて開催されるゴッホ展なんだそう!意外〜!
ゴッホの作品は少なく(油彩画は4点のみ。しかも3点はポーラ美術館所蔵)、ほぼ日本人アーティストの作品展!という感じで個人的にはかなり微妙な展覧会でした。
同時開催のライアン・ガンダー展は良すぎたので、ぜひポーラ美術館には行ってみてください!笑
チケット情報

大人2,200円、大学・高校生1,700円、中学生以下無料です。
このチケットで同時開催中の「ライアン・ガンダー:ユー・コンプリート・ミー」も鑑賞することができます。
チケットの詳細はこちら
ロッカー
1階にあります。
音声ガイド
音声ガイドはありませんが、作品鑑賞ガイドアプリ「PINTOR」をダウンロード(無料)すると一部の作品の解説を読むことができます。また、他の人の感想を読んだり、感想を投稿することもできます。
写真撮影
基本的には撮影OKです。撮影不可の作品にはマークが付いています。
混雑
平日の午前中に行きましたが、最近のポーラ美術館の展覧会の中では結構混んでいる方なのでは?という感じで人がいました。さすが「ゴッホ」というタイトルが付く展覧会の集客力は違いますね。
とはいえ東京の大型展のような混雑ではないので、快適に鑑賞できます。
展示室の広さの割に、展示数が少ないので、ある程度混んでも見やすいのでは?
ゴッホ・インパクト展 構成

「ゴッホ・インパクト」は、タイトルの通りゴッホの“パッション(情熱/受難)”が時代・地域を超えて放った衝撃を検証し、その影響が現代にどう受け継がれているかを探る企画展です。
ゴッホの油彩3点(ポーラ美術館所蔵)を核に、近代〜現代の多彩な作家の関連作を加え、ゴッホ像の生成と変奏を立体的に示します。
みどころ3ポイント
パッションの伝播
うねる筆触と激しい生涯がいかに語られ、模倣され、時に社会現象を起こしたかを作品と資料でたどる。
ゴッホと日本

『白樺』による紹介から戦後まで、日本で巻き起こったブームと、それぞれの時代の受容の姿をエピソード豊かに振り返る。

ゴッホ×現代

森村泰昌のセルフポートレートやフィオナ・タンの映像作品など、21世紀のアーティストが奏でる“ゴッホ変奏曲”を紹介。
ポーラ美術館所蔵ゴッホ3作品

《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》1888年 アルル
補色効果を試す南仏の風景画。

《草むら》1889年 サン=レミ
療養院の庭をクローズアップし、緑の諧調で自然の息づかいを描写。

《アザミの花》1890年 オーヴェール
最晩年の静物。放射状の構図と細長い筆触に生命力が漲る。
ゴッホの画家としての歩み
オランダ時代(〜1885)

暗い色調で農民の労働を描く。《座る農婦》に共感と敬虔さが宿る。
パリ時代(1886–88)

モネの作品
印象派・新印象派の色彩実験に没頭。

左からシニャック、スーラの作品
点描や浮世絵の影響を示唆。
アルル時代(1888–89)

ゴーギャンの作品
南仏の光の下、色彩と補色を徹底追究。《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》ほか、ユートピアを夢見た「黄色い家」の時代。

左からセザンヌ、ゴーギャン

セザンヌの作品

サン=レミ時代(1889–90)
療養院内で自然を凝視。《草むら》に見る限定視野と色彩の濃度。

中央はマティスの作品

ムンクの作品


ロダンの彫刻

セザンヌの作品

ロダンの彫刻
オーヴェール時代(1890)

ゴッホの医師ガシェのエッチング
精神科医ガシェのもとで制作。生涯最後の月に描かれた《アザミの花》が、なおも衰えぬ創造力を物語る。

版画印刷機
ゴッホが生んだ “インパクト” とその受容

モーリス・ド・ヴラマンク《シャトゥー》 1906年頃
1901年にパリで開かれたゴッホ個展で受けた衝撃がヴラマンクを突き動かし、激しい筆致と大胆な色面、のちに「フォーヴィスム」と呼ばれる表現を生み出す原動力になった。

岸田劉生の自画像
雑誌『白樺』でゴッホの図版を見た劉生は、その筆触と色彩の力強さに共鳴。外光派を離れ、厚塗りと暗い色調で内面的な強度を示す新たな絵画段階へ踏み出した。


前田寛治《ゴッホの墓》 1923年
渡仏中にオーヴェールを訪れ、ゴッホ兄弟の墓碑に対面。「いつまでも覚めない」狂気を感受し、その夜一気呵成に描き上げた追悼作が誕生した。




中村彝《向日葵》 1923年(写真左、右は焼失したゴッホ作品の複製陶板)
山本顧彌太旧蔵のゴッホ《向日葵》を東京で観て深い感銘を受け、白い光のもとに哀惜の花束を描いた。ゴッホ作品は戦災で焼失したが、彝の作品がその記憶を今に伝える。


森村泰昌《肖像(ゴッホ)》 1985年(写真右)
耳に包帯を巻いたゴッホの自画像へ扮したセルフ・ポートレートでデビュー。

以来、日本に根付く「ゴッホ神話」を自らの身体で批評的に演じ続けている。


福田美蘭《冬-供花》 2012年
ゴッホ《薔薇》を翻案し、父の逝去と東日本大震災犠牲者への追悼を白い花籠に託した。ゴッホのモチーフを現代の悲痛に響かせる再解釈となっている。


桑久保徹《フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホのスタジオ》 2015年
美術史上の巨匠のアトリエを想像し再構築するシリーズの一作。星月夜を思わせる夜景にゴッホの象徴を散りばめ、厚塗りの油絵肌が画家の情熱を想起させる。
フィオナ・タン《アセント》 2016年
富士山を撮影した四千枚余りの写真とナレーションから成る映像インスタレーション。浮世絵に魅せられたゴッホの視線と西洋人の富士観が交錯し、日本とゴッホをつなぐ視覚文化の重層性を映し出す。
カフェ&レストラン
レストラン「アレイ」
最近事前に予約できるようになりました!休日にはあまり行かないのでわかりませんが、平日のお昼なら予約しなくても入れるかと思います。

ゴッホ展コラボコースもありましたが、あまり惹かれなかったため、オリジナルシーフードカレーを注文しました。
初めて食べましたが、クリーミーでとても好みの味でした。レトルトのルーも売っています。

夏のワンプレートランチです。ゴッホ展コラボのノンアルコールカクテル「アザミの花」がかわいい。すっきりしていて夏に飲みたい味。
カフェ「チューン」
こちらのカフェではドリンクやケーキ、ホットサンドなどの軽食を楽しむことができます。今回メニューを見たら、ケーキの種類が若干変わって減っているような気がしました。

ソフトクリームと紅茶を注文。ミルキーな味わいでとってもおいしいし、大ボリューム。
背景の黒いボールは同時開催中のライアン・ガンダー展の展示です。

ウィンナーコーヒーです。クリームたっぷりなのがうれしい。
ミュージアムショップ
マグネット、クリアファイル、ブロックメモ、ロゴタオル、ロゴトートなどがありましたが種類少なめ。図録はありませんでした。
ゴッホ・インパクト展 概要
会期:2025年5月31日~11月30日
住所:神奈川県⾜柄下郡箱根町仙⽯原⼩塚⼭
電話番号:0460-84-2111
開館時間:9:00~17:00 ※入館は16:30まで
休館日:会期中無休